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1/25V8エンジンとモーターを組み合わせた1000PS級のスーパースポーツ「フェラーリSF90ストラダーレ」。今回はフェラーリを入り口に、“スーパーカーのデザインの未来”を考えてみた。
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2/252020年に登場した「フェラーリ・ローマ」。フロントにV8エンジンを搭載した、2+2のGTカーである。
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3/25“シャークノーズ”と呼ばれる特徴的なフロントフェイス。流麗なボディーのなかで、唯一ラギッドな意匠のフロントグリルも、エクステリアのアクセントになっている。
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4/25フェラーリの「250GT」シリーズというとモータースポーツでの活躍が印象的だが、ロードカーとしても大きな成功を収めていた。写真は同シリーズ唯一の2+2となる「250GTE」。「ローマ」のご先祖である。
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5/25ときに「アストンのGTカーに似てる!」と指摘されることもある「フェラーリ・ローマ」。私(webCGほった)としては、「まぁ言われてみれば、ちょっと前の『DB9』と映画の劇中車『DB10』(写真)を足して2で割った感じがしないでもない……かも」といった程度の印象である。みんなちょっと、神経質すぎないか?
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6/25「フェラーリ・ローマ」のリアクオータービュー。タイヤの上、フェンダーまわりのボリュームに注目。アストンなどとはもちろん、フィオラバンティ時代の「BB」や「テスタロッサ」あたりと比べても、その肉の付き具合がわかりやすい。
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7/25同じ2+2のGTカー「アストンマーティンDB11」。とくにフロントフェンダーが顕著だが、タイヤ上部のボリュームがぐっと抑えられている。そのぶんタイヤが張り出して、スタンスがよく見えるのだ。
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8/25こちらは先日大幅改良を受けた「アストンマーティン・ヴァンテージ」。「DB11」より、さらにフェンダーの肉がそぎ落とされている。
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9/25ムチムチデザインの筆頭である「トヨタGRスープラ」にしても、タイヤの上の肉付きは控えめ。タイヤまわりを軽く見せる、スタンスをよく見せるのは、スポーティーなクルマの鉄則なのだ。
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10/25ちょっと遠目の写真だが、フロントフェンダーの峰の高さや、リアタイヤ上部のボリューム感に注目。このデザインは、スポーティネスよりクラシックなイメージを重視したためと思われる。
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11/25清水氏が「イタリア最後の至宝」と評する「458イタリア」。ピニンファリーナの手になる最後のフェラーリだった。
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12/25今日のフェラーリと比べると、これみよがしなエアダクトやエアロデバイスのない、実にシンプルなデザインをしている。
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13/25webCGほったが、モダンなアメリカンスポーツのなかで最も美しいと思っている2006年「シボレー・コルベットZ06」のサイドビュー。
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14/252006年登場の「フェラーリ599フィオラノ」。
清水「……そんなに似てる?」
ほった「それ言ったら、現行『コルベット』だって、どのフェラーリに似てるっていうんです?」 -
15/25往年の「250LM」へのオマージュを取り入れたという「296」シリーズ。開発関係者いわく、テールランプを丸型にしなかったのは「それをやるとクラシックになりすぎるから」とのこと。
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16/25カラーリングにも「250LM」を模したスペシャルペイントが用意されている。
ほった「これ、フェラーリファンにとっては格好いいんですか?」
清水「……」 -
17/25清水氏の所有する「328GTS」。赤い328GTSから黒い328GTSへの、まさかの買い替えだった。
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18/25「ジャパンモビリティショー2023」に出展された日産のコンセプトカー「ハイパーフォース」。
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19/25空力などまじめに考えていない、子供の絵のような造形のスポーツカーだが、実際にはその空力設計は、NISMOのレーシングチームと共同で開発されたものだった。
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20/25側面を見るとボディー中央部が大きく斜めに絞り込まれ、その後ろでリアフェンダーがどんと張り出している。谷間にあたる箇所ではキャラクターラインが消失していたりと、じつはいろいろ見どころの多いデザインをしているのだ。
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21/252023年12月に行われた日産自動車の90周年記念イベントより、神奈川・横浜の日産グローバル本社ギャラリーに展示された「ハイパーフォース」。カッコいいかどうかはわからないが、これが公道を走っていたら、アゴが外れるほど驚くのは間違いない。
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22/252020年にデビューした「マセラティMC20」。3リッターV6ツインターボエンジンを搭載したミドシップのスーパースポーツだ。
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23/25レーシングカーのベース車ともなっている「MC20」だが、そのイメージはどこか上品。名門マセラティならではの奥ゆかしさを感じる。
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24/25渕野氏と清水氏が愛してやまない「アストンマーティンDB11」だが、2023年5月に「DB12」(写真)にモデルチェンジ。奥ゆかしくもダイナミックなそのデザインは、過去のものとなってしまった……。
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25/25ほった「話がフェラーリとはなんの関係もないところに着地しちゃいましたけど」
清水「もちろん、未来のフェラーリのデザインにも期待してるよ!」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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