クルマ好きなら毎日みてる webCG 新車情報・新型情報・カーグラフィック

第124回:「日産エルグランド」と「メルセデス・ベンツVLE」(前編) ―絶対王者に戦いを挑む、次世代高級ミニバンのカーデザイン―

2026.08.12 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
【webCG】クルマを高く手軽に売りたいですか? 車一括査定サービスのおすすめランキングを紹介!
2025年10月に発表され、2026年7月に発売された新型「日産エルグランド」(写真右)と、2026年3月に世界初公開された「メルセデス・ベンツVLE」(同左)。
2025年10月に発表され、2026年7月に発売された新型「日産エルグランド」(写真右)と、2026年3月に世界初公開された「メルセデス・ベンツVLE」(同左)。拡大

日産が新型「エルグランド」を発売し、海の向こうではメルセデス・ベンツが「VLE」を発表するなど、今、にわかに盛り上がりを見せている高級ミニバンのかいわい。新興勢力は王者「トヨタ・アルファード」の存在を超えられるのか? カーデザイン視点で考えた。

国内の高級ミニバン市場で圧倒的な支持を集めている「トヨタ・アルファード」。海外でもアジアや中南米などで人気を博している。
国内の高級ミニバン市場で圧倒的な支持を集めている「トヨタ・アルファード」。海外でもアジアや中南米などで人気を博している。拡大
当連載でも何度か触れている新型「日産エルグランド」。余談だが、同車や「トヨタ・アルファード」「メルセデス・ベンツVLE」のメーカー配布画像を閲覧していたら、いずれもイメージカラーがブラウン系のようだった。他のジャンルではあまり見ない例だし、高級ミニバン特有のトレンドなのだろうか……?
当連載でも何度か触れている新型「日産エルグランド」。余談だが、同車や「トヨタ・アルファード」「メルセデス・ベンツVLE」のメーカー配布画像を閲覧していたら、いずれもイメージカラーがブラウン系のようだった。他のジャンルではあまり見ない例だし、高級ミニバン特有のトレンドなのだろうか……?拡大
前後バンパーの下端に、リアスポイラーと、車体の縁を突き出させた“発散系”のデザインが「エルグランド」の特徴。下の「メルセデス・ベンツVLE」と比較すると、その違いがよく分かる。
前後バンパーの下端に、リアスポイラーと、車体の縁を突き出させた“発散系”のデザインが「エルグランド」の特徴。下の「メルセデス・ベンツVLE」と比較すると、その違いがよく分かる。拡大
新開発のバン用アーキテクチャー「VAN.EA」をベースに開発された「メルセデス・ベンツVLE」。容量115kWhのバッテリーを搭載した電気自動車だ。
新開発のバン用アーキテクチャー「VAN.EA」をベースに開発された「メルセデス・ベンツVLE」。容量115kWhのバッテリーを搭載した電気自動車だ。拡大
渕野氏が「最近のメルセデス・ベンツのなかでいちばんカッコいい」と語る「VLE」。そのココロは?
渕野氏が「最近のメルセデス・ベンツのなかでいちばんカッコいい」と語る「VLE」。そのココロは?拡大

ようやく王者に挑める逸材が出てきた!

webCGほった(以下、ほった):えー、今回は新型日産エルグランドやメルセデス・ベンツVLEの登場で活気づく、高級ミニバンのデザインがテーマです。

清水草一(以下、清水):長らく「トヨタ・アルファード」の天下が続いてるけど、ようやくライバルが登場してきたってことね。

ほった:天下三分の計です。

清水:えーと、魏がアルファードで、呉と蜀はどっち?

ほった:どっちでもええです。まぁエルグラとVLEが出た! っていっても、現状、日本で実物を拝めるのはエルグランドだけですが。

渕野健太郎(以下、渕野):エルグランドは、以前に清水さんが言っていた「発散したデザイン」ですよね(参照)。ボディー下の四隅を限界まで幅広くして、そこを起点にデザインが組み立てられています。

清水:四隅が角張ってるを超えて、トガってるイメージですよね。

渕野:リアスポイラーまわりもかなり強く主張していますね。ヘッドランプとかはそこまで突飛ではありませんが、リアの上側の隅もとがっている。立方体の8つの隅のうちの6つが、これでもかと幅広さを主張しています。これは、新型「キックス」(その1その2)と共通するデザインロジックです。「車幅の見栄えでは、絶対にアルファードに負けない」という強い意志を感じる。

清水:ただ、サイド面が平板でしょう。そのせいで、以前渕野さんが言っていた、「『セレナ』の大きいやつ」という印象は消えませんね。 

渕野:それはどうしてもありますね。ただ面の抑揚は段違いです。特に注目がドア面のリフレクション。前後ドアの分割付近で折れているでしょう? この部位で面が折れていることを意味しますが、こうした通常考えつかないような立体表現で、よりダイナミックに見せています。

ほった:じゃ、もう一方の挑戦者であるVLEはどうでしょう?

