伊・米・仏の7ブランドが2021年実績と導入計画を発表

2022.01.18 自動車ニュース webCG 編集部
FCAジャパンとグループPSAジャパンが扱う7ブランドについて、2021年の販売実績を説明するポンタス・ヘグストロム氏。
FCAジャパンとグループPSAジャパンが扱う7ブランドについて、2021年の販売実績を説明するポンタス・ヘグストロム氏。拡大

FCAジャパンとグループPSAジャパンは2022年1月18日、合同で記者会見を開催し、両社が販売する7ブランド(アバルト、アルファ・ロメオ、ジープ、シトロエン、DS、フィアット、プジョー)の2021年の販売実績を振り返るとともに、2022年の見通しを発表した。

全7ブランドを合わせた2021年の販売台数は4万4976台。前年(2020年)比で10%アップとなった。
全7ブランドを合わせた2021年の販売台数は4万4976台。前年(2020年)比で10%アップとなった。拡大
ジープブランドをけん引するのは「ラングラー」「ラングラー アンリミテッド」。2022年はそのバリエーションモデル「グラディエーター」が導入される。
ジープブランドをけん引するのは「ラングラー」「ラングラー アンリミテッド」。2022年はそのバリエーションモデル「グラディエーター」が導入される。拡大
プジョーブランドの目玉は新型「308」。パワーユニットはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、プラグインハイブリッドから選べるようになるという。
プジョーブランドの目玉は新型「308」。パワーユニットはガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、プラグインハイブリッドから選べるようになるという。拡大
人気車種「フィアット500」のEVバージョンも上陸予定。オープントップの「500eカブリオ」も販売される。時期は2022年の年央になる見込み。
人気車種「フィアット500」のEVバージョンも上陸予定。オープントップの「500eカブリオ」も販売される。時期は2022年の年央になる見込み。拡大
フィアットの大型バン「デュカート」も販売される。キャンピングカーをはじめとするRV(リクリエーショナルビークル)としての需要が期待されている。
フィアットの大型バン「デュカート」も販売される。キャンピングカーをはじめとするRV(リクリエーショナルビークル)としての需要が期待されている。拡大
「アルファ・ロメオ・トナーレ」も年内に導入される。アルファ・ロメオ初のコンパクトSUVとして、健闘が期待されている。
「アルファ・ロメオ・トナーレ」も年内に導入される。アルファ・ロメオ初のコンパクトSUVとして、健闘が期待されている。拡大
DSからは「DS 9」「DS 4」という2モデルが登場。既存のモデルと合わせてDSのフルラインナップが形成される。
DSからは「DS 9」「DS 4」という2モデルが登場。既存のモデルと合わせてDSのフルラインナップが形成される。拡大
2022年3月1日には、FCAジャパンとグループPSAジャパンは統合され、ステランティス・ジャパンが設立される。同日、国内の販売子会社の統合も予定されている。
2022年3月1日には、FCAジャパンとグループPSAジャパンは統合され、ステランティス・ジャパンが設立される。同日、国内の販売子会社の統合も予定されている。拡大

7ブランドすべてが大健闘

全7ブランドを合わせた2021年の販売台数は、前年(2020年)比で10%アップの4万4976台。これにより、輸入車市場における合計マーケットシェアは過去最高の17%以上となった。両社の社長を兼務するポンタス・ヘグストロム氏も、プレゼンテーションのなかで「2021年に日本で販売された輸入車の6台に1台は、FCAジャパンとグループPSAジャパンが扱うステランティスブランドのモデルになりました」と自信をのぞかせた。

