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新型「スイフト」も電気自動車もスタンバイ!? 気になるスズキの新車情報を一挙紹介

2023.08.07 デイリーコラム 渡辺 陽一郎
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新型「スペーシア」が今年の目玉!

スズキは最近、フルモデルチェンジや新規投入の車種が少ない。マイナーチェンジやグレード追加を除くと、最も新しい車種が2021年12月に発売された現行型「アルト」だ。2021年は9月にも「ワゴンRスマイル」を発売したが(発表は8月)、2022年と2023年は、他社から供給されるOEM車の「ランディ」以外は新型車の投入がない。

ちなみにスズキの国内販売台数は、2022年、2023年上半期(1~6月)ともに、トヨタに次ぐ2位だった。3位はダイハツで、4位はホンダ、5位は日産と続く(参照)。

今は国内で新車として売られるクルマの40%近くが軽自動車だから、スズキとダイハツが上位に入る。特にスズキは小型車にも力を入れており、国内で売られる新車の19%を占める。多角的な商品展開で売れ行きを伸ばした。それだけに今後の新型車にも期待される。

そこで、これから実施されるフルモデルチェンジの概要を探ってみたい。注意したいのは既存のモデルの納期で、スズキに限ったことではないが、全般的に遅延気味。これが新型の導入時期にも影を落としているのだ。

【スペーシア】
スズキの販売店によると、2023年に実施される最も注目度の高いフルモデルチェンジは「スペーシア」とのことだ。10月から12月頃に一新される可能性が高い。

スペーシアは全高が1700mmを上回るスライドドアを装着したスーパーハイトワゴンで、ライバル車の「ホンダN-BOX」も近々フルモデルチェンジを行う。「ダイハツ・タント」は2019年に発売され、2022年秋にSUV風の「ファンクロス」を追加するなど商品力を高めたから、今の売れ行きはスペーシアを上回る。そこでスペーシアも負けてはいられず、力の入ったフルモデルチェンジを実施する。

今のスペーシアが搭載するマイルドハイブリッドは、燃費性能がいまひとつだ。そこで次期型では、設計の新しい小型車&軽自動車用のハイブリッドシステムを搭載する。フルハイブリッド並みに性能を高め、スーパーハイトワゴンのライバル車をリードする可能性が高い。プラットフォームも、駆動用電池の搭載などを視野に入れて大幅に刷新される。

広い車内と、スーツケースをモチーフにしたというデザインが魅力の現行型「スズキ・スペーシア」。2017年12月に発売された。
広い車内と、スーツケースをモチーフにしたというデザインが魅力の現行型「スズキ・スペーシア」。2017年12月に発売された。拡大
内装でもダッシュボードなどにスーツケースをモチーフにしたデザインを採用。ポップな雰囲気を演出していた。
内装でもダッシュボードなどにスーツケースをモチーフにしたデザインを採用。ポップな雰囲気を演出していた。拡大
後席のスライド量は210mm。シート格納は、当初からワンアクションで可能だった。
後席のスライド量は210mm。シート格納は、当初からワンアクションで可能だった。拡大
この手の軽乗用車ではお約束の「カスタム」もラインナップ。モデルやエンジンの仕様を問わず、パワーユニットにはマイルドハイブリッド機構が組み合わされている。
この手の軽乗用車ではお約束の「カスタム」もラインナップ。モデルやエンジンの仕様を問わず、パワーユニットにはマイルドハイブリッド機構が組み合わされている。拡大
2018年12月の「スペーシア ギア」の設定などもあり、一時は「ダイハツ・タント」を超える勢いを見せたスペーシアだが、今は軽スーパーハイトワゴンで販売台数3位の位置に落ち着いている。
2018年12月の「スペーシア ギア」の設定などもあり、一時は「ダイハツ・タント」を超える勢いを見せたスペーシアだが、今は軽スーパーハイトワゴンで販売台数3位の位置に落ち着いている。拡大
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「ジムニーシエラ5ドア」の導入が遅れているのはなぜ?

【軽商用電気自動車】
最近はホンダをはじめとして、各社が軽商用電気自動車の導入計画を公表している。スズキも2023年度(2024年3月まで)に、軽商用車の電気自動車を投入する予定だ。容量20kWh程度の駆動用リチウムイオン電池を搭載して、価格の割安な製品を目指す。ホンダと同様、最も安価なグレードは、200万円以下に抑える可能性も高い。売れ筋は220万円前後になる。(参照

【アルトラパン】
アルトラパン」は売れ行きが下がっており、もはや次期型は登場しないのかと思ったが、メーカーの関係者によると、次期型も開発しているという。全高を1550mm以下に抑えて立体駐車場を利用しやすい軽自動車にすることは確かだが、外観の印象は大きく変わりそうだ。

