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1/92024年12月に登場した「スバル・クロストレック」のストロングハイブリッド車。搭載されるハイブリッドパワートレイン自体の名称は、既存のマイルドハイブリッド車のパワートレインと同じく「e-BOXER」となる。そのため、こちらは「e-BOXER(ストロングハイブリッド)」または「S:HEV」と表記して使い分けられている。ちょっとややこしい。
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2/9今回試乗したのは、渋滞時ハンズオフアシストやアクティブレーンチェンジアシスト、ドライバー異常時対応システムなどからなる「アイサイトX」や12.3インチのフル液晶メーターを標準で装備する上級グレードの「クロストレック プレミアムS:HEV EX」。車両本体価格は405万3500円である。
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3/9ストロングハイブリッドシステムは、最高出力160PS、最大トルク209N・mの2.5リッター水平対向4気筒エンジンに、駆動用と発電用の2つのモーターとフロントデファレンシャルギア等をひとつにまとめたトランスアクスルや、容量1.1kWhのリチウムイオンバッテリーを組み合わせて構成される。
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4/9「クロストレック プレミアムS:HEV EX」(写真左)と、“ちょいワル特急”こと愛車の「プジョー508」(同右)との2ショット。クロストレックは、クロスオーバー的なフォルムはともかく、ディテールがゴチャゴチャしすぎていて正直あんまり好みとはいえないタイプのルックスだが、その走りはどうか。
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5/9縦型のディスプレイをダッシュボードの中央に配置した「クロストレック プレミアムS:HEV EX」のインストゥルメントパネル。スイッチ類が比較的多く採用され直感的な操作が行えるのは申し分ないが、こちらもエクステリアデザインと同じくかなりゴチャついた印象を覚えた。
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6/9東京・杉並の路地をフツーに流して、首都高・辰巳PAに到着。住宅街をゆるゆる流したときのパワートレインはトヨタのハイブリッドシステムそのものといった印象で、それと同時に足まわりの感触がとても良かった。マイルドハイブリッドを搭載する素の「クロストレック」よりもこちらのほうが若干引き締まっていて、カーマニア的にはちょうどいい。
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7/9メーカーオプションのルーフレールを装着した「クロストレック プレミアムS:HEV EX」のボディーサイズは全長×全幅×全高=4480×1800×1580mmで、ホイールベースは2670mm。外寸やホイールベース値はマイルドハイブリッド車と変わらない。今回の試乗車は「ピュアレッド」と呼ばれる外板色をまとっていた。
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8/9首都高をぐるっと一周して自宅に戻ったとき、燃費計は18.5km/リッターを表示していた。パワートレインの感触もかなりいいし、足まわりは首都高にドンピシャのライトなスポーティーテイスト。地味だが本当にいいクルマである。
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9/9個人的には、「フェラーリ328」みたいな、ちゃんとフロント荷重をかけないとまるっきり曲がらない、つまり曲がるのに気を使うクルマが好みだが、カーマニアの終活として「クロストレック」のストロングハイブリッド車はアリかもしれない。これは乗れば乗るほど良さがじわっと体にしみ込んでくるような「いいクルマ」タイプである。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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