渕野:最近のメルセデスのニューモデルのなかで、いちばんカッコいいと思います。

ほった:えっ、そうですか!?

清水:だいぶビックリ(笑)。

日産 エルグランド の中古車webCG中古車検索

既存のVクラスとは全然違う

渕野:メルセデス・ベンツVLEは実に秀逸なデザインです。以前の「Vクラス」は車体全体のボリューム感が強すぎて、いったいどんなクルマかよく分からない部分がありました。どこか商用車という感じも否めなかった。

清水:商用車ベースの乗用車でしたよね。走りはさすがにメルセデスだったけど。

渕野:あれはロングであれショートであれ、ルーフラインが後ろまでスパーンとまっすぐ水平に走っていたでしょう。そのせいで商用車感が拭えなかったんですよ。

ほった:国産でいえば「トヨタ・グランエース」ですね。

清水:絶版になっちゃったけど。

渕野:それに対してVLEは、ルーフラインが後ろにいくにしたがって、なだらかに下がっている。 

ほった:それだけでスペース最優先ではないのが分かるし、商用車感は消えますよね。

清水:サイドウィンドウの後ろ、Dピラー付近の処理も特徴的で面白いのでは。

渕野:そうですね。デザイナーがあえて乗用車的な演出をいろいろとしているわけです。サイド面を見ても、メルセデスらしいふくよかな面構成になっている。

ほった:ちゃんと乗用車的なショルダーがありますね。

渕野:フロントマスクは「CLA」などと同じで、左右のヘッドランプを加飾でつなげているパターンです。過去に取り上げたSUVの「GLC」は、全体のプロポーションに対してフロントのグリルがデカすぎて、顔だけが浮いて見えるという話をしましたよね(参照)。

ほった:あの顔はいただけません。光りすぎだし。

渕野:しかしVLEは、あの大きなグリルが全体のフォルムに対してぴったりはまっている。ドア面の、いちばん外側に膨らんでいるピークのラインが、グリルに自然につながっているので、すんなり受け入れられるんです。

清水:へぇ、そういう理由なんですか。

ほった:どうせ顔だけしか見てなかったんでしょ。

清水:まあね。

「メルセデス・ベンツVLE」のフロントまわり。ショーカー「ビジョン アイコニック」ゆずりの巨大グリルが目を引くが、同様のコンセプトを受け継ぐ新型「GLC」などと比べても、グリルが全体になじんで感じられる。
「メルセデス・ベンツVLE」のフロントまわり。ショーカー「ビジョン アイコニック」ゆずりの巨大グリルが目を引くが、同様のコンセプトを受け継ぐ新型「GLC」などと比べても、グリルが全体になじんで感じられる。拡大
ボディーの凹凸やプレスラインが浮かび上がらせる各部の陰影に注目。グリル上部の加飾から伸びるラインがヘッドランプを抜けてフロントフェンダー、ドアパネルへと続いていることや、その下のドア面のピークが、フェンダー、バンパーを通ってフロントグリルの角につながっていることが分かる。
ボディーの凹凸やプレスラインが浮かび上がらせる各部の陰影に注目。グリル上部の加飾から伸びるラインがヘッドランプを抜けてフロントフェンダー、ドアパネルへと続いていることや、その下のドア面のピークが、フェンダー、バンパーを通ってフロントグリルの角につながっていることが分かる。拡大
サイドビューでは後ろへ向かうにつれてなだらかに傾斜するルーフラインが特徴。後端をベルトラインに収束させるガラスエリアの意匠も目を引く。
サイドビューでは後ろへ向かうにつれてなだらかに傾斜するルーフラインが特徴。後端をベルトラインに収束させるガラスエリアの意匠も目を引く。拡大
メルセデス・ベンツの商用バン/乗用ミニバンの3代目「Vクラス」。後端まで水平に伸びるルーフラインやへん平な面にプレスラインを走らせただけのドアパネルなど、空間効率を追求したつくりがボディー形状にも表れており、乗用車的な情緒は希薄だった。
メルセデス・ベンツの商用バン/乗用ミニバンの3代目「Vクラス」。後端まで水平に伸びるルーフラインやへん平な面にプレスラインを走らせただけのドアパネルなど、空間効率を追求したつくりがボディー形状にも表れており、乗用車的な情緒は希薄だった。拡大
2019年にトヨタが発売した、フルサイズワゴンの「グランエース」。「Vクラス」に輪をかけて水平基調で抑揚を抑えたエクステリアデザインは、ほぼほぼ商用バンのそれだった。
2019年にトヨタが発売した、フルサイズワゴンの「グランエース」。「Vクラス」に輪をかけて水平基調で抑揚を抑えたエクステリアデザインは、ほぼほぼ商用バンのそれだった。拡大

