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いずれ量産・発売される!? ジャパンモビリティショー2023ではこのコンセプトカーに注目せよ!

2023.10.19 デイリーコラム 鈴木 ケンイチ
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未来の「マツダ・ロードスター」を先取り

2023年10月26日に開幕となる「ジャパンモビリティショー2023」には、数多くのコンセプトカーが出品される。コンセプトカーといっても、その内容はさまざまだ。ほとんど市販間近というコンセプトカーもあれば、量産化をほとんど考えていない、まさにコンセプトだけのクルマもある。そんななかで、筆者が注目している、皆さまにもチェックいただきたいモデルを挙げよう。

最も楽しみなのがマツダのコンセプトカーだ。マツダからの説明は、「今回のテーマ(「クルマ好き」が、つくる未来。)を象徴するコンセプトモデル」とだけ。写真はわずかに1枚しかない(関連記事)。しかし、その後ろ姿の写真には、バンパー中央に縦のラインという非常にユニークなグラフィックが浮かび上がる。マツダの過去の発表を振り返ってみれば、2022年11月の「中期経営計画のアップデートおよび2030年の経営方針について」の発表時に、同様のバンパーデザインを持ったコンセプト「ビジョンスタディモデル」を見いだすことができた。

ビジョンスタディモデルは、小さな2人乗りのEVスポーツカーだ。斜め後ろからのスタイルは、「RX-7(FD)」をほうふつとさせる。フロントウィンドウの上には、まるでルーフが開けるような線まである。つまりオープンカーの可能性もある。未来の「ロードスター」を予感させるモデルでもある。

ネーミングを深読みすれば、「未来のスポーツカーのための習作」とでもいえよう。このまま量産化することはないだろうが、未来のマツダのスポーツカーの方向性を示唆するものでもある。どちらにせよ、非常に流麗なスポーツカーであり、ジャパンモビリティショーでもしも、ビジョンスタディモデル(か、その進化版)が登場すれば、大きな注目を集めることは間違いないだろう。

マツダがジャパンモビリティショー2023に出展する予定の、コンセプトカーのリアエンド。リアの灯火類のみ確認できる。
マツダがジャパンモビリティショー2023に出展する予定の、コンセプトカーのリアエンド。リアの灯火類のみ確認できる。拡大
メーカーとしてのビジョンを示す際には「ロードスター」を多く登場させるマツダ。今回のショーでもロードスターが主役になる? 現行型の市販車については、2023年10月5日に大幅改良が発表されたばかりだ。
メーカーとしてのビジョンを示す際には「ロードスター」を多く登場させるマツダ。今回のショーでもロードスターが主役になる? 現行型の市販車については、2023年10月5日に大幅改良が発表されたばかりだ。拡大
こちらは2022年11月の記者発表会でマツダが披露した、EVスポーツカー「ビジョンスタディモデル」のイメージ。リアのランプ類はジャパンモビリティショー出展車両のティザー画像に似ている。
こちらは2022年11月の記者発表会でマツダが披露した、EVスポーツカー「ビジョンスタディモデル」のイメージ。リアのランプ類はジャパンモビリティショー出展車両のティザー画像に似ている。拡大
次期「ロードスター」を想像させる「ビジョンスタディモデル」だが、ルーフはソフトトップではないらしい。イメージ映像では、ドアが斜め上方に開くシーンが確認できた。
次期「ロードスター」を想像させる「ビジョンスタディモデル」だが、ルーフはソフトトップではないらしい。イメージ映像では、ドアが斜め上方に開くシーンが確認できた。拡大

見逃せない! スバルとトヨタの電動スポーツ

同じように、ブランドの未来をうかがわせるのが、スバルのEVコンセプト「SUBARU SPORT MOBILITY Concept(スバル・スポーツモビリティー コンセプト)」だ。公開された写真は、暗闇に浮かび上がるシルエット。ロングノーズに小さなキャビンが乗っており、低く構える2人乗りのスポーツカーであることが推測できる。EV時代の「スバルBRZ」を示唆するモデルかもしれないのだ。

そもそもスバルは、これまでの東京モーターショーで、何度も次世代の量産モデルを予告するコンセプトカーを出品してきた。また、量産車に反映するデザインの方向性をコンセプトカーとして示すことも行ってきたのだ。そういう意味で、今回のコンセプトカーは、次世代の量産車がどのようなデザインになるのかを知る手がかりになるはず。気にならないわけはないだろう。

