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1/14新生「トヨタ・クラウン」シリーズの第3弾とした登場した「クラウン セダン」。
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2/144モデルからなる新しい「クラウン」シリーズのなかで、唯一セダンという伝統的なボディー形状を受け継ぐ「クラウン セダン」。ただし、そのデザインはルーフラインがそのままリアエンドまでつながるファストバックスタイルとなっている。
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3/142003年に登場した12代目以降の、「クラウン/クラウン セダン」のサイドビュー。スポーティーなイメージがセダンのトレンドとなると、ライバルの多くは車体下部にリアへ向けてキックアップするモチーフを取り入れてきたが、クラウンでは“ゼロクラウン”以降のモデルでも、そうした傾向は控えめだった。
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4/14トヨタのカーデザインの特徴は、とにかく引き出しが多いこと。「クラウン」シリーズの4モデルについても、それぞれで全く異なるイメージのクルマになっている。
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5/14ボディーサイズは全長×全幅×全高=5030×1890×1475mmと、従来型よりひとまわり拡大。特に全長(+120mm)、全幅(+90mm)の拡大が大きく、よりワイド&ロングなイメージとなった。
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6/14「クラウン クロスオーバー/スポーツ」では、フェンダーやドアパネルに複雑な面が取り入れられているのに対し、「クラウン セダン」のそれはソリッドでシンプル。プレスラインの引き方も控えめだ。
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7/14「クラウン セダン」のデザインスケッチ。
渕野「Cピラーの太い、ノッチバックのセダンにしてもカッコよかったと思うんですが」
ほった「そういう『クラウン セダン』も見てみたかったですね。昔は『セダン』と『ハードトップ』があったんだし、つくってくれないかしら?」 -
8/14ファストバックスタイルのボディーに独立したトランクルームを設けた結果、トランクリッドの切り欠きがリアウィンドウ(とそれと連なる黒い化粧部分)を分断するかたちとなってしまった。
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9/14「クラウン セダン」(写真右下)と2代目「ミライ」(同左上)は、基本設計を共有する兄弟車だ。ただし、細かなつくり分けはなされており、クラウンのほうがボディーサイズは大きく、ホイールベースも長い。
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10/14「クラウン セダン」と比べたら攻めたデザインをしている2代目「ミライ」だが、2014年発表の初代は、さらにぶっ飛んだ造形をしていた。初代ミライ→2代目ミライ→クラウン セダンと、デザインにおけるFCEVの“普通のクルマ化”は、着実に進んでいるようだ。
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11/14トヨタ車のデザインの変化を示す好例といえば、新旧の「プリウス」。
ほった「こうして見ると、先代プリウスのデザインはすさまじかったですね」
清水「後ろ姿はもっとヤバイよ。なんせリアコンビが鳥居みたいに光ったんだから」 -
12/14「クラウン セダン」のエクステリアデザインに、パキパキにプレスラインを入れたり、光の反射や映り込みの変化で抑揚を見せたりといった複雑な技法は見当たらない。背の低い、ファストバックの大柄なセダンというスタイリングの強みを、ストレートに生かしているのだ。
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13/14張り出したリアフェンダーまわりのデザインも、いたってシンプル。キャラクターラインがそのまま続いていくのではなく、リアドアハンドルの上で“バトンタッチ”しているのがユニークだが、それを含めても非常にすっきりしている。
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14/14清水「サイドビューはすごくいいんですけど、フロントとかリアはどう感じました?」
渕野「……」
ほった「次回は、その辺も含めてディテールの話をいたしましょう」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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