第107回:さよならワグナー(後編) ―革新から正統へ 変節するメルセデスと欧州カーデザインの未来―

2026.04.01 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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メルセデス・ベンツのコンセプトモデル「ビジョン アイコニック」とゴードン・ワグナー氏。2025年10月、中国・上海にて。
メルセデス・ベンツのコンセプトモデル「ビジョン アイコニック」とゴードン・ワグナー氏。2025年10月、中国・上海にて。拡大

「EQ」シリーズの失敗を機に、保守的なイメージへ大転換! メルセデス・ベンツのカーデザインは、一体どこへ向かおうとしているのか? 名物デザイナー、ゴードン・ワグナー氏の退任を機に、スリーポインテッドスターと欧州カーデザインの未来を考えた。

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2021年4月に“デジタルワールドプレミア”された上級BEV「EQS」とワグナー氏。
2021年4月に“デジタルワールドプレミア”された上級BEV「EQS」とワグナー氏。拡大
既存の「EQ」シリーズの車種とは異なり、「EQS」は新規開発のBEV専用プラットフォームをベースに開発されていた。
既存の「EQ」シリーズの車種とは異なり、「EQS」は新規開発のBEV専用プラットフォームをベースに開発されていた。拡大
Eセグメントモデルの「EQE」は、「EQS」よりやや遅れて2021年9月の「IAAモビリティー」で発表された。
Eセグメントモデルの「EQE」は、「EQS」よりやや遅れて2021年9月の「IAAモビリティー」で発表された。拡大
「EQS」のデザインスケッチ。
「EQS」のデザインスケッチ。拡大

変革を期した「EQ」シリーズの大コケ

清水草一(以下、清水):それにしても、最近はメルセデスのセダンを本当に見かける機会が減りましたね。今一番売れているのは、SUVの「GLC」でしたっけ?

webCGほった(以下、ほった):(PCをポチポチしつつ)……ですね。グローバルで見ても、日本に限っても、GLCが稼ぎ頭です。

清水:セダンは「C」も「E」も「S」も、服のサイズ違いみたいになっちゃったしなぁ。

渕野健太郎(以下、渕野):そうですね。グリルと細部の扱いが違うだけで、ロアボディーのつくりはほぼ一緒ですから。差別化が非常に細かいところで行われています。

で、ここからが本題なのですが、そんな伝統的なスタイルを一度打破しようとしたのが、電気自動車(BEV)のEQシリーズでしたね。「EQE」と「EQS」ではプロポーションを根本から変えて、攻めの姿勢を見せた。清水さんはこれ、大好きでしたよね?(参照

清水:(苦笑いしながら)ええ、まぁ……。