トヨタが出品する2台のEVコンセプトも大いに話題を集めることだろう(関連記事)。ひとつはワンフォルムでありながら、車高がやや高いクロスオーバー風の「FT-3e」。そしてスポーツカーの「FT-Se」だ。FT-3eはEV時代の「プリウス」のような存在になるかもしれない。また、「GR」のエンブレムを備えたFT-Seの後ろ姿は、まるでミドシップのスーパースポーツのよう。FT-3eは量産化の可能性の高さ、FT-Seは、そのルックスでショーの人気者となるのは間違いない。

スバルは「SUBARU SPORT MOBILITY Concept」を展示する。100%電動のスポーツカーである。
スバルは「SUBARU SPORT MOBILITY Concept」を展示する。100%電動のスポーツカーである。拡大
トヨタは2023年10月16日、EVのコンセプトモデル2台について一部情報を公開した。写真はそのうち、SUVタイプの「トヨタFT-3e」。
トヨタは2023年10月16日、EVのコンセプトモデル2台について一部情報を公開した。写真はそのうち、SUVタイプの「トヨタFT-3e」。拡大
「トヨタFT-Se」(写真)の主要コンポーネンツは「FT-3e」と共通。こちらは「GR」のエンブレムを備えた高性能なEVスポーツカーとして提案される。
「トヨタFT-Se」(写真)の主要コンポーネンツは「FT-3e」と共通。こちらは「GR」のエンブレムを備えた高性能なEVスポーツカーとして提案される。拡大

次期「日産エルグランド」「ホンダNSX」「三菱デリカD:5」を示唆?

日産のコンセプトカーで注目しているのが「日産ハイパーツアラー」だ。未来のEVのミニバンで、大胆なデザインを特徴とする。このデザインが量産車に受け継がれるかどうかは、かなり怪しいけれど、日産が次世代ミニバンを重要視しているというメッセージとも受け取ることができる。未来の「エルグランド」、もしくは「セレナ」に、このデザインが使われるのかどうか。ぜひとも覚えておきたい一台である。

また、ホンダが世界初公開する「ホンダ・スペシャリティー スポーツ コンセプト」も期待大だ。現時点では写真もなにもなく、ただ「電動化や自動運転技術が普及していくなかでも運転する楽しみ(ドライビングプレジャー)を体感できる四輪電動スポーツ」とだけ説明されている。ホンダの4WDのスポーツカーといえば「NSX」を思い起こすことができる。それと同様のコンセプトとなるのか、それともまた別のスポーツカーなのか。ホンダの久々のスポーツカーの登場は、量産化の期待も込めて、大注目といえるだろう。

ちなみに2023年4月にホンダが発表した「2023 ビジネスアップデート 説明概要」には、「日本で2026年にSUVタイプを含む小型EV2機種を発売」とある。SUVではないほうのEVがスポーツカーであることを祈るばかりだ。

続いてのコンセプトも次世代を予測する手がかりになるモデル。それが三菱の「電動クロスオーバーMPV」だ(関連記事)。公開された写真は、スクエアなミニバンがオフロードで砂を巻き上げる後ろ姿。ミニバンでオフロード走行をこなすとなれば、それはもう「デリカD:5」しかない。つまりは、次世代のデリカD:5のコンセプト。もしくは、ユーザーの反応を確かめるためのデザインスタディーと考えるのが妥当だろう。ちなみに現行のデリカD:5のデビューは、2007年。すでに誕生から16年を過ぎており、いつフルモデルチェンジしてもおかしくない。量産車につながるコンセプトとして要注目だ。

「日産ハイパーツアラー」。そのコンセプトは、「日本ならではのおもてなしの精神や上質さ、自動運転をはじめとする数々の先進技術を融合したプレミアム電動ミニバン」とされている。
「日産ハイパーツアラー」。そのコンセプトは、「日本ならではのおもてなしの精神や上質さ、自動運転をはじめとする数々の先進技術を融合したプレミアム電動ミニバン」とされている。拡大
「日産ハイパーツアラー」では、完全自動運転モードでの走行中に、運転席と助手席を360度回転させて後席と向かい合わせにすることができる。
「日産ハイパーツアラー」では、完全自動運転モードでの走行中に、運転席と助手席を360度回転させて後席と向かい合わせにすることができる。拡大
三菱自動車が2023年10月11日に公開した、未来の「デリカD:5」を思わせるティザー画像。ちなみに、ジャパンモビリティショー2023の会場には、市販版のデリカD:5も展示される。
三菱自動車が2023年10月11日に公開した、未来の「デリカD:5」を思わせるティザー画像。ちなみに、ジャパンモビリティショー2023の会場には、市販版のデリカD:5も展示される。拡大

