第673回:マニアだけのものではない? モテそうなスバル車5選
2022.01.17 エディターから一言 拡大 |
そのこだわりの選択ゆえに、スバル車のオーナーが「カーマニア」や「ガチのオタク」とみなされる風潮があることは否定できない。スバル車オーナーである筆者も、常々そう感じている。では、モテるとまではいかずとも市井において“いいカンジに見えるスバル車”とはどんなモデルなのかを、あらためて考えてみた。
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好感を持たれるスバル車とは?
いまさら「クルマでモテる」とか「モテない」うんぬんを語るのはナンセンスであると、重々承知はしている。だがそれにつけても、スバル車およびスバル車ユーザーの「なんかモテなさそうな感じ」は突出しているように思える(すみません)。
実は私自身も2台続けてのスバル車ユーザーではあるのだが、スバル車に乗っている人というと、「青いブルゾンと青いキャップを常に着用し、大きな羽が付いた青いクルマを運転しながら、BPやらVABやらアプライドCなどのよく分からない専門用語で会話している人たち」というイメージがある。
実際はそんなこともないのだろうが、そういったイメージが浸透してしまっているのだ。ちなみにBPは「レガシィ ツーリングワゴン」の型式を示すアルファベットで、VABはEJ20Yエンジン搭載の「WRX STI」を差し、アプライドCは3度目の年次改良が行われたモデルという意味である。
だが近年のスバルはそういった悪く言えば“クルマオタク御用達”的なイメージを払拭(ふっしょく)するべく、「おしゃれな感じ」を醸し出すブランドへと変容しようとしていることが、CMのつくり方などから見て取れる。そして実際、最近の一部のスバル車は「これ、けっこうモテそうじゃない?」という雰囲気を放ってもいる。
ということで本稿では──それに乗ればモテるとかは99.9%ないはずだが──カーマニアやスバリストだけではなく「一般的なセンスの男女」からも好感を持たれるであろうスバル車を、筆者の独断でもって5台選定してみようと思う。
モテそうなスバル車第1位:新型「レガシィ アウトバック」
2021年10月に正式発表された新型「レガシィ アウトバック」は、スバルのフラッグシップSUV(というかクロスオーバー車)。これこそが今、「モテそうなスバル車」の最右翼だろう。
モテる現代人のたしなみである「アウトドア」のムードを色濃く感じさせる一台であり、当然ながらムードだけでなくハードコアなアウトドアギアとしての本質を備える。そしてその本質が図らずもじんわりとにじみ出ているという点が、非カーマニアな一般人をして「なんかステキ!」と感じさせるのだ。
カーマニアあるいはスバリストは全長4870mm、全幅1875mmとなった新型のボディーサイズに対して「日本の道で使うにはデカすぎる!」「北米のことばかり考えやがって!」と文句を言うのだろう。筆者もカーマニアゆえ、その気持ちは痛いほど分かる。
だが一般的な感性であれば、新型レガシィ アウトバックのサイズ感は「頼もしい!」「(後ろの席が)快適そう!」ということで、“モテ”につながるはず。SUVが特別なものでなくなってきた現代においては、そのサイズ感もすんなりと受け入れてもらえそうだ。
ボディー色は、イメージカラーである「ブリリアントブロンズメタリック」も悪くないが、よりミリタリーテイストが強い「オータムグリーンメタリック」のほうがモテそうな予感はある。ただ、ひと昔前の「ランクル」のようなデザインのフロントグリル(6万4900円)をオプション装着するとモテ効果は半減するので、そこだけは注意したい。
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モテそうなスバル車第2位:現行型「スバルXV」
いまさら説明の必要はないかと思うが、「スバルXV」は2017年に登場したCセグメントのクロスオーバーSUVである。2021年12月には一部改良が行われている。
XVにフラッグシップであるレガシィ アウトバックのようなプレミアム感はないのだが、プレミアム感の薄まり具合が逆に「カジュアル」というバリューを生んでいる。
ディープな守旧派スバリストがXVをどう評価しているのか、筆者は寡聞にして知らないが、一般層からのウケはいい。「程よいレベルのスポーツマン」あるいは「ガチすぎないアウトドアマン」が乗っていそうなイメージがあるからだ。
そして相応のレベルのスポーツマンあるいはアウトドアマンというのは言うまでもなく、現代社会におけるモテ人種の典型例のひとつである。
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モテそうなスバル車第3位:新型「スバルBRZ」
