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1/19「2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」のロゴと、同年の「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「三菱トライトン」。
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2/19「2022-2023 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した「BMW iX」。全長5mに迫る、SUVタイプの電気自動車だ。
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3/19渕野「どう思います? 『BMW iX』は」
ほった「いや、ドイツ製デコトラ商品群の一台としか(汗)。後はまぁ、ちまたで一番見かけないBMWってぐらいですかね」 -
4/19ちなみにドイツ本国では、2025年1月にお化粧直しをしたマイナーチェンジ版の「BMW iX」が発表されている。
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5/19「2022-2023 COTY」のノミネート車の一例。上から順に、「ランドローバー・レンジローバー」「日産アリア」「日産サクラ」。
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6/19「2022-2023 COTY」の「10ベスト」(最終選考に残った10台)。
清水「『マツダCX-60』に『トヨタ・クラウン クロスオーバー』に『日産エクストレイル』に『日産フェアレディZ』に、『ヒョンデ・アイオニック5』もいたんだねぇ」
ほった「この年は、いろんな意味で豊作だったんですね」 -
7/19「2021-2022 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「BMW 4シリーズ」。
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8/19ほった「皆グリルの話ばっかりするから、あえてサイドビューの写真を選んでみましたよ」
清水「こうして見たら、本当によくある普通のクーペだね。確かにカッコいいけどさ」
ほった「それが2021年の『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』でございます」
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9/19「2020-2021 COTY」にて、記念すべき最初の「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた「マツダMX-30」。
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10/19「MX-30」といえばこの「フリースタイルドア」だが……。
渕野「このドアが観音開きであるべき機能的な必然性が、どうにも感じられないんですよ」
清水「実際、不便だしね。これ」 -
11/19ちなみに2020年のCOTYでは「ランドローバー・ディフェンダー」もノミネートされていた。
ほった「売れるクルマやウケるクルマがいいクルマ、とまでは言いませんが、『マツダMX-30』がこいつを押しのけてまでデザイン賞に選ばれる存在かというと、ちょっと説得力に欠けると思うんですよねぇ」 -
12/19渕野「自分もむしろ、一般の方に評価されてこそのカーデザインだと思ってるんですけど……」
ほった「だったらなおさら、歴代『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』の結果は、納得いかないのでは?」
清水「進んで不人気商品を選んでるみたいに思えるもんね。全部とは言わないけどさ」 -
13/19高い機能性とシンプルな意匠が特徴の現行型「ホンダ・フリード」。「2024-2025 COTY」では、見事本賞の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたが、「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」ではわずか1票しか得られなかった。なぜ?
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14/19渕野「でもですよ。もし清水さんの言うように、本当に選考委員の皆さんが、デザインを評価する物差しを持ってないんだとしたら、そうした人たちが選ぶ『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』ってなんなんだって話になりません?」
清水&ほった「……」 -
15/19「2024-2025 COTY」の結果発表の様子。COTYの賞は「日本カー・オブ・ザ・イヤー」にしろ、その他の部門賞にしろ、選考委員全員の投票や点数配分によって決定するものなので(一部、実行委員会の決定する賞は除く)、その結果につっかかっても、あんまり意味はないのだが……。
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16/191980年の記念すべき第1回「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた、5代目「マツダ・ファミリア」。FFのハッチバックという先進的なモデルで、合理的なパッケージに明るい内装、シャープで若々しいスタイルで大人気となった。特に訴求色だった赤の「XG」グレードは、今でいうところのファッションアイテムにもなったという。
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17/191981年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車である、初代「トヨタ・ソアラ」。大排気量の2.8リッター直6エンジンやデジタルメーターをはじめとしたハイテク装備が自慢のラグジュアリークーペで、バブルに至る日本の好景気を先取りしたような存在だった。
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18/19「2024-2025 COTY」の「10ベストカー」の合同試乗会より、袖ケ浦フォレストレースウェイを走る「MINI」。
ほった「皆、エンジンやハンドリングを語るときと同じぐらい、前のめりにデザインの話をしてもいいと思うんですけどねえ」 -
19/19「2024-2025 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「三菱トライトン」と、三菱自動車の関係者。
ほった「でも、“デザイン=設計”ってことで、クルマの評価とカーデザインの評価が切り離せないとなったら、『日本カー・オブ・ザ・イヤー』とは別に『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』なんて部門賞を設ける意味も、ないのでは?」
清水「そんな難しく考えちゃダメだよ。髪の毛が抜けちゃうよ」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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