第77回:病膏肓に入る
2018.02.13 カーマニア人間国宝への道欲しいクルマベスト3を発表
MJ参謀長(清水草一)率いるカーマニア集団・MJ戦略参謀本部のカーマニア談義もいよいよ佳境。今回は、最近登場した新型車についての口(くち)プロレスだ。
MJ参謀長(以下 M):では伊達軍曹とマリオ二等兵に尋ねる。最近出た新型車で、欲しいと思ったクルマベスト3を挙げよ。まず軍曹から。
伊達軍曹(以下 伊):第3位はナシ、第2位は「ジュリア クアドリフォリオ」、そして第1位は「ランボルギーニ・アヴェンタドールS」であります。
M:ずいぶんと浮世離れした選択だが、そのココロは?
伊:現在のわたくしは「スバルXV」で完全に満たされておりまして、買いたいクルマはありません。それでも何かを買うのなら、飛び切りスゲーモノ以外にあり得ないのです。
M:つまり、現実を無視した選択しか思い浮かばないと。
伊:さいですね。仮想通貨でドーンと来たら、億ションでバスローブを着てブランデーグラスをクルクル回すわけですが、その際自家用車がXVのみというのもアレですので、アヴェンタドールSが1位となります。
M:なるほど。アヴェンタSに試乗し、感銘を受けたのだな。
伊:助手席のみですが、大変すばらしかったであります(笑)。が、いくらなんでもアヴェンタは非現実的すぎるという思いもあり、第2位にはやや現実的なジュリア クアドリフォリオ。第3位はナシです。
M:うむ。100%理解した。
モテないカーマニア的選択
M:軍曹へ私からの小さなアドバイスとしては、仮想通貨がドーンと来た場合、「マクラーレン720S」もなかなか良いぞ。
伊:さいですか。
M:アヴェンタに負けずドアは上に開くから、軍事的プレゼンスは負けていない。しかもアヴェンタよりかなりお安い。お買い得である!
伊:しかと承知しました。
M:では続いてマリオ二等兵。貴様のベスト3は何だ。
マリオ二等兵(以下 マ):はっ。第3位は「スイフトRS」の5段MTであります!
M:「スイフトスポーツ」ではなくRSか!?
マ:1.2リッターのNAエンジンですが、あの軽さを知ったらスイスポはいりません!
M:いかにもモテないカーマニア的なシブい選択だな。では第2位は?
マ:はっ。「レクサスLC」の5リッターV8モデルであります!
M:こっちは一転、富裕層的選択だが。
マ:純粋にクルマヲタとして、近年のレクサスの出来には「ビーエムいらないやんか」という思いを抱いておりますが、中でもLCのV8は音もすごく、これはもうトヨタにだまされてもいいのではないか!? と思ったであります!
M:だまされたくともカネはなかろうが。
マ:はっ。面目ありません。
M:では第1位は。
マ:はっ。「ヴィッツGRMN」であります!
M:なんと!
マ:ヴィッツに400万円出すなど狂気の沙汰と思っておりましたが、乗ったら死ぬほど良くてビックリしました!
スイスポは国民車!?
M:そうなのか!? 俺はそっちは未試乗だが、「ヴィッツGRスポーツ“GR”」1.5のCVTモデルに関しては、乗り心地が悪いだけで見た目もオタク臭満点、モテない上に何一つ面白みのない最悪の失敗作と断定したが。
伊:GRヴィッツ、モテない度に関しては即死級でしょう。
M:GRMNは、それをさらにオタク的に突き詰めた、究極のモテないカーではないか?
マ:モテない度はともかく、中身はただのGRとは全くの別物でして、WRカーをシロートにも乗れるようにしてくれたヲタ垂涎(すいぜん)の国宝カーだと感動いたしました!
M:そうなのか……。さすればいかにもモテないカーマニア的な第1位。アッパレだ!
マ:400万円という値札を付けて走りたいであります!
M:では最後に私のベスト3を発表しよう。3位が「シビック タイプR」。2位はアルファ・ロメオ・ジュリア全般。そして第1位はスイフトスポーツだ。
伊:スイスポがいいのはわかりますが、内装の赤がどうにも我慢できません。
M:いやぁ、あれは赤といっても「アルト ワークス」の赤の差し色と違い、オタク臭はない!
伊:さいですか?
M:あの黒と赤のグラデーションのセンスは、イタリアンの和風解釈と見る。その他あらゆる面から見て、スイスポはカーマニアからパンピーまで広くカバーできる傑作だ。国民車に推奨したい!
