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1/20ここからは3回に分けて、「e-CMP」プラットフォームを用いたステランティスの次世代商品群を取り上げたい。まずは「アルファ・ロメオ・ジュニア」から。
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2/202024年4月に、当時は「ミラノ」という車名で世界初公開された「ジュニア」。発表直後にすったもんだあって、今の車名に落ち着いた。
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3/20電気自動車(BEV)とエンジン搭載車が用意されるのは、兄弟車の「フィアット600」「ジープ・アベンジャー」と同じだ。
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4/202010年に登場した「アルファ・ロメオ・ジュリエッタ」。先達の「147」のように目立つ存在ではなかったが、最高出力240PSのスポーティーな「ヴェローチェ」なども用意されていた。
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5/202022年登場のコンパクトSUV「トナーレ」。なだらかな曲線を描く各部のラインが特徴で、ショルダーもリアフェンダー上部をピークに、ゆるやかにリアへと下降していく意匠をしていた。
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6/201954年登場の初代「ジュリエッタ」。
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7/20「ジュニア」の三面図。フェンダーとタイヤが大きく張り出した、スタンスのよいプロポーションは、いかにもモダンな欧州車といった感じだ。
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8/20渕野氏&清水氏が絶賛する、リアまわりの造形。張り出したタイヤまわりに、大きく寝かされたリアガラス、その流れを断ち切るようなリアコンビランプおよびテールゲート下面の“絶壁”により、非常にスポーティーで力強く、抑揚の豊かな意匠となっている。
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9/20兄弟車である「ジープ・アベンジャー」(上)との比較。フロントと比べてリアのオーバーハングが短いアベンジャーに対し、「アルファ・ロメオ・ジュニア」(下)は前後の長さが同等か、あるいはそう見えるようにデザインされている。
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10/20渕野「リアコンビランプのグラフィックもいいですよね」
清水「凝ったデザインを使っているクルマは多いけど、イタリア車以外だと、こうもサマにならないよね」 -
11/20賛否両論が渦巻く「ジュニア」のフロントマスク。コの字型のヘッドランプと黒い装飾、ガバっと口を開けたロワグリルにより、かなり押しの強いイメージとなっている。
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12/20中央部の“スクデット”には「レジェンダ」(右)と「プログレッソ」(左)の2種類の意匠が用意される。
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13/20似たような画角での、「ジュニア」(上)と「トナーレ」(下)のフロントクオータービューの比較。
ほった「これは、ボディーの下の腰高感も、トナーレのオーバーハングを長く見せている原因かもしれませんね」 -
14/20「ジュニア」(上)と「トナーレ」(下)のサイドビュー。前者は4195mmの全長に対してホイールベースは2560mm、後者は4530mmの全長に対してホイールベースは2635mm。そもそもジュニアは、トナーレと比べて、全長に対してオーバーハングの比率が小さいクルマだったのだ。
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15/20渕野「『トナーレ』は、デザイナーの意図した伸びやかさに対して、ホイールベースがちょっと短すぎたのかもしれませんね」
ほった「それは仕方ないですね。デザインのためにプラットフォームの設計を変えるわけにはいかないでしょうから」 -
16/20日本仕様の「ジュニア」のフロントまわり。バンパーの左端に、取って付けたかのようにナンバープレートがくっついている。(写真:向後一宏)
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17/20ほった「ナンバープレートといえば、フェラーリも結構苦労している印象がありますね」
清水「イタリア車のデザイナーにとって、他国のナンバープレートは頭痛の種だろうねぇ」
ほった「いや。ちゃんとこういうナンバープレートが付くことを前提にデザインすりゃいいだけの話じゃないですか?」
(写真:郡大二郎) -
18/20「ジュニア」のフロントマスクの特徴となっている、巨大なコの字のヘッドランプ。ご覧のとおり、実際には下部はただの黒い装飾で、そこに灯火類はない。
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19/20清水「トヨタにスバルにフェラーリに……」
ほった「コの字型のヘッドランプ、すっかりありきたりな存在になりましたね」 -
20/20清水「そんな美顔じゃなくっても、このお尻で『ジュニア』は合格だよ! アルファ期待の星なんだし」
ほった「今回の好評価は、アルファ・ロメオ再興への期待も込めて、という感じですかね」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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