第1回:ボンジュール、ルノー・キャプチャー! 進化を遂げたフレンチSUVを普段使いで乗り倒す
2025.06.23 ルノー・キャプチャー日常劇場 拡大 |
マイナーチェンジを受けた最新の「ルノー・キャプチャー」が、webCG編集部にやってきた! 大幅改良を受けたフランス発のコンパクトSUVは、本当に魅力が増しているのか? webCG随一のワーカホリックが、あれこれ使って確かめた。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
ささやかだけど大きな進化
どうも皆さん、ボンジュール、ボンソワール。webCGのほったです。
突然のえせフランス語に「あいつ、とうとうやられたか」と察する御仁もおられようが、これにはドーバー海峡より深いわけがある。改良なったルノー・キャプチャー(参照)と、webCG編集部の日々をつづる、このたびの日常劇場。マーケティングの大和女史より、「今回はおフランスなシチュエーションで」というとんでもない無茶ぶりがあったのだ。もちろん、凡百な貧乏編集の“日常”にそんなもん転がってるわけもなく、せめて文章だけでもムッシュな感じでと思った次第である。どうぞ皆さん、アンシャンテ。
そんなわけで今回の主役、ルノー・キャプチャーである。最新モデルのキモはマイルドハイブリッドの追加であり、当然のことインポーターで記者に引き渡されたのも、MHEVの「エスプリ アルピーヌ」であった。加えて、もうひとつのキモがインターフェイスの刷新だ。ドアを開けると、ダッシュボードには10.4インチのデカいタッチスクリーンが鎮座。今回よりAndroid AutoやApple Caplayのスマホ接続は、無線でOKになるという。
「スマホの登録もBluetooth通信でできますが、もしシステムがムズがったら、最初の1回だけUSBケーブルでつないでください。自動でスマホの情報が記録されて、次からは勝手につながるようになりますから」
いつもお世話になっている、ルノー・ジャポンのムッシュが言う。なるほど、と思ういっぽうで、ふと不穏な情景が浮かんだ。助手席のあの子が「ちょっと充電させてくれません?」なんて言って、スマホをUSBに挿した途端、キャプチャーが機種情報をメモリー。なんかの拍子にBluetoothの接続機種リストを見た奥さまが、「これ、誰の携帯?」っつってジェロム・レ・バンナに豹変するのだ。
……まぁ、いいか。浮気するような旦那さまはローブローで去勢されても文句は言えまい。独身でそんなシーンに縁のない記者は、黙ってリモコンキーを受け取り、横浜の地を後にした。
高速をズバっと走るのが気持ちいい
翌日、記者はさっそくキャプチャーで静岡・御殿場の某所へ向かった。目的は、さる国産車の試乗会取材と、そしてこのキャプチャーの撮影である。せっかくこうしてクルマを借りているのだから、後日公開のキャプチャー試乗記の撮影も、この機に済ませてしまおうという魂胆だった。
昨日一度携帯をつないでおいたので、クルマに乗り込んでイグニッションをオンにすれば、自動でAndroid Autoが起動する。ルノー・ジャポンのムッシュが言っていたとおり、なんと便利で安楽なことか。充電するわけでもないのに携帯をUSBに挿していたあの頃が、はるか昔のことのよう。初めてコードレスイヤホンを使ったときのような爽快感を覚えつつ、記者は拙宅(つっても借家ですけど)を出た。
中央道と同富士吉田線、東富士五湖道路を経由して、霊峰のすそ野へ向かう。こういったシーンでは、MHEVキャプチャーはとにかく軽快に走ってくれる。乗り心地はコシが強めで落ち着きのあるほうではないが、そのぶんなんだか若々しいのだ。某所の取材でオドメーター4000km超の個体に乗った御仁によると、その足まわりは「アタリがつくとしなやかになる」とのことだが、前輪駆動のコンパクトSUVなんだし、一人で乗るぶんには「これはこれでアリかも」と思った。
本領はこうして高速道路をぶっ飛ばすようなシーンで、1330kgの車重に比して1.3リッターターボの膂力(りょりょく)は十分。軽やかなのによくねばる仏車特有のアシもあって、高速コーナーもお手のものだ。いただけないのは、つい片側3車線の山岳区間で、義経の八艘飛びのような走りをしたくなってしまうこと。「いや、そういうのってマナー違反……というか道交法違反だし」と己を律し、記者はアダプティブクルーズコントロール(ACC)に運転をゆだねたのである。
ちなみにだが、上述の印象はすべてドライブモードを「スポーツ」に入れた場合のこと。「エコ」や「コンフォート」では、スロットル開度に対してエンジンの反応がかなり抑えられるので、忍耐力を鍛えたいという御仁以外は、潔くスポーツモードにブチこんでしまいましょう。
