2025年は一気に普及してほしい! 清水草一が注目するクルマの装備・テクノロジー
2025.01.13 デイリーコラム「無用の機能」は省くに限る!
近年自動車業界は、電動化やコネクテッド化などどうでもいい方向(個人的嗜好です)に開発費を回しているせいか、ワクワクするような新技術は決して多くない。さすがに燃費は頭打ちだし、パワーはすでに使い切れないし、これ以上カイテキにするのも難しい。
そんなカベにブチ当たったかのような状況ですが、それでも「これは一気に普及してほしいなぁ」と思った技術もいくつかある。それを列挙させていただきます。
◇新型「ホンダ・フリード」(ガソリン車)も採用した「アイドリングストップレス」
いきなり地味な技術で申し訳ありません。なにせアイドリングストップを付けないだけなので、技術もクソもないですが、アレは本当にウザいだけ。バッテリーの消耗は早いし、専用バッテリーの値段は高いし、再始動時のセルモーター音はうるさいし、それでいて燃料の節約なんか全然体感できないレベルだし、ほとんど何の役にも立ちません。ないほうがいい装備の代表ですが、そんなアイドリングストップにストップがかかりつつあるのは朗報です。
新型フリードでの英断により、ホンダのガソリン車(国内向け)でアイドリングストップを採用しているのは、「Nシリーズ」と「シビック」、「ステップワゴン」だけになった。トヨタも、「ヤリス」や「シエンタ」などで、アイドリングストップを外している。いいぞいいぞ! アイドリングストップ装備車も、せめてアイドリングストップ解除ボタンを押したら、それを記憶してくれるといいのですが。
ほかには、タッチパネルも一気に廃れてほしい技術です。あんな不便なモンが、なぜこんなに普及してしまったのだろう。アイドリングストップと違って解除もできないので、本当に困ります。打倒タッチパネル!
これでカーライフは一変する!
◇温度でゴム質が変わるダンロップのオールシーズンタイヤ「シンクロウェザー」
現在、私は愛車「プジョー508」にごく普通のオールシーズンタイヤを履かせておりますが、それだけでは雪国への突撃はムリ。だから、スタッドレスタイヤに近いスノー/アイス性能を実現した、こんなタイヤを待っていたんです! まさに二刀流の万能選手! あなたも私も大谷翔平!
まだお値段は高いし、雪国の皆さんは断固としてスタッドレスを使い続けるだろうし、一気に普及なんてとてもムリだとは思いますが、一気に普及するくらいのお値段になるといいなぁ(関連記事)。
◇「メルセデス・ベンツEクラス」の「アンビエントライトをオーディオと同調させる機能」
以前も『webCG』で絶賛しましたが(関連記事)、音楽に合わせて64色のアンビエントライトが明滅するのは、陶酔以外の何物でもない! これは自動車の楽しみを一気に広げてくれるすごい新技術だ! ドライバーも楽しめるエンターテインメントなのがスバラシイ!
車内に大画面モニターを装備する高級車が増えているけれど、そんなもん、ドライバーとは全然カンケーない。自動運転が実用化されない限り、自分が楽しむ機会は訪れない。でも、「アンビエントライトをオーディオに同調」なら、注視する必要ないので問題ナシ! 一気に普及してほしい! 「あんなもんが?」とバカにしてるそこのあなた! 一度体験したら病みつきだよ!
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高齢化時代の理想の形
◇「ロータス・セオリー1」の「後方に向かってスライドしつつせり上がるドア」
還暦を過ぎ、クルマの乗り降りがしみじみおっくうになってきました。
日本では後席スライドドアは普及しているけれど、前席はほとんどヒンジドアのまま。最近のクルマってドアがデカいでしょ? 塀とぶつからないようにドアを押さえながら乗り降りするのが、どんどんつらくなってるんだよね。
そんな時、ロータスがやってくれた。セオリー1のドア開閉システムは感動的! 左右方向のスペースを取らないし、開いた時にドアが後ろ側にくるので、乗り降りもしやすそう!
私はかつて「カウンタック」を所有していました。あのシザーズドアも、左右方向のスペースは全然取らないスグレモノだったけれど、普通に乗ろうとするとドアに頭がぶつかってしまう。その点、セオリー1の開き方は完璧だ!
もちろんあんな開き方、2ドアだからできるのであって、後席ドアがあったらムリとは思いますが、自動車メーカーの皆さまにおかれましては、4枚ドア車の前ドアの乗降をラクチンにする新技術の開発をぜひ。
(文=清水草一/写真=本田技研工業、トヨタ自動車、ロータス、webCG/編集=関 顕也)
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清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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