顔の迫力はアルファードにも勝る

渕野:リアまわりも、メルセデスの箱グルマにしてはしっかりデザインされてます。リアコンビランプが縁の上側をぐるっと囲んでいる特徴的なグラフィックも、ここまで手をかけるのかと驚きました。プロポーションも、タイヤが四隅で踏ん張っていてスタンスが非常にいいし、全体的に本当にカッコいいと思います。

清水:自分はそこまでカッコいいと思わないけど、この顔の威力は絶大だろうなと思いますよ。そして、顔が決して浮いてない。

渕野:はまってますね。 

清水:いまや高級ミニバンといえば、アルファードが圧倒的な天下を取っていて、アジア諸国でも大人気でしょう。一方、欧州ではVクラスのひとり天下だったけど、あくまで商用車の延長で、一般ユーザーが乗るクルマじゃなかった。日本でもVクラスの人気は盛り上がらなかった。

でも、VLEが日本に来たら、ちょっと情勢は変わるかもですね。数ではアルファードに勝てっこないけど、VLEに横に並ばれたら、アルファードオーナーも「げえっ、負けたかも」と思わざるを得ない。あの顔のインパクトはスゴいよね。大きく開いた口に吸い込まれそうで、一度見たら癖になる。アルファードすら吸い込むかも。

ほった:アルファードがアジアや南米などでぐんぐんのしてきた。そのトレンドをキャッチアップして中国勢も盛んに動いていたわけですよね。欧米以外の全世界で、「高級ミニバン」という市場が成立しつつあることを、メルセデスもようやく認識したんだと思います。だからデザインも含めて、このカテゴリーに本腰を入れ始めたんでしょう。

清水:ミニバン嫌い、ミニバン無視の欧州人も座視できなくなったと。結局、VLEのメインターゲットは中国市場かな?

ほった:中国を筆頭に、あとは新興国全般って感じでしょう。ただ今後はヨーロッパ市場でも、この手のミニバンが今までとは違う目で見られてくる気がします。

清水:かもね。彼らは保守的だから、意識変革にまだ時間はかかるだろうけど。

リアまわりではダーク調のカバーで“コ”の字型に一体化された、テールランプやハイマウントストップランプが特徴。キャビン上部はややすぼまっており、乗用車的な洗練された意匠となっている。
リアまわりではダーク調のカバーで“コ”の字型に一体化された、テールランプやハイマウントストップランプが特徴。キャビン上部はややすぼまっており、乗用車的な洗練された意匠となっている。拡大
清水「でもやっぱり、『VLE』のいちばんの見どころは、このフロントマスクだよな~!」
清水「でもやっぱり、『VLE』のいちばんの見どころは、このフロントマスクだよな~!」拡大
どちらも巨大なグリルが自慢の、「トヨタ・アルファード」(上)と「メルセデス・ベンツVLE」(下)のフロントマスク。アナタはどちらのコワモテぶりに、軍配を上げますか?
どちらも巨大なグリルが自慢の、「トヨタ・アルファード」(上)と「メルセデス・ベンツVLE」(下)のフロントマスク。アナタはどちらのコワモテぶりに、軍配を上げますか?拡大
これまでは「VIPの送迎にミニバンなんてあり得ない!」というのがヨーロッパの常識だったが、「VLE」のようなクルマの登場によって、それも少しずつ変わっていくのかもしれない。
これまでは「VIPの送迎にミニバンなんてあり得ない!」というのがヨーロッパの常識だったが、「VLE」のようなクルマの登場によって、それも少しずつ変わっていくのかもしれない。拡大

