第78回:それでもスーパーカーは男の夢
2018.02.20 カーマニア人間国宝への道欲しい中古車ベスト3を発表
カーマニア集団・MJ戦略参謀本部の鼎談(ていだん)もこれが最終回。いよいよ我らの本業(?)である中古車について語ってシメとすることになった。
MJ参謀長(以下 M):軍曹は今回生涯初めての国産新車として「スバルXV」を買ったが、本来は輸入中古車研究家。いま欲しい中古車を挙げてくれたまえ。
伊達軍曹(以下 伊):さいですね。実はXV最大の不満点は、自分の生活にとってサイズがやや大きすぎることです。よって、もうちょっと小さくてこじゃれた中古車が欲しいという気持ちは、ほんのわずかながら存在します。
M:具体的には。
伊:1位は「フィアット500ツインエア」。走行2~3万kmのタマが100万円ちょいで買えるところまで下がってきております。
M:そうなのか。私も欲しいぞ!
伊:続いて「ポルシェ911」。
M:なんと! 超高騰物件ではないか。
伊:超高騰も若干の落ち着きを見せ、特に「996」は平穏であります。走行距離2~3万kmの「996カレラ4S」が、400万ほどで狙えます。
M:確かに996なら全幅1770mm。コンパクトと言えなくもない。
伊:XVの全幅は1800mmであります故、996はコンパクトであります! まぁ私が欲しいカレラ4Sは全幅1830mmなんですが!
M:マリオ二等兵はどうか。
マリオ二等兵(以下 マ):はっ。私めは、いま乗っておかないと永久に乗れなくなる中古車に乗りたいであります!
M:その気持ち、マニアとして理解できる。やはりスバル車か?
すげえ! と言われたい
マ:はっ。このところ、スバルが自ら開発・生産していた軽自動車への憧憬(しょうけい)が猛烈に高まっております! 最大の憧れは「サンバー」です。サンバーの最終型が手に入ったら昇天であります!
M:RRレイアウトを取る、農道のポルシェだな。実は私も昨年、いまさらながらサンバーの軽トラに初試乗することができ、あまりのエンジンフィールのスムーズさに感動した。
マ:参謀長殿もでありますか! 私の最初の愛車は「ヴィヴィオ」。やはりスバル4気筒の軽は最高でありました(泣)。世界機械遺産に認定していただきたいであります!
M:スバリストの終着駅は、サンバーの軽トラか……。
マ:軽トラではなく、農道のレンジローバーと呼ばれる「サンバーバン」の荷室に畳を敷き、茶室に仕立てるのが夢であります!
M:マリオは茶道歴10年だったか。茶釜の下にスバルの4気筒660ccが鎮座ましませば、これに勝るヨロコビなしだろう。
マ:待庵のごとき独特の狭小区間であります。利休殿の後を追い、そこで腹を切って死にたいであります!
M:では最後に、今の日本のクルマ社会に望むことをひとつ述べよ。
伊:現在の私は、いまだに公道で飛ばすなど、知的レベルの低すぎる無意味な行為だと悟っておりますが、しかしやはり人間であり男でありカーマニアである限り、クルマで「すげえ!」と言われたい気持ちもどこかにあります。ところが日本車には、心の底から「すげえ!」と言えるスーパーなクルマがありません。そこが不満であります。
スーパーカーは最強
M:「NSX」や「レクサスLC」ではダメか。
伊:それならXVの方が上であります(キッパリ)。ただ、今後のレクサスには期待しております。私も日本男児ですから!
M:マリオはどうだ。
マ:私は、日本の交通マナーの劣悪化が進行しているように思えてなりません。特に高速道路の追い越し車線におけるマナーが、ますます悪化しております。
M:全体に低速化しているのは感じるな。
マ:昨年初めてタイで運転しまして、タイの高速道路の方が日本よりマナーがよかったことに衝撃を受けました。日本がタイに負けているのは由々しきことであります。
M:それはイカンな。がしかし局地的な解決法ならある。それは、最新のスーパーカーに乗ることだ。
マ:はっ!?
