大矢 アキオ の記事一覧(1088件)

大矢 アキオ
Akio Lorenzo OYA 在イタリアジャーナリスト/コラムニスト。日本の音大でバイオリンを専攻、大学院で芸術学、イタリアの大学院で文化史を修める。日本を代表するイタリア文化コメンテーターとしてシエナに在住。NHKのイタリア語およびフランス語テキストや、デザイン誌等で執筆活動を展開。NHK『ラジオ深夜便』では、24年間にわたってリポーターを務めている。『ザ・スピリット・オブ・ランボルギーニ』(光人社)、『メトロとトランでパリめぐり』(コスミック出版)など著書・訳書多数。近著は『シトロエン2CV、DSを手掛けた自動車デザイナー ベルトーニのデザイン活動の軌跡』(三樹書房)。イタリア自動車歴史協会会員。
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2006.12.9 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第16章「出直しは地方興行から!? “イタリア唯一の自動車ショー”ボローニャに気合」(大矢アキオ)
■不思議なショーボローニャ・モーターショーは、毎年12月に開催される。トリノ・ショーが消滅した今日、イタリアで唯一の自動車ショーである。ただし、ジュネーヴやパリ、フランクフルトほど、世界中の主要自動車メーカーが競ってニューモデルを発表するムードではないことも確かだ。トリノやミラノのカロッツェリアも、コンセプトカー発表の場は、やはりジュネーヴである。自国のブラン…
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2006.12.2 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第15章「“類似品”まで登場?人気のフィアット・グッズの数々」(大矢アキオ)
■ブームの仕掛け人、フィアットここ数年イタリアでは毎冬、巨大文字入りのスウェットが人気だ。とくに今年はトリノ五輪やワールドカップなど、ナショナリズムに目覚める機会が多かった。そのため、デカデカと“ITALIA”の文字が入ったスウェットを着用した若人が多い。そもそもこの文字入りスウェット人気に火をつけたのは、何を隠そうフィアットである。仕掛け人はフィアット創業家の御…
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2006.11.18 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第14章「フィアットのカーザ(家)にようこそ! 巨大直営ショールーム訪問記」(大矢アキオ)
■甘美な響き、そして現実「ミラフィオーリ」。「アルカンターラ」と並んで、日本人エンスーにとっては、口にするだけで何やらイタリア語がウマくなってしまったような錯覚を覚える、心地よい響きである(ただし、アルカンターラは造語)。1970年代後半に存在したフィアット131には、その名も「スーパーミラフィオーリ」というバージョンまであった。トリノ西郊のミラフィオーリは、フィ…
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2006.11.11 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第13章「エントリーカーから背高セダン、大型車まで---そそられる日本未導入車あります」(大矢アキオ)
■イタリア車はワインと同じ日本のワインショップを訪ねて驚くのは、イタリア人でもなかなか味わうことのできない高級ワインが売られていることだ。それもイタリア半島津々浦々の名品がズラリと並んでいる。地ワイン以外あまり飲まないイタリアでは、考えられないことである。いっぽうで、日頃わが家の食卓に上がるような「安くても味はそこそこ」のワインは、絶対お目にかかれない。日本…
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2006.11.2 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第12章「大予言!フィアットはベネトン化する」(大矢アキオ)
■出たーッ!ストップ高まずはフィアットの近況からお伝えしよう。ミラノ証券取引所では10月20日、フィアットの株価がついに14ユーロを超えて、ストップ高となった。一部ではさらに数ユーロ値上がりするのではないか?との憶測も流れている。凡庸な表現ではあるが、今フィアット株はバブル、である。別の機会に詳しく触れるが、ここ数年周辺ビジネスをひたすら捨てて自動車ビジネスに特化…
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2006.10.21 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第11章「初代イプシロンのデザイナー、ランチア成功のヒントを伝授!」(大矢アキオ)
■ブランドとして陰が薄いランチアところで、昨2005年のイタリア国内登録シェアで、ランチアは4.45%だった。アルファ・ロメオ(2.77%)に対して、一昨年よりもさらに差をつけたかたちである。2008年には新デルタで積極的な巻き返しに出る。だがいまだフィアット・グループのなかでは、ブランドとして陰が薄い。前回紹介した元ランチア・スタイリングセンター所長で、初代イプシロンのデ…
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2006.10.14 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第10章「初代イプシロンのデザイナーが語る 『ランチアは、イタリアのシトロエンだ!』」(大矢アキオ)
■あのイプシロンのスタイリストイタリア車ファンの方ならエンリコ・フミアをご存知だろう。あのランチア初代イプシロン(1995年)を手がけたスタイリストである。彼は1948年トリノ生まれ。66年、18歳のときカロッツェリア・ベルトーネ主催の新人コンクールで、5300人の応募者のなかから選ばれて優勝する。76年にはイタリアにおける自動車マンのエリートコースであるトリノ工科大学を卒業…
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2006.10.7 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第9章「世界の中心で500をさけぶ?〜新チンクエチェントのユニークな企画〜」(大矢アキオ)
■フェラーリ株買収、シェア拡大、イケイケは続くフィアットは、ここ1週間も良いニュース続きだった。まず9月29日、従来イタリアの銀行「メディオバンカ」などが保有していたフェラーリ株を買い取った。買取額は8億9200万ユーロ(約1338億円)で、これによってフェラーリにおけるフィアットの出資比率は85%に達した。両社の関係は開発面でもより緊密になるのでは、と予想されている。9月…
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2006.9.30 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第8章「秋は繁殖シーズン!? パリに集まるいろいろなパンダたち」(大矢アキオ)