ブランドごとの2021年実績と2022年のトピックは以下のとおり(上から販売台数順に列記。カッコ内は2021年の販売台数と2020年からの増減比率)。

【ジープ】(1万4294台/+5.2%)
2013年から9年連続で販売記録を更新し、2021年は初めて1万4000台オーバーを記録。日本市場は、アメリカ、ブラジル、イタリア、カナダ、中国、ドイツに次ぐ7番目に“ジープが売れる”マーケットとなった。特に、6931台販売された「ラングラー」は好調の要因。2022年は3列シートのフラッグシップSUV「グランドチェロキーL」やピックアップトラック「グラディエーター」の販売がスタート。顧客基盤のさらなる拡大が期待されるという。

【プジョー】(1万2072台/+12.3%)
2015年以来、7年連続での販売台数アップを実現。なかでも「208」「2008」の合計販売台数は5000台を超え、過去最高を記録した。2022年は基幹モデル「308」を導入予定。ガソリンエンジンやディーゼルエンジン、プラグインハイブリッドと、多彩なパワーユニットが用意され、ステーションワゴン「308SW」もラインナップされる。

【フィアット】(6995台/+18.7%)
2017年から2020年まで販売台数は低減していたが、2021年は6995台という過去最高をマーク。この記録に貢献したのは長寿モデルの「500」ファミリーで、4857台が販売された。2021年に導入を予定しながら延期となっていたピュアEV「500e」「500eカブリオ」は、2022年の年央に発売予定。さらなるブランド力向上に期待がかかる。新たな試みとして、キャンピングカー用途を視野に入れた大型バン「デュカート」の販売も計画されている。

【シトロエン】(5894台/+17.2%)
2021年は、1990年以来最高のセールスを記録。最大の“貢献車”は、その約4割にあたる2257台を占めたマルチパーパスビークル「ベルランゴ」だった。同モデルについては2022年、市場からのニーズの高い7シーター仕様を導入する予定。また年内は、第2四半期にフラッグシップモデル「C5 X」がデビューする。

【アバルト】(2491台/-17.8%)
アバルトは前年比で約2割の販売台数ダウン。これは「124スパイダー」の販売終了によるもので、「595」ファミリーの販売は3年連続で2500台前後のハイレベルをキープしていると説明される。

【アルファ・ロメオ】(2341台/+39.8%)
アルファ・ロメオの販売台数は前年比4割アップと大幅増。ただし、新型コロナウイルス感染拡大の影響で落ち込んだ2020年の数字が、コロナ禍以前のレベルに回復したというのが実情である。なお2020年をもって生産終了した「4C/4Cスパイダー」は、発売から2021年までの累計で、958台を国内で販売(世界3位)。ハイパフォーマンスセダン「ジュリアGTA/GTAm」については世界1位の84台を販売した。2022年春にはブランド初のコンパクトSUV「アルファ・ロメオ・トナーレ」がデビュー。日本市場にも年内に導入する予定という。

【DS】(889台/-2.1%)
2021年は前年と同水準で推移。2022年は全長5m、ホイールベース2.9mのフラッグシップサルーン「DS 9」と、Cセグメントのニューモデル「DS 4」を導入。既存モデル「DS 3クロスバック」「DS 7クロスバック」と合わせてフルラインナップを形成する。

3月には完全統合 オペル導入は持ち越しに

以上の結果を踏まえ、ヘグストロム氏は2021年を「大躍進の年」と評価。成長につながった要因として、「新製品の投入」「魅力的な限定車や特別仕様車の提供」「フランチャイズへの投資を継続したディーラーの存在」を挙げた。

2021年にさまざまブランドで実施された製品の“値上げ”については、「2021年の受注状況に変化がなかったことから、価格上昇のインパクトはなかった、仮にあったとしても限定的だったと認識している」との見解を示した。

また同氏はこの場で、2022年3月1日付でステランティス・ジャパンを設立し、FCAジャパンとグループPSAジャパンを統合することを発表した。マセラティブランドについてはステランティス・ジャパンに含めず、これまでと同様に独立した事業体として国内でのビジネス展開にあたる見通し。2021年内の上陸予定が延期となっているオペルブランドについては、2022年もスキップする方針が明らかにされた。

(webCG)

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