M:私は高速道路を「458イタリア」で走行中、譲ってもらえなかったことはほとんどない。別にアオッたわけでもなんでもないが、モーゼの行く手のごとく、前のクルマたちが割れた。
マ:なるほど……。
M:それでもごくたまに無反応なクルマはいたが、通常の10分の1程度。やはり人間には本能がある。スーパーカーのオーラは野獣そのものであり、条件反射として、逃げないと食われるように感じるのではないか。
伊:確かに、「アルファード」には道を譲らずとも、「アヴェンタドール」には進んで譲りたくなります。
M:458を降りた今は、ルームミラーに最新のスーパーカーが写ったら、「うわっ、コエ~~~~!」と悲鳴を上げて走行車線に退避しておる。もはやライオンに狙われたバンビ状態だ。
伊:やはりスーパーカーは男の夢かもしれませんね……。
(語り=清水草一、伊達軍曹、マリオ二等兵/まとめ=清水草一/写真=清水草一、池之平昌信/編集=大沢 遼)

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
-
第327回:髪もクルマもナイスファイト! 2026.1.19 清水草一の話題の連載。日産の新型「ルークス」で夜の首都高に出撃した。しっかりしたシャシーとターボエンジンのパワフルな走りに感心していると、前方にスーパーカーの姿を発見。今夜の獲物は「フェラーリ・ローマ」だ!
-
第326回:三つ子の魂中高年まで 2026.1.5 清水草一の話題の連載。ホンダの新型「プレリュード」で、いつもの中古フェラーリ販売店「コーナーストーンズ」に顔を出した。24年ぶりに復活した最新のプレリュードを見た常連フェラーリオーナーの反応やいかに。
-
第325回:カーマニアの闇鍋 2025.12.15 清水草一の話題の連載。ベースとなった「トヨタ・ランドクルーザー“250”」の倍の価格となる「レクサスGX550“オーバートレイル+”」に試乗。なぜそんなにも高いのか。どうしてそれがバカ売れするのか。夜の首都高をドライブしながら考えてみた。
-
第324回:カーマニアの愛されキャラ 2025.12.1 清水草一の話題の連載。マイナーチェンジした「スズキ・クロスビー」が気になる。ちっちゃくて視点が高めで、ひねりもハズシ感もある個性的なキャラは、われわれ中高年カーマニアにぴったりではないか。夜の首都高に連れ出し、その走りを確かめた。
-
第323回:タダほど安いものはない 2025.11.17 清水草一の話題の連載。夜の首都高に新型「シトロエンC3ハイブリッド」で出撃した。同じ1.2リッター直3ターボを積むかつての愛車「シトロエンDS3」は気持ちのいい走りを楽しめたが、マイルドハイブリッド化された最新モデルの走りやいかに。
-
NEW
スズキ・ワゴンR ZL(FF/5MT)【試乗記】
2026.1.28試乗記スズキの「ワゴンR」がマイナーチェンジ。デザインを変更しただけでなく、予防安全装備もアップデート。工場設備を刷新してドライバビリティーまで強化しているというから見逃せない。今や希少な5段MTモデルを試す。 -
NEW
クワッドモーター搭載で過去にないパフォーマンス BMWが示したBEV版「M3」の青写真
2026.1.28デイリーコラムBMW Mが近い将来に市場投入を図る初のピュア電気自動車の骨子を発表した。車種は明かされていないものの、「BMW Mノイエクラッセ」と呼ばれており、同時に公開された写真が小型セダンであることから、おそらく次期型「M3」と思われる。その技術的特徴を紹介する。 -
NEW
第100回:コンパクトSUV百花繚乱(前編) ―デザイン的にも粒ぞろい! 老若男女をメロメロにする人気者の実情―
2026.1.28カーデザイン曼荼羅日本国内でも、海外でも、今や自動車マーケットで一大勢力となっているコンパクトSUV。ちょっと前までマイナーな存在だったこのジャンルは、なぜ老若男女をメロメロにする人気者となったのか? 話題の車種を俯瞰(ふかん)しつつ、カーデザインの識者と考えた。 -
“走行性能がいいクルマ”と“運転しやすいクルマ”は違うのか?
2026.1.27あの多田哲哉のクルマQ&Aクルマの「走行性能の高さ」と「運転のしやすさ」は本来、両立できるものなのか? 相反するようにも思える2つ特性の関係について、車両開発のプロである多田哲哉が語る。 -
スバル・ソルテラET-HS(4WD)【試乗記】
2026.1.27試乗記“マイナーチェンジ”と呼ぶにはいささか大きすぎる改良を受けた、スバルの電気自動車(BEV)「ソルテラ」。試乗を通して、劇的に改善した“BEVとしての性能”に触れていると、あまりに速いクルマの進化がもたらす、さまざまな弊害にも気づかされるのだった。 -
【番外編】バイパー、磐越を駆ける
2026.1.27バイパーほったの ヘビの毒にやられましてwebCG編集部員が、排気量8リッターの怪物「ダッジ・バイパー」で福島・新潟を縦走! 雄大な吾妻連峰や朋友との酒席で思った、自動車&自動車評論へのふとしたギモンとは。下手の考え休むに似たり? 自動車メディアの悩める子羊が、深秋の磐越を駆ける。









