このまま出てきて! 「スイフト」「コペン」のコンセプト

そして、ほぼ量産車そのものなのが、スズキの「スイフト コンセプト」だ。公開された写真を見れば、その仕上がりは、ほぼ市販車。そうとなれば、気になるのは、その中身となる。プラットフォームやエンジン、ハイブリッドは、何を使ってくるのか。スイフトといえば、スズキの大黒柱のひとつ。スズキの顔でもあるから、内容も気合が入っているはず。さらに言えば、次世代の「スイフトスポーツ」も気になるところ。会場において、スズキの説明員に、根掘り葉掘り、話を聞いてみたいクルマだ。

最後の一台はダイハツの「VISION COPEN(ビジョン コペン)」。見た目は、伸びやかになったコペン。1.3リッターエンジンを搭載するFR車というから驚いた。登録車、FR、そしてエンジン車という3つのビックリがそろうコンセプトである。普通であれば、「ありえない夢物語」と考えるが、今回は、微妙に「絶対にない」とは言いづらい。なぜなら、トヨタが2015年に同じような小型FRスポーツのコンセプトカー「S-FR」を出品していたからだ。

トヨタにも、わずかかもしれないけれど、「小さなFRスポーツを出したい」という気持ちがあるならば、このビジョン コペンはがぜん現実味を増してくる。トヨタが扱えば、より多くの販売台数が見込めて、さらに量産化の可能性が高くなるのだ。個人的には、小さなFRスポーツカーは大好物。可能性は低いかもしれないが、夢を感じさせる一台だ。こうしたモデルに心浮き立つことができるのも、ショーの楽しみに違いない。

(文=鈴木ケンイチ/写真=マツダ、スバル、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車、スズキ、ダイハツ/編集=関 顕也)

スズキの「スイフト コンセプト」は、もうこのまま市販されるとしか思えない完成度。今後は“中身”の情報に注目だ。
スズキの「スイフト コンセプト」は、もうこのまま市販されるとしか思えない完成度。今後は“中身”の情報に注目だ。拡大
「スズキ・スイフト コンセプト」のインテリア。ドアまで大きくラウンドしているように見えるインストゥルメントパネルの造形が目を引く。
「スズキ・スイフト コンセプト」のインテリア。ドアまで大きくラウンドしているように見えるインストゥルメントパネルの造形が目を引く。拡大
ダイハツの軽スポーツカー「コペン」の気軽さはそのままに、走る喜び・楽しさを追求したという「ビジョン コペン」。FFのコペンと異なり、駆動方式がFRであるのがポイントだ。
ダイハツの軽スポーツカー「コペン」の気軽さはそのままに、走る喜び・楽しさを追求したという「ビジョン コペン」。FFのコペンと異なり、駆動方式がFRであるのがポイントだ。拡大
「ビジョン コペン」の排気量は、軽規格の倍にあたる1.3リッター。ボディーサイズは全長×全幅×全高=3835×1695×1330mmと公表されている。
「ビジョン コペン」の排気量は、軽規格の倍にあたる1.3リッター。ボディーサイズは全長×全幅×全高=3835×1695×1330mmと公表されている。拡大
鈴木 ケンイチ

鈴木 ケンイチ

1966年9月15日生まれ。茨城県出身。国学院大学卒。大学卒業後に一般誌/女性誌/PR誌/書籍を制作する編集プロダクションに勤務。28歳で独立。徐々に自動車関連のフィールドへ。2003年にJAF公式戦ワンメイクレース(マツダ・ロードスター・パーティレース)に参戦。新車紹介から人物取材、メカニカルなレポートまで幅広く対応。見えにくい、エンジニアリングやコンセプト、魅力などを“分かりやすく”“深く”説明することをモットーにする。

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