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1/19「ジャパンモビリティショー2023」に展示されていた「スズキ・スイフト コンセプト」。
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2/19清水「え? ジャパンモビリティショーの展示車って、コンセプトカーだったの?」
ほった「限りなく市販モデルに近いコンセプトカー……ということにしておいてください」 -
3/19新型「スイフト」では、ショルダー部に沿ってキャラクターラインがグルリとボディーを一周している。
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4/19イメージが大きく異なる新旧「スイフト」だが、実は内部の設計は共通している。同一の車両骨格をもとに新しいスタイリングを仕立てたスズキのデザイナーは、さぞ苦労したことだろう。
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5/192000年から2010年にかけて生産・販売された「クライスラーPTクルーザー」。スタイリングそのものは全然異なるが、ボディーから張り出したフェンダーと、そこについたヘッドランプ、フタのように上からかぶせたボンネット、ボディーを水平に一周するプレスライン……と、似たようなモチーフが新型「スイフト」でも随所に取り入れられている。
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6/19プレスラインにこだわりのあるメーカーといえばアウディ。一時は触れたら手が切れるんじゃないかというほどにエッジの立ったラインを、ボディーのそこら中に走らせていた。写真は2018年登場の現行型「A8」。
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7/19プレスラインで質感の高さを表現する手法は各社に広がり、ついにはダイハツのエントリーモデル「ミラ イ―ス」までが写真のとおりのパキパキボディーと化した。
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8/19(※)新型「スイフト」のキャラクターラインは、ドアパネル中央部が最も彫りが深く、前後に向かうにつれて浅くなり、そのぶんフェンダーのボリュームが主張してくる。タル型のボディーを、キャラクターラインでも強調しているデザインとなっている。
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9/19キャラクターラインはフロントのフェンダーパネルに差しかかると、フェンダーのふくらみの上面(写真の三角形の影の部分)へと発展し、さらにボンネットの切り欠きへとつながっていく。
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10/19スズキの軽1BOX「エブリイ」。ドアパネルには、鉄板の強度向上とデザイン上のアクセントという、2つの役割を担うプレスラインが、横一文字に走っている。
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11/19「ジャパンモビリティショー2023」のスズキブースに飾られた「スイフト コンセプト」。初めてこのクルマを見たファンは、どのように感じただろうか?
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12/19ドアパネルを見ると、比較的高い位置にひとつ目のピークがあり、光の加減によって、その下に太い帯状の影が浮かび上がる。
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13/19さらにドアパネルを観察すると、パネルの下部にはもうひとつピークがあり、そこから下はより影が深くなっているのがわかる。新型「スイフト」のサイドビューは、シンプルに見えて意外と表情豊かなのだ。
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14/19単眼カメラとミリ波レーダーを組み合わせた新開発の先進運転支援システム(ADAS)や、スズキ初のドライバーモニタリングシステム、コネクテッド機能付きのディスプレイオーディオなど、新型「スイフト」はハイテクも大きなアピールポイントとなっている。
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15/19先代「スイフト」は、欧州シャシーの「RS」や直噴ターボ車「RSt」を設定するなど、スポーティーなイメージを前面に押し出したクルマだった。その性格は、リアドアハンドルをCピラーに隠して2ドア風に見せるなど、デザインにも強く表れていた。(写真:池之平昌信)
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16/19新型「スイフト」のフロントグリル。大きさ控えめのややおちょぼ口なデザインで、C字型のメッキモールも特徴。過去の「スイフト」とは大きく異なる意匠となっている。
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17/19インドで販売される先代「スイフト」ベースの4ドアセダン「ディザイア」。写真は2017年のデビュー時のもので、現在はバンパー下部に達する、大型のグリルが採用されている。
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18/19ほった「個人的に気になるトコロを挙げるとしたら、フロントのオーバーハングが長くなったことでしょうか」
清水「それは衝突安全性向上のため?」
ほった「新しいADAS用のセンサーを積むためだそうです」 -
19/19清水「これをベースにした『スイフトスポーツ』って、どんなクルマになるのかなぁ?」
ほった「今はただ、妄想するしかないですね」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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