安心して使えるADASとインフォテインメント
さらに翌日、記者はまたしても拙宅から静岡・御殿場方面へと向かっていた。富士スピードウェイで催される某社のファンイベント&限定モデル発表会(その1、その2)を取材するためで、「こんなんなら御殿場に投宿するんだった」と、眠い目をこすりながら後悔した。赤信号の待ち時間を利用してウォークマンを起動し、クルマにつなぐ。
現代っ子の読者諸氏は「はぁ、なんで?」というやもしれぬが、記者は古(いにしえ)の携帯音源愛好家で、ドライブ中にはウォークマンをクルマにつないで音楽を聴いている。当然のこと、Android Auto使用時にはコネクテッドシステムが「スマホとウォークマンの2丁がけ」となるのだが、この最新のキャプチャーでは、過去のクルマ(その1、その2)のように接続が不安定になることは一度もなかった。うーむ。これは、フランス車の電装品もたくましくなったということか。一度だけ、ステアリングコラムの音量スイッチでメディアの音量が変えられなくなって焦ったが、今回のプチオーナー体験で「どうにかシルブプレ!」って事態に陥ったのは、本当にその一度きりだった。困った。記事で書くことがないじゃないか。
書くことがないといえば、イマドキのクルマに必須の運転支援システムもそう。ACCはもちろんストップ&ゴー機能付きだし、車線維持支援機能も賢く、白線の間でピンボールをすることもない。再加速時のスロットルレスポンスが、ちょっと気になるっちゃ気になるが……。
富士スピードウェイからの帰り、記者の脳に意地悪なアイデアが浮かんだ。キャプチャーのインターフェイスには「Eco Score」なる運転診断機能が付いているのだが、これでACCの賢さを測ってやろうと思ったのだ。そんなわけで、帰路は東名高速の御殿場から東京ICまで、全線をACCで走破。結果は……。
「加速/減速につき多くの改善が必要です 65/100」
ホホホホホ! 言われてますぞ、キャプチャー殿。
失礼。あまりのことに、つい口調がムッシュではなく麻呂になってしまいました。
拡大 |
拡大 |
拡大 |
拡大 |
ドライブモードでADASの効きが変わる?
一応、キャプチャー殿の肩を持ちますと、帰路の東名は週末おなじみの断続渋滞。不規則な加減速を繰り返すなかでは、この結果もむべなるかな、といった感じだった。ちなみに、ここでもドライブモードをスポーツに入れると、前と距離があいた際に加速が早く立ち上がり、そのぶん、ブレーキのかけ始めもスムーズに、穏やかになる気がした。プラシーボ効果かもしれないけど、気になったオーナーさまは、ぜひお試しあれ。
そんなこんなで、記者のキャプチャー日常劇場の持ち時間は終了。今回は2泊3日で592.1kmを走り、39.44リッターのガソリンを消費した。参考燃費は、満タン法で15km/リッター、車載計計測値で16.1km/リッターである。取材中の忖度(そんたく)はゼロ。スポーツモードにガンガン入れて、休日の高速渋滞に突撃して、という今回の使用を思えば、上々の結果ではあるまいか。既述のとおり、機能・装備もしっかりしているし、インフォテインメントの日本語対応も無問題。余計なガマンや出費はなしで、セボンでアラモードなフレンチSUVを楽しめるなんて、いやはやトレビアンな時代になったもんである。フランス車への愛に殉じていったあまたの先達も、草葉の陰で涙しているに違いない。
あとは、記者のようなおフランスに縁のない無粋者ではなく、ガチのフランス車通がこれをどう見るか。webCGでは過日の佐野弘宗氏に続き、森口将之氏にも試乗記を依頼しているので乞うご期待。ご両人が記者と違うことを言っていたら、ワタシではなくそっちを信頼してください(笑)。
それでは、オルボワ~ル。
(文も写真も編集もぜんぶwebCG堀田剛資<webCG”Happy”Hotta>)

堀田 剛資
猫とバイクと文庫本、そして東京多摩地区をこよなく愛するwebCG編集者。好きな言葉は反骨、嫌いな言葉は権威主義。今日もダッジとトライアンフで、奥多摩かいわいをお散歩する。
-
第4回:家族の反応はどう? 最新の「ルノー・キャプチャー」で日帰りドライブに出かけてみた 2025.7.16 webCGの編集スタッフが、ルノーのSUV「キャプチャー」にさまざまなシチュエーションで試乗し、その走りや使い勝手を報告する特別連載。最終回は、家族4人でのお出かけがテーマ。さて、進化したキャプチャーに、みんなは何を感じたのか?