マ:賛成であります!
伊:賛成できかねます。
(語り=清水草一、伊達軍曹、マリオ二等兵/まとめ=清水草一/写真=清水草一、webCG/編集=大沢 遼)

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
-
第336回:やっぱり絶交! 2026.5.25 清水草一の話題の連載。夜の首都高に200台の台数限定で販売される「マツダ スピリット レーシング・ロードスター12R」で出撃した。手作業で組まれた2リッター直4エンジンを搭載するマツダ入魂のスポーツモデルに、カーマニアは何を感じた?
-
第335回:水平尾翼が効いてるのかな 2026.5.11 清水草一の話題の連載。フルモデルチェンジで2代目となった「シトロエンC5エアクロス」で、夜の首都高に出撃した。最新のデザイン言語を用いて進化した内外装とマイルドハイブリッドの走りに、元シトロエンオーナーは何を感じた?
-
第334回:親でもここまではしてくれまい 2026.4.27 清水草一の話題の連載。先日試乗した「トヨタGRヤリスRZ“ハイパフォーマンス”+エアロパフォーマンスパッケージ」はすごかった。MTと縦引きパーキングブレーキの組み合わせを用意してくれるトヨタは、カーマニアにとってもはや神である。
-
第333回:毛が生えようが、ハゲようが 2026.4.13 清水草一の話題の連載。「ジープ・アベンジャー」に追加設定された4WDモデル「アベンジャー4xeハイブリッド」で夜の首都高に出撃した。ステランティスで広く使われるマイルドハイブリッドパワートレインと4WDの組み合わせやいかに。
-
第332回:クルマ地味自慢 2026.3.30 清水草一の話題の連載。最近、年齢とともに地味なモデルが大好きになった。そんななか、人気の「フォレスター」や「クロストレック」の陰にひっそりと隠れたスバルを代表する地味モデル「インプレッサ」に試乗。果たしてその印象は?
-
NEW
ホンダ・インサイト(FWD)【試乗記】
2026.6.5試乗記「ホンダ・インサイト」が電気自動車(BEV)として復活! ……というよりは中国工場製BEVにその名が与えられて日本にやってきた。さまざまな事情により、国内で販売されるのはわずか3000台のみ。日本人は“限定”に弱いとされるが、果たしてこの場合はどうか。 -
NEW
KTM 990 RC R(6MT)
2026.6.5JAIA輸入二輪車試乗会2026今年も開催された「JAIA輸入二輪車試乗会」より、魅惑のバイクを一挙紹介! 先陣を切るのは、この4月に発売されたばかりの「KTM 990 RC R」だ。オーストリアの雄が放つ最新鋭のスーパースポーツは、意外や“速さ”以外にも見どころの多い一台だった。 -
NEW
空冷の「スポーツスター」が復活!? ハーレーダビッドソンの定番商品はどんなバイクとなるのか
2026.6.5デイリーコラムハーレーダビッドソンが、一度は廃止した空冷の「スポーツスター」の復活を発表! 伝統の一台はなぜ絶版の憂き目にあい、そしてよみがえることとなったのか? ファンに愛される定番車種を刷新する難しさと、新型に課せられた使命、そして課題を考察した。 -
第290回:商用バンで砂漠を行く親子が向かうのは天国か地獄か 『シラート』
2026.6.4読んでますカー、観てますカー失踪した娘を探して親子はモロッコの砂漠へ。砂漠で開催されていたレイブパーティーが最高潮に達した頃、軍隊がやってきて中止させられる。親子が乗るFFの商用バンは次のパーティー会場にたどり着けるのか……。 -
ホンダCR-V e:HEV RSブラックエディション(前編)
2026.6.4あの多田哲哉の自動車放談ひさびさに日本市場に戻ってきた、ホンダを代表するSUV「CR-V」。最新世代の仕上がりを、トヨタの車両開発者だった多田哲哉さんはどう評価する? まずは、ワインディングロードを走らせた第一印象から。 -
第964回:フィアットグッズのコレクターから学ぶ人生訓
2026.6.4マッキナ あらモーダ!イタリア在住の大矢アキオが、トリノで著名なフィアットグッズのコレクターを取材。若き日の苦労を経て大成した人物が語る、人生で大切なものとは? フィアットやイタリアの歴史を物語る、貴重なコレクションの数々とともに紹介する。









