「スポーツカー」「2ドアクーペ」というのは今や(日本では)モテなさそうなカテゴリーの最右翼ではあるのだが、新型「スバルBRZ」は意外とイケるはず。たたずまいにいわゆるオタクっぽさがなく、全体が醸し出している雰囲気は「ポルシェ718ケイマン」や「アルピーヌA110」あたりに近いのだ。乗り心地もこの種のモデルとしてはまずまず快適であるため、助手席の乗員が苦々しく思うこともないだろう。
もちろんコテコテの超スポーツカーやゴテゴテの改造クーペは、いつだって一般層からは毛嫌いされるものだ。しかし新型BRZのような「端正な2ドアクーペ」であれば、猫も杓子(しゃくし)も金太郎飴的なSUVばかりに乗っている昨今、いい意味での異彩を放てるはずなのだ。
“モテ”の観点でBRZを選ぶのは賭けかもしれない。だが新型BRZにベットしてみるのは決して勝率の低い賭けではないと、筆者は考えている。ただ、空力効果が抜群であるらしい「STI ドライカーボンリアスポイラー(41万3160円)」は、この場合、装着してはいけない。どうしても付けたいのであれば不退転の決意をもって、非モテ道をロンリーウルフとして突き進むべきだろう。
モテそうなスバル車第4位:新型「WRX S4」
これまたいかにもモテなさそうなカテゴリー(セダン+高スポーツ性)であるが、筆者は「意外とイケるのでは?」とにらんでいる。
生粋のスバリスト各位や守旧派カーマニアからは不評であるらしいホイールアーチの黒い樹脂製トリムだが、一般層は、そここそを無意識の領域において「なんかアウトドアっぽくてステキ!」と感じるはずであるため、意外とモテるのではないか──と推測されるのだ。
懸念点は乗り心地だろうか。筆者はモグリの無認可評論家であるため新型WRX S4のサーキット試乗会に参加できておらず、まだ乗っていないため分からない。よって新型WRX S4の足が(一般人の感覚からみて)あまりにも硬い場合は、残念ながら非モテ街道を突っ走ることになる。
しかし上級グレードである「STI Sport R」には、電子制御ダンパーやパワートレインなどを協調制御する「ドライブモードセレクト」が付いている。
筆者の私物である現行型「レヴォーグ」のドライブモードセレクトの様子から推測すれば、そして2021年11月25日のwebCGで正規評論家の山田弘樹さまが書いておられた試乗リポートから推測すると、ドライブモードセレクトを「コンフォート」にさえしておけば、新型WRX S4はスポーツカーに不慣れな人でも納得の乗り心地となるはず。よって、非モテ街道を突き進むはめになる可能性は低いと思われるのだ。
モテそうなスバル車第5位:先代「レガシィ アウトバック」
第5位も、できれば新車のなかから探したいとは思った。けれども私が愛する現行型レヴォーグは──いいクルマなのだが──特にモテそうとはまったく思えず、現行型「フォレスター」も、これまた素晴らしくいいクルマではあるが、一般層からのモテとは無縁っぽい。
そして「インプレッサ スポーツ」は微妙で「インプレッサG4」は論外なので(すみません)、あくまで「モテそう」という軸でスバル車を評価する場合は、先代「レガシィ アウトバック」を第5位とするのが順当となる。
前期型はさすがに(モテそうかどうかという観点では)古さを感じさせるが、2017年9月以降の後期型は今なお十分以上にシュッとしている。そして、モテる現代人のたしなみである「アウトドア」のムードを色濃く感じさせる一台であり、当然ながらムードだけでなくハードコアなアウトドアギアとしての本質を備え、その本質が図らずもにじみ出ている──という点についても、新型と旧型後期はほとんど同じようなものである。
こちらも新型とある意味同じく「ワイルドネスグリーンメタリック」というボディー色の中古車を探せば、モテ街道を突っ走れる可能性すらあるだろう。
……以上、すべてはたわ言であり、冒頭で申し上げたとおりいまさら「クルマでモテる」とか「モテない」うんぬんを語るのはナンセンスであることは承知している。
だが、とにかく「スバル車=一部マニアのためのもの」という風潮や決めつけを何とかしたいと思っている筆者なのだ。この記事が、それを打破するための一助になったかどうかはさておくとして……。
(文=玉川ニコ/写真=スバル/編集=櫻井健一)
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玉川 ニコ
自動車ライター。外資系消費財メーカー日本法人本社勤務を経て、自動車出版業界に転身。輸入中古車専門誌複数の編集長を務めたのち、フリーランスの編集者/執筆者として2006年に独立。愛車は「スバル・レヴォーグSTI Sport R EX Black Interior Selection」。
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