-
第3回:タイヤよ! あれがパリの灯だ 新しい「ルノー・キャプチャー」を試す 2025.7.9 新しい「ルノー・キャプチャー」でパリを目指す……のだが、業務の合間を縫ってのドライブゆえに「日本のパリ」へとややスケールダウン。これが初対面となるマイルドハイブリッドのキャプチャーの実力もリポートする。
-
第2回:最新の「ルノー・キャプチャー」でパリのペリフェリック(っぽい道)を行く 2025.7.2 新世代ルノーのデザイン言語を軸に、マイナーチェンジで大きな変身を遂げた「キャプチャー」。気になるのは“ヴィダル顔”と呼ばれるフロントフェイスと、新設定されたマイルドハイブリッドの仕上がりだ。果たしてその印象やいかに。
-
トヨタRAV4アドベンチャー(前編)
2026.8.23思考するドライバー 山野哲也の“目”レーシングドライバー山野哲也が新型「トヨタRAV4」に試乗。ご存じのとおり今やトヨタの屋台骨を支えるSUVであり、先代モデルではグローバルでの年間販売台数が100万台に到達。世界で最も多く販売されるトヨタ車の6代目だ。箱根のワインディングロードでの印象を聞いた。 -
DS N°8エトワールAWD(4WD)
2026.8.22試乗記DSオートモビルから登場した、新時代の旗艦モデル「N°8」。完全新設計のシャシーにアクティブサスペンションを組み合わせた電気自動車(BEV)は、往年の“ハイドロ”を思わせる乗り味と人車一体の走りを備えた、稀有(けう)なサルーンに仕上がっていた。 -
メルセデス・ベンツCLA220(FF/8AT)【試乗記】
2026.8.21試乗記メルセデス独自のオペレーティングシステムと、フル電動化を見据えた最新プラットフォームを組み合わせて開発された新型「CLA」。その先鋒として発売されたハイブリッドモデルの仕上がりを、セダンの上級グレードに試乗して確かめた。 -
これは“ヨーロッパ版軽自動車”か? 欧州の新自動車規格「M1E」とニッポンの軽の可能性
2026.8.21デイリーコラム欧州で検討されている、新たな小型電気自動車(BEV)規格「M1E」。手ごろなBEVの普及と域内自動車産業の保護を目的としたこの規格は、軽自動車という独自の小型車を育んできた日本にとってもチャンスとなるのか? 新たな自動車規格の展望と可能性を考察する。 -
FCEVで世界一の販売台数 「ヒョンデ・ネッソ」にみる水素の可能性と普及へのカギ
2026.8.20デイリーコラムフルモデルチェンジしたヒョンデの燃料電池車(FCEV)「ネッソ」は、1014km(参考値)の一充填走行距離を実現したという。進化したゼロエミッションの走りを味わいながら、ヒョンデが目指す水素社会の可能性とFCEVの未来について考えてみた。 -
第292回:350SEが運ぶのは幸福か、それとも究極の不幸か…… 『星の時 4K』
2026.8.20読んでますカー、観てますカーブラジルの女性小説家クラリッセ・リスペクトルが1977年に発表した小説を、女性監督スザーナ・アマラウが1985年に映画化した伝説の作品。「メルセデス・ベンツ350SE」がもたらす運命の瞬間を謎めいた手つきで描き出す。














































