軽量なヨーロッパ、ラリーのストラトス

ただ、カウンタックもBBも、最高速度の数字はあまり意味のあるものではなかったようだ。実車でテストすると、どちらもカタログ通りのスピードは出なかったという。現在では300km/hオーバーのセダンもあるくらいだが、当時はこの速度域は夢の領域だったのである。同時に、スーパーカーを名乗るうえではぜひともクリアしておきたい数字だった。

一方で、最高速度は劣っても、スーパーカーとして認められていたクルマがある。風吹裕矢の愛車「ロータス・ヨーロッパ」は、最高速度が200km/hにも満たない。それでも、軽量を利して大排気量のマシンと戦う姿が共感を呼び、人気が高かった。わずか1.6リッターの直列4気筒エンジンだから戦闘力が高いとはいえなかったが、全高わずか1080mmの低く構えたスタイルは異次元の走りを予感させたのである。

マセラティの「ボーラ」と「メラク」も、憧れのクルマだった。エンジンはV8とV6で少々見劣りしたが、ジウジアーロの手がけた美しいデザインがそれを埋め合わせて余りあった。ちょっと異色だったのは、「ランチア・ストラトス」である。世界ラリー選手権(WRC)への出場を前提に開発されたマシンで、シルエットは大胆なウエッジシェイプ。旋回性能を最優先にしていたので、ホイールベースは2180mmと極端に短かった。そのおかげで、宇宙船のような雰囲気をまとうことになったのである。

「デ・トマソ・パンテーラ」は、イタリアとアメリカが合体したスーパーカーである。デ・トマソはすでに「マングスタ」でフォードのエンジンを採用していて、パンテーラにもフォード製の5.8リッターV8エンジンを搭載した。これによってライバルの半分ほどという価格を実現し、親しみやすいスーパーカーとなった。

ドイツからは、ポルシェがスーパーカーの列に加わっている。『サーキットの狼』で風吹裕矢のライバルである早瀬左近が乗っていた「911カレラRS 2.7」が代表的な存在だろう。今でも人気の高い“ナナサンカレラ”で、ダックテール型のスポイラーと派手なデカールが特徴である。さらに、75年にデビューした「930ターボ」も人気だった。

ロータスのミドシップスポーツカー「ヨーロッパ」。軽量・小型・低重心なモデルで、高い運動性能を誇った。
ロータスのミドシップスポーツカー「ヨーロッパ」。軽量・小型・低重心なモデルで、高い運動性能を誇った。拡大
V8エンジンをミドシップ搭載した「マセラティ・ボーラ」。「メラク」は同車とコンポーネンツを共有する、4座のV6ミドシップスポーツカーである。
V8エンジンをミドシップ搭載した「マセラティ・ボーラ」。「メラク」は同車とコンポーネンツを共有する、4座のV6ミドシップスポーツカーである。拡大
WRCへの投入を念頭に開発された「ランチア・ストラトス」。同車の活躍により、ランチアは1974年から1976年までWRCの王者に君臨した。
WRCへの投入を念頭に開発された「ランチア・ストラトス」。同車の活躍により、ランチアは1974年から1976年までWRCの王者に君臨した。拡大
イタリアとアメリカのコラボレーションで登場した「デ・トマソ・パンテーラ」。コストパフォーマンスのよさで人気を博すが、品質問題とオイルショックでつまずくこととなった。
イタリアとアメリカのコラボレーションで登場した「デ・トマソ・パンテーラ」。コストパフォーマンスのよさで人気を博すが、品質問題とオイルショックでつまずくこととなった。拡大
1973年に登場した「ポルシェ911カレラRS 2.7」。グループ4のホモロゲーションモデルで、今ではポルシェ随一のコレクターズアイテムとなっている。
1973年に登場した「ポルシェ911カレラRS 2.7」。グループ4のホモロゲーションモデルで、今ではポルシェ随一のコレクターズアイテムとなっている。拡大
あなたにおすすめの記事
新着記事