第968回:初代「ルノー・トゥインゴ」は「フィアット500」と同じ旋風を起こせるか?
2026.07.02 マッキナ あらモーダ!「まだまだ使える」で早8年
モデルとしては4代目となる新型「ルノー・トゥインゴE-Techエレクトリック(本欄第958回参照。以下、新トゥインゴと記す)」が欧州で発売されてから、2026年6月ではや3カ月となる。メーカーから登録台数に関するデータの発表は現段階までにない。いっぽうで、筆者が住むイタリアにおける2026年5月の新車登録台数は293台だ。バッテリー電気自動車(BEV)では4位の「BYDドルフィン サーフ」、5位の「シトロエンë-C3」に次ぐ6位である(データ出典:UNRAE)。販売店向けデモカーの登録は4月に終わっていると思われるので、当月はほぼ一般ユーザーの購入による数字とみていいだろう。ちなみに、本稿執筆時点まで筆者自身は、まだ路上を走る新トゥインゴを目撃していない。
この新トゥインゴのエクステリアデザインは、メーカーが公表しているように、そのモノボリューム形状をはじめとして各部を1993年の初代に範を取ったものである。今回はその初代のお話を少々。
初代トゥインゴには、生産終了後19年が経過した2026年時点でもイタリアでたびたび遭遇する。
本欄第912回に登場したナターレ&ピーノ兄弟の修理工場にも、1台、初代がたたずんでいることに筆者は気づいていた。ずいぶん長くあるので、どうやら客の持ち込みではないとみた。ある日ピーノさんに尋ねると案の定、彼の足グルマだった。
ピーノさんの初代は2000年登録である。「オドメーターは、もう11万kmいってるよ」。ただし最初から彼が選んだわけではなかった。「8年くらい前のことだったかな。常連さんが、『後ろをぶつけちゃった』と言って、このトゥインゴでやってきたんだ。板金屋さんの見積もりは1500ユーロ(筆者注:約29万円)。彼は修理しないで手放すと言うので、私が引き取ったんだよ」。ぶつけたときの痕跡として、確かにラゲッジルームがやや歪んでいる。だが走行に支障はない。メカの部分は今日のクルマと比較して単純である。ましてやピーノさんと彼の弟はメカニックだ。まったくもって捨てる必要がないクルマだったのである。
低燃費であることもうれしいという。「満タンにすれば700kmくらいは平気で走るからね」。そしてこう付け加えた。「今どきの新車は高すぎる。コンパクトカーでも2万ユーロ(約368万円)台だ。とてもじゃないが買う気にはなれない」。参考までに、イタリアで「フォルクスワーゲン(VW)ポロ」は標準モデルでも2万2250ユーロ(約410万円)である。VWのエントリーモデルという過去の印象から実際の価格は大きくかけ離れている。
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