ホンダN-BOX(後編)
2023.11.30 あの多田哲哉の自動車放談 ホンダの軽自動車「N-BOX」は、もはや知らぬ者がいないほどの“国民車”になっている。絶大な支持へとつながる、このクルマならではの魅力について、車両開発のプロである多田さんが語る。本当に感心します
多田さんというと、クルマ好きには「86」や「GRスープラ」のイメージが強いが、実はN-BOXのようなユーティリティー系の背高グルマにも造詣が深い。
というのも、多田さんがトヨタで主査として初めて商品企画をまとめたのは初代「bB」だし、そこから派生した「bBオープンデッキ」で初めて開発全体を取りまとめた。チーフエンジニア昇格後は、初代「パッソ」、2代目「ラウム」、初代「ラクティス」を手がけている。
そんな多田さんゆえか、新型N-BOXを観察していると、次々と気づいていく。
「今はどのメーカーの軽もそうですが、こうしてスライドドアで平らな掃き出しで乗り降りができるというのはいいですね。グラブハンドルの位置や開口部をグリップ形状にしているところもよく考えられています。そして、ドリンクホルダーやシートバックテーブルも。私も、ラウムの担当の時は、毎日コンビニに出かけてドリンクのカタチを追いかけていました」と、多田さんは笑う。
「このシートはとてもいいです。いわゆるベンチシートですが、お尻も背中もしっとりと沈み込んで、左右のホールド性が見た目以上にしっかりしています。ベンチシートの難しさはbBの時に身に染みていますから、これには感心します。当時は今のようにウレタンの硬さや沈ませ方を場所によって細かく変えることも難しかったんです」
多田さんはさらに、左サイドの死角を補う「ピタ駐ミラー」にもいたく感心していた。先代では前後用2枚のミラーを並べていたが、新型では斜め後方をドアミラーに組み込み、前方は「合わせ鏡」で運転席から見えるようになった。
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