丸みを帯びた面に宿る高級感と緊張感

渕野:VLEはEV(電気自動車)だけなんですかね? プラットフォームはEVとエンジンの両方に対応できるように設計されているというウワサを聞いたのですが……。

ほった:みたいですね。スペインの工場ではエンジン車の生産も予定しているそうですよ。

渕野:エンジン仕様も出れば、幅広い地域のユーザーに受け入れられそうですね。

ほった:そこは天下のおベンツさまですから、当然計算しているでしょう。表向きはサステナブルをアピールしつつ、裏ではマルチシリンダーのガソリンエンジン車とか、ディーゼル車もラインナップしてくるんじゃないですか?

渕野:顧客がそれを求めるなら、やらないテはない。

ほった:EVなのに遠慮なくバカでかグリルをおっ建てたのは、同じ車体でエンジン車もつくるつもりだったからかもしれませんね。それにしても、メルセデスが乗用車的にデザインしたミニバンって、VLEが初めてですよね?

渕野:そうですね。メルセデスの面表現には独特の丸みがあるでしょう? 以前、私は「GLB」がカッコいいと言いましたが(参照)、あのクルマはシルエット自体は四角いのに、面の表情は丸みを帯びていてふくよかという、相反する要素が共存していました。

清水:いわゆる「かどまる四角」ですね。

ほった:それは「日産ルークス」でんがな。

渕野:VLEにもそれと同じ魅力を感じます。GLCなどはリアゲートが寝ていて、全体的に丸っこいですが、VLEは四角いミニバンでありながら、面は丸みを帯びていて、緊張感や高級感がしっかり出ている。私はこのバランスがすごく好きなんです。

「メルセデス・ベンツVLE」のインストゥルメントパネルまわり。外装より「かどまる四角」の意匠は顕著で、ダッシュボードには全面にディスプレイを設けたパネルが装備される。
「メルセデス・ベンツVLE」のインストゥルメントパネルまわり。外装より「かどまる四角」の意匠は顕著で、ダッシュボードには全面にディスプレイを設けたパネルが装備される。拡大
豪華なキャプテンシートに上質な車内の内張り。このクルマとボディーを共用する商用バンは登場するのだろうか? ちょっと想像がつかない。
豪華なキャプテンシートに上質な車内の内張り。このクルマとボディーを共用する商用バンは登場するのだろうか? ちょっと想像がつかない。拡大
「VLE」同様、スクエアなシルエットに丸みを帯びた面形状を組み合わせたコンパクトSUVの「GLB」。ちなみに本国では、最新のメルセデス・ベンツデザインを取り入れた新型が発表されている。
「VLE」同様、スクエアなシルエットに丸みを帯びた面形状を組み合わせたコンパクトSUVの「GLB」。ちなみに本国では、最新のメルセデス・ベンツデザインを取り入れた新型が発表されている。拡大
渕野「EV以外のエンジン車の設定はあるんですかね?」 
ほった「予定はあるみたいですよ。どんなパワートレインが積まれるか、ちょっと楽しみですね」
渕野「EV以外のエンジン車の設定はあるんですかね?」 
	ほった「予定はあるみたいですよ。どんなパワートレインが積まれるか、ちょっと楽しみですね」拡大

この造形は2mの全幅があればこそ?

ほった:ボディーサイドのリフレクションを見ても、表情が豊かですね。 

渕野:アルファードもそういうリフレクションの見せ方をしていますが、このクラスの高級車ともなれば、面が見せる質感は極めて重要です。四角いミニバンというパッケージングで豊かな面表現をやるのは、本来すごく難しい。VLEは、巨大な車幅をフルに使ってそれを表現しています。

ほった:確かにめちゃくちゃデカそうですね。全幅2mくらいかな?

渕野:ミラーなしで1999mmです。それくらいの全幅があるからこそ、こういう豊かな表情が出せるんでしょう。

清水:そんだけ幅がありゃなんでもできますよね。

渕野:ですね。一方でアルファードは、日本の道路事情に合わせた全幅のなかで立体構成を工夫して、豊かな表情やダイナミズムをつくっている。そこが素晴らしい。先代では立体のうねりよりグラフィック(線の引き方)で見せていましたが、新型はリア下へと向かう大きな流れがあって、その起点としてヘッドランプやBピラーのピックアップなどが表現されている。だから、車体全体に非常に調和しているんです。

清水:それ考えると、アルファードのデザインって、やっぱりスゴいですよ。

渕野:アルファードは、立体感や抑揚の表現を主にBピラーより前に集約しています。これはおそらく、デザインを考える段階で、ボディー前半に「造形しろ」が取りやすいことを分かっていたのではないでしょうか。一方、キャビンはBピラーからキックアップしたデザインになっていて、キャビンを薄く、スマートに見せています。それもグラフィックではなく、立体嵌合でそれを表現している。そしてそれが下半身のボリューム感につながっており、まさに高級車のデザインセオリーをミニバンで実践しているんですよ。ほとほと感心します。 

清水:そんなにいいですか?