■3つの燃料が使える「パンダ・ムルティエコ」9月30日から一般公開されるパリサロン。フィアット・グループのスターは、間違いなくアルファ・ロメオ8Cコンペティツィオーネ生産型であろう。いっぽうフィアット・ブランドそのものは、パンダのバリエーションで来場者の関心をひく作戦だ。まずはコンセプトカー「ムルティエコ」である。厚化粧したパンダにあらず。このクルマのミソは中身に…
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2006.9.23 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第7章「有名人目白押し、これが最新イタリア版テレビCMだ!」(大矢アキオ)
■ハリソン・フォードと盆栽イタリアでフィアットの株価は、年初来最高値の更新を続けている。知り合いの関係者は、持っているフィアット株をいつ売却するかタイミングをうかがいながらも、「もうちょい」という欲が出るらしく、なかなか売れずに困っている。そんな好調に支えられて、テレビコマーシャルも今年に入って気合が入ってきた。今回は、そのお話である。そもそも経営危機に陥る…
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2006.9.16 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第6章「これがランチア日本上陸計画だ!」(大矢アキオ)
■ランチア創立100年祭の会場でランチアは、前回紹介したヴェネツィア映画祭のスポンサーに続き、2006年9月4-9日にはトリノで創立100年祭を催した。ランチアクラブ・イタリアの呼びかけで、世界18カ国から360台の歴代ランチアが結集した。5日目の金曜夜には、「ソワレー・ランチア」と題して、カルロ・ビスカレッティ自動車博物館が参加者に開放された。その場で筆者が話す機会を得たのは…
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2006.9.9 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第5章「“海を走るパンダ”“離島限定パンダ”――変化球的プロジェクト」(大矢アキオ)
■ランチア、フィルムスターを運ぶ水の都ヴェネツィアでは、毎年恒例の映画祭が9月9日まで開かれている。会場にスターたちを乗せてやってくるクルマは、ランチアの旗艦テージスだ。今年、映画祭のオフィシャルカーのスポンサーは、ランチアが務めているのである。それにあわせて、ヴェネツィアを舞台に想定したランチア・ムーザ(イプシロンの5ドア版)のスポットCMも製作された。演じて…
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2006.9.8 自動車ニュース 大矢 アキオ
“今世紀初”の新型「ランチア・デルタ」、ヴェネツィア映画祭で公開
伊フィアットは2006年9月5日、ヴェネツィアでコンセプトカー「ランチア・デルタHPE」を公開した。ランチアは、ヴェネツィア映画祭でオフィシャルカーのスポンサーを務めており、このデルタHPEはそれにあわせて披露されたものである。
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2006.9.2 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第4章「復活劇を演出する、異色の“宇宙人”経営者たち」(大矢アキオ)
■怒濤のごとき株価上昇「もう紙切れ同然だな」昨年夏のことだ。あるフォトグラファーは、ボクにこうボヤいた。フィアット株のことである。イタリア人は、日本人以上に株投資に興味をもっている。彼は、その昔フィアット株を15ユーロで買ったのだという。それが約半分の7ユーロ台になってしまったというのだ。ところが、彼のボヤきの直後から、フィアット株は業績回復とともにジワジワと…
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2006.8.25 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第3章「郵便配達、レンタカー、軍警察仕様――フィアットの知られざるお得意様たち」(大矢アキオ)
■後部を荷室にした“配達パンダ”日本ではパーソナルカーのイメージがあるフィアットだが、実はイタリアでは法人車として、長年さまざまなお役所に納入されてきた。ミラノなどの直営支店には、長年そうした顧客に対応する法人営業部がある。ところがここ数年、そのマーケットを外国車に浸食されていたのも事実である。そこでフィアットは、そうした法人需要で巻き返しを図るべく奮闘して…
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2006.8.24 自動車ニュース 大矢 アキオ
イタリアの高速道路、最高速引き下げへ、その目的は……
イタリアのアレッサンドロ・ビアンキ運輸大臣は、2006年8月18日、アウトストラーデ(自動車道)の最高速度を、現行の130km/hから120km/hに引き下げることを検討していると明かした。今年中の施行を目標にしている。
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2006.8.17 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第2章「狙うはプレミアム、新チンクエチェントはキミが作る!」(大矢アキオ)
■MINIのような「おいしい企画」を第1章で記したように、フィアットは、グランデ・プントと新型パンダの成功によって、ヨーロッパにおけるシェアを着々と回復している。現在販売台数において欧州第6位にあるイタリアの巨人が次に狙うのは、BMWに代表される“プレミアム・コンパクト”である。イタリア国内でMINIは毎月1500〜2000台ペースで売れているが、セグメント内シェアとしてはグラ…
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2006.8.9 エッセイ 大矢 アキオ
フィアット復活物語 第1章「フィアットは、死んでなんかいないゾ!」(大矢アキオ)
■国産車3割以下の国、イタリアみなさんは最近の、会社としてのフィアットをご存知だろうか。「何か、経営が苦しいって聞いたことがある」という方は多いと思う。たしかに、それは事実だった。魅力的な車種不足と、それと対照的なドイツ車、フランス車、日本車の躍進。そのため昨2005年までイタリアで、フィアットの5ブランド(フィアット、アルファ・ロメオ、ランチア、マセラーティ、フ…
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2006.7.24 自動車ニュース 大矢 アキオ
「フィアット、インド資本に救われる」の噂、提携先は……
伊フィアットは、近いうちに新しい提携先を発表する予定だが、国内では「新パートナーはインド企業ではないか?」との憶測が広まっている。
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2006.7.15 自動車ニュース 大矢 アキオ
ヨーロッパで大人気の簡易カーナビ「PND」で見つけた“クルマ好き御用達”の住宅街
いまヨーロッパでカーナビといえば「PND」。取り付けカンタン、価格も手頃な簡易カーナビを使って、イタリア在住大矢アキオが“ヘンな住宅街”を見つけた。