従来型は、かわいい雰囲気のフロントマスクなどに特徴があったが、次期型は「スイフト」を軽自動車サイズに抑えたような欧州車風になる可能性もある。ライバルの「ダイハツ・ミラ トコット」も売れ行きが伸び悩んでおり、ルーフが低くて趣味性の強い軽自動車は、デザインをはじめとする商品開発が難しくなっている。

【スイフト】
新型スイフトと「スイフトスポーツ」の発売も予定されている。海外向けの商品とあって、大幅な路線変更は実施しない。それでもスズキの成長戦略にも含まれているとおり、ハイブリッドシステムは軽自動車用とあわせて新開発される予定だ。

ただし、現行型でも全般的に納期の遅延が続いており、デビューは2024年の中盤以降に先伸ばしされる可能性もある。販売店では「今のところ次期スイフトの予定は聞いていない」という。

【ジムニーシエラ5ドア】
「ジムニーシエラ」の「5ドア」(参照)は、日本に導入すれば必ずヒット作になる。皆さんのなかにも、欲しいと思っている人が多いだろう。問題は、既存の3ドアの人気による生産のひっ迫だ。販売店によると「ジムニー」とシエラの納期は全然短くならず、短くても1年以上になるとしている。

ちなみに2022年上半期の平均月販台数は、ジムニーが3352台、ジムニーシエラは2254台だから、両方を合計すれば約5600台に達する。十分に納車されているのに、納期はまったく短くならない。人気と受注が絶好調なのだ。これはスズキとしても予想外だろう。

この状況が落ち着かないと、5ドアも導入できない。仮に導入すれば、納期が大幅に遅延して受注停止といった結果を招く。従って導入時期も未定なのだ。

(文=渡辺陽一郎/写真=向後一宏、webCG、スズキ、マルチスズキ/編集=堀田剛資)

新しい軽商用電気自動車は、ダイハツやトヨタと共同開発したモデルとなる。2023年5月にはプロトタイプが発表された。車両の生産についてはダイハツが行う予定だ。(写真:スズキ)
新しい軽商用電気自動車は、ダイハツやトヨタと共同開発したモデルとなる。2023年5月にはプロトタイプが発表された。車両の生産についてはダイハツが行う予定だ。(写真:スズキ)拡大
クラシックな意匠が魅力の「アルトラパン」。現行型の発売は2015年6月と、スズキの軽乗用車ではバンベースの「エブリイワゴン」に次ぐ古いモデルとなっている。(写真:webCG)
クラシックな意匠が魅力の「アルトラパン」。現行型の発売は2015年6月と、スズキの軽乗用車ではバンベースの「エブリイワゴン」に次ぐ古いモデルとなっている。(写真:webCG)拡大
欧州仕込みの走りのよさに定評のあるコンパクトカー「スイフト」。新型には新しいハイブリッドシステムが搭載されるという。
欧州仕込みの走りのよさに定評のあるコンパクトカー「スイフト」。新型には新しいハイブリッドシステムが搭載されるという。拡大
お手ごろ価格のホットハッチとして、今なお根強い人気を誇る「スイフトスポーツ」。ベース車の「スイフト」ともども、新型のデビューに期待が寄せられているが……。
お手ごろ価格のホットハッチとして、今なお根強い人気を誇る「スイフトスポーツ」。ベース車の「スイフト」ともども、新型のデビューに期待が寄せられているが……。拡大
インドで発表され、日本導入のうわさも流れていた「ジムニーシエラ」の「5ドア」だが、その後は新しい情報を耳にしない。そもそも日本では既存の3ドアの受注が好調……というか依然として過熱気味で、5ドアを導入できる余裕がないのだ。根強い人気が待望の5ドアの導入を押しとどめてしまうとは、皮肉な話である。(写真:マルチスズキ)
インドで発表され、日本導入のうわさも流れていた「ジムニーシエラ」の「5ドア」だが、その後は新しい情報を耳にしない。そもそも日本では既存の3ドアの受注が好調……というか依然として過熱気味で、5ドアを導入できる余裕がないのだ。根強い人気が待望の5ドアの導入を押しとどめてしまうとは、皮肉な話である。(写真:マルチスズキ)拡大
渡辺 陽一郎

渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年間務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向した。「読者の皆さまにけがを負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。特にクルマには、交通事故を発生させる甚大な欠点がある。今はボディーが大きく、後方視界の悪い車種も増えており、必ずしも安全性が向上したとは限らない。常にメーカーや行政と対峙(たいじ)する心を忘れず、お客さまの不利益になることは、迅速かつ正確に報道せねばならない。 従って執筆の対象も、試乗記をはじめとする車両の紹介、メカニズムや装備の解説、価格やグレード構成、買い得な車種やグレードの見分け方、リセールバリュー、値引き、保険、税金、取り締まりなど、カーライフに関する全般の事柄に及ぶ。クルマ好きの視点から、ヒストリー関連の執筆も手がけている。

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