渕野:ええ、立体ときれいに絡み合っていますよ。 

ほった:そうした工夫で質感を出しているアルファードと比べると、VLEはストレートに、クルマ全体で動きを表現している感じですね。

清水:まぁ、これだけデカけりゃデザインもだいぶラクでしょう。

渕野:確かにそういう面はありますけど(笑)。

(後編へ続く)

(語り:渕野健太郎、清水草一、webCG堀田剛資/まとめ=清水草一/写真=トヨタ自動車、日産自動車、メルセデス・ベンツ、webCG/編集=堀田剛資)

いろいろと見どころの多いクルマだった「メルセデス・ベンツVLE」だが……。 
清水「そもそもこのクルマって、日本に来るのかな?」 
ほった「どうなんでしょう? 現状はEVオンリーだし、ボディーサイズは『キャデラック・エスカレード』並みですし」
いろいろと見どころの多いクルマだった「メルセデス・ベンツVLE」だが……。 
	清水「そもそもこのクルマって、日本に来るのかな?」 
	ほった「どうなんでしょう? 現状はEVオンリーだし、ボディーサイズは『キャデラック・エスカレード』並みですし」拡大
「メルセデス・ベンツVLE」のボディーサイズは全長×全幅×全高=5309×1999×1943mmと超特大。日本で乗り回すのは、いささか難易度が高いかもしれない。
「メルセデス・ベンツVLE」のボディーサイズは全長×全幅×全高=5309×1999×1943mmと超特大。日本で乗り回すのは、いささか難易度が高いかもしれない。拡大
全幅に制限のある「トヨタ・アルファード」は、ボディーサイドを膨らますだけではなく、大きく削り込むなどして抑揚を表現。サイド面の陰影に大きなうねりが現れている。
全幅に制限のある「トヨタ・アルファード」は、ボディーサイドを膨らますだけではなく、大きく削り込むなどして抑揚を表現。サイド面の陰影に大きなうねりが現れている。拡大
一方、全幅に余裕のある「メルセデス・ベンツVLE」では、そうした工夫が不要なためか、ボディーサイドに「トヨタ・アルファード」のようなくびれや削り込みはほとんど見られない。特徴的なのが弧を描くリフレクションで、ショルダーラインを押し上げることで、キャビンを薄く見せているのだ。このドアパネルの面の動きは、スケッチにも描かれている。
一方、全幅に余裕のある「メルセデス・ベンツVLE」では、そうした工夫が不要なためか、ボディーサイドに「トヨタ・アルファード」のようなくびれや削り込みはほとんど見られない。特徴的なのが弧を描くリフレクションで、ショルダーラインを押し上げることで、キャビンを薄く見せているのだ。このドアパネルの面の動きは、スケッチにも描かれている。拡大
ほった「『VLE』のふくよかなデザインは、2mの全幅があればこそなんですかねぇ」 
清水「全幅に制約のある日本のミニバンで、このデザインは難しいだろうねぇ」
ほった「『VLE』のふくよかなデザインは、2mの全幅があればこそなんですかねぇ」 
	清水「全幅に制約のある日本のミニバンで、このデザインは難しいだろうねぇ」拡大
渕野 健太郎

渕野 健太郎

プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

カーデザイン曼荼羅の新着記事
カーデザイン曼荼羅の記事をもっとみる
関連キーワード
新着記事
新着記事をもっとみる

メルマガでしか読めないコラムや更新情報、次週の予告などを受け取る。

ご登録いただいた情報は、メールマガジン配信のほか、『webCG』のサービス向上やプロモーション活動などに使い、その他の利用は行いません。

ご登録ありがとうございました。

webCGの最新記事の通知を受け取りませんか?

詳しくはこちら

表示されたお知らせの「許可」または「はい」ボタンを押してください。