第7回:エントリーモデルで味わう異国情緒
輸入車チョイ乗りリポート~アンダー400万円編~
2015.02.26
JAIA輸入車試乗会2015
輸入車は限られた人のための特別なクルマ? いやいや。最新のコンパクトワゴンや刺激的なスポーツハッチバックなど、ちょっと背伸びすれば手の届く価格帯の中にも、魅力的なクルマはたくさんあるのだ。
驚きが詰まってる
フィアット500S……225万7200円
「最近のクルマはつまらない」「家電のようで味がない」なんて、ため息ついてるクルマ好きに、一度は試してほしいクルマ。笑顔になること、請け合いですから!
専用パーツがおごられた、“カッコかわいい”エクステリア。ドアを開ければ、鮮やかなブルーがさらに気分を盛り上げる。見ているだけでもワクワクするけど、一番のうまみは、小さな2気筒エンジンと5段MTの組み合わせにある。
有機的な振動を伴う、875ccターボの「ツインエア」。それを「ブーン!!」と回しつつ、シフトレバーをかき回せば、街中/高速/峠を問わず、運転だけに集中できる。“遊びに夢中な子供”のように。
1010kgの車重に対して、最大トルクは14.8kgm/1900rpm。元気のよさは、推して知るべし。“S”の名前はだてじゃないのだ。
そんな仕様の「フィアット500」が日本に初めて入ってきたのは、2012年夏のこと(で、即完売)。以後、カタログモデルになってからというもの、ますます高まる人気には、インポーターも驚いているという。
「マニア以外にも、響く要素があるのかな?」
そう思ってカタログを見れば、なんと、燃費がとてもいい。JC08モードで、26.6km/リッター。これは、6種類ある500の中でも、最高にして唯一の値だ(ほかは19.4~24.0km/リッター)。
しかも、エアバッグは標準で7つ。パーソナルな相棒を選ぶなら、こんないいヤツそうそういない! と思いますが、どうでしょう?
(文=webCG 関/写真=峰 昌宏)
一目ぼれのその先は……
シトロエンDS 3シック キセノンフルLEDパッケージ……278万1000円
目があってしまったら、きっと虜(とりこ)になる。
新しい「DS 3」のオフィシャルサイトには、そんな一文があった。
目があう? そう、1つのキセノンと3つのLEDランプで構成された新しいヘッドライトユニットが、今回のDS 3の最大のウリなのだ。
PSAグループにおいて、プレミアムなコンパクトモデルに位置づけられるDS 3。確かに目ヂカラは大幅に増した。試乗会場でも、他ブランドの関係者が何人か、その姿を眺めては、「ずいぶん印象が変わりましたねぇ」。「いいですね、新しいライト」。どうやら通にモテる顔になったようだ。
今回の試乗車はエントリーグレードの「Chic(シック)」。1.2リッターの3気筒自然吸気エンジンとシングルクラッチ式の2ペダル5段MT「ETG 5」が組み合わされている。アウトプットは82psと12.0kgm。かなり控えめなプレミアムハッチバックだが、18.6km/リッターという燃費には胸を張る。自動緊急ブレーキ「アクティブシティブレーキ」の搭載も自慢だ。
乗ってみると、エンジンの回転は滑らかで爽快感がある。急な登り坂じゃなければ、それなりにスポーティーさも味わえる。ETG 5も、自らパドルで操作する限りはギクシャクせずに走れる。けれど、DS 3ってWRCのイメージで売ってるクルマなんだから……。
目があってしまって、虜になって、ドライブに出掛けるのなら、1.6リッターターボ+6段MTの上級グレード「Sport Chic(スポーツシック)」をお薦めしたい。
(文=webCG 近藤/写真=峰 昌宏)
マジメで勤勉
メルセデス・ベンツB180……307万円
「メルセデス・ベンツAクラス」がとてもよくできたクルマで、「CLA」や「GLA」、さらには「CLAシューティングブレーク」といった派生車が立て続けに登場したせいもあってか、やや影が薄くなった感のある「Bクラス」が2015年1月9日にマイナーチェンジを受けた。
試乗したのは最もお手頃なモデルの「B180」。車両本体価格307万円に、「レーダーセーフティパッケージ」(19万5400円)と「ベーシックパッケージプラス」(50万円)のオプションが装着されていた。
外観は従来型よりもちょっとこわもてのイケメンになったが、室内の快適さは変わらず、身長187cmの筆者がドラビングポジションをとって後席に座っても、膝まわり、頭上ともに十分な余裕があった。
全高が110mm低いAクラスの方が見た目もスポーティーで、若いお父さんなんかはそちらに心引かれてしまうかもしれないが、この明るくて広々した空間はとても魅力的だ。
シュッとキレのある風貌のAクラスよりも、どこかのほほんとしたイメージのあるBクラスの方が、奥さんの実家に帰省する場合などにも受けがいいだろう。マジメで勤勉なパパを演じるにはもってこいのクルマだろう。
走りだしてもそのマジメさは変わらず、しっかりと家族を包み込むかのようなボディーと、そこから生まれるしっとりとした乗り心地。そして、メルセデス・ベンツならではの安全装備と、文句の付けようがない優等生だ。
でもそれじゃあセクシーさが足りないよ、というちょいワルパパには「B180スポーツ」や「B250 4MATICスポーツ」もあるのでご安心を。
(文=工藤考浩/写真=峰 昌宏)
メジャー予備軍!?
BMW 218iアクティブツアラー……381万円
運転席に座るや、「フィットだ」と思った。色使いや質感、そして香りは確かにビーエム。しかし、どーんと前方に伸びたダッシュボードや三角窓からなる“景色”は、ホンダの売れっ子コンパクトカーをほうふつとさせる。これ、褒め言葉のつもりです。
「BMW初のFF車」という大きなトピックはさておくとしても、広々とした室内空間や、分割式の前後スライド機構を持つ“技アリ”の後席、さらに、シンクのように大きな床下スペース(実測:90×60×15cm)のある荷室。おまけに、天井いっぱいのパノラマ・ガラス・ルーフ……。こんなBMW、いままでなかった! ような気がする。
だから、コンサバなBMWファンは眉をしかめるのだろうけれど――実際、ドライバー目線でクルマを選びがちな既存ユーザーではなく、新規の家族連れが購入するそうだが――セールスは、インポーターの予想以上に好調だとか。
「勝てば官軍」。ポルシェ初のSUV「カイエン」が、あれこれ言われながらも主力商品になったように、このユーティリティー系BMWも、将来メジャーになるかもしれない。「プレミアムなフィット」って、ありそうでなかったし……。
乗れば、次世代スーパーカー「i8」ゆずりの1.5リッター直3ターボは、小さいながらも十分パワフル。「ツアラー」の名前に負けてない。
ただ、ファミリーユースを考えるなら、乗り心地はもうちょいソフトなほうが……。それと価格。オプションを含めたテスト車は、462万3000円。ここだけは、もっとコンパクトにしてほしい。
(文=webCG 関/写真=田村 弥)
あのころのキミじゃない
フォルクスワーゲン・