「ジムニー5ドア」だけじゃない! 2023年に登場するニューモデル【国産車編】
2023.01.18 デイリーコラムミニバンからクロカンまで盤石のトヨタ
【アルファード】
2023年にはLサイズミニバンの人気車種「アルファード」がフルモデルチェンジを受ける。基本路線は変わらず、床の位置と天井を高く設定して、人気の秘訣(ひけつ)とされる立派な外観と乗員の見晴らし感覚を保つ。
内装は一層上質になり、現行型の欠点とされる3列目シートの座り心地を改善する。「ノア/ヴォクシー」が採用した安全装備と運転支援機能は漏れなく投入され、さらなる進化を図る。パワーユニットは2.5リッター直列4気筒のハイブリッドが主力だ。
【クラウン エステート】
「クラウン」には既に外観が披露された「エステート」「スポーツ」「セダン」を加える。このなかで最も注目されるのはエステートだ。車内は既に発売された「クロスオーバー」に比べて大幅に広く、大きな荷物も積みやすい。荷室には3列目のシートも装着できる。エステートは実用的で価格は割安だから、クラウンの売れ筋モデルになる。
【ランドクルーザープラド】
2021年に登場した「ランドクルーザー」に比べてボディーはひとまわり小さいが、プラットフォームは共通化される。悪路走破力は現行型でも十分に確保されているため、新型は舗装路における走行安定性と乗り心地を改善する。安全装備と運転支援機能も充実させ、エンジンは2.8リッター直列4気筒クリーンディーゼルターボを引き続き搭載する。
ホンダの浮沈を握る2車種が刷新
【N-BOX】
「N-BOX」は日本のベストセラーで、国内で売られるホンダ車の30~40%を占める。初代(先代)N-BOXは2011年に発売されて2017年に現行型へ刷新されたから、さらに6年後の2023年に新型が登場する。
定番の売れ筋車種だから基本路線は変えないが、内装の質感と、不満を感じる後席の座り心地を改善する。乗り心地はさらに快適になり、走行安定性も向上する。衝突被害軽減ブレーキも進化させるから、価格がさらに高まる可能性もあるが、好調に売れることは間違いない。従って高いコストを費やして開発される。
【フリード】
現行型は2016年に発売され、2023年の終盤には次期型が披露される。古くなったパワーユニットを「フィット」と同じタイプに刷新して、プラットフォームにも大幅に手を加える。
現行型では3列目シートの着座姿勢と座り心地に不満があるため、これを改善して、多人数乗車のニーズに応える。ちなみに今のホンダは、N-BOXのヒットにより、ブランドイメージがスズキに近づいた。価格が300万円を超える「ステップワゴン」や「ZR-V」は売りにくく、新型「フリード」と継続販売する「ヴェゼル」に力を入れる。
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マツダは新たな旗艦モデルを投入
【CX-80】
「CX-8」の後継で、プラットフォームやパワーユニットは「CX-60」に準じる。従って後輪駆動のプラットフォームに、3.3リッター直列6気筒クリーンディーゼルターボなどを組み合わせる。CX-8と同様に、3列目のシートも採用する。
CX-60は「乗り心地が硬い」と言われるが、足まわりがこの設定になった背景には、CX-80の存在があった。CX-80を国内におけるマツダの最上級車種として快適に仕上げるから、CX-60は相対的にスポーティーな感覚を強めた経緯がある。
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スズキはスイフトスポーツをHV化
【スイフト&スイフトスポーツ】
ボディーサイズを含めて現行路線を踏襲しながら、走行安定性や乗り心地、安全装備を進化させる。「スイフトスポーツ」にもハイブリッドシステムを搭載する。
【ジムニーシエラ5ドア】
全長とホイールベース(前輪と後輪の間隔)を拡大して、ボディータイプは5ドアになる。後席の足元空間が広がり、乗降性も大幅に改善されるから、家族でも使いやすい。ホイールベースの拡大で、走行安定性と乗り心地も向上する。
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新型「ダイハツ・ムーヴ」はシリーズハイブリッドに
【ムーヴ】
新型では「ロッキー」と同タイプの「eスマートハイブリッド」を搭載して、WLTCモード燃費は30km/リッターを目指す。価格はノーマルエンジン車との差額を20万円に抑えて、フルハイブリッドでは割安な設定とする。
(文=渡辺陽一郎/写真=トヨタ自動車、本田技研工業、マツダ、スズキ、ダイハツ/編集=藤沢 勝)

渡辺 陽一郎
1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆さまにけがを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。特にクルマには、交通事故を発生させる甚大な欠点がある。今はボディーが大きく、後方視界の悪い車種も増えており、必ずしも安全性が向上したとは限らない。常にメーカーや行政と対峙(たいじ)する心を忘れず、お客さまの不利益になることは、迅速かつ正確に報道せねばならない。 従って執筆の対象も、試乗記をはじめとする車両の紹介、メカニズムや装備の解説、価格やグレード構成、買い得な車種やグレードの見分け方、リセールバリュー、値引き、保険、税金、取り締まりなど、カーライフに関する全般の事柄に及ぶ。 1985年に出版社に入社して、担当した雑誌が自動車の購入ガイド誌であった。そのために、価格やグレード構成、買い得な車種やグレードの見分け方、リセールバリュー、値引き、保険、税金、車買取、カーリースなどの取材・編集経験は、約40年間に及ぶ。また編集長を約10年間務めた自動車雑誌も、購入ガイド誌であった。その過程では新車販売店、中古車販売店などの取材も行っており、新車、中古車を問わず、自動車販売に関する沿革も把握している。 クルマ好きの視点から、ヒストリー関連の執筆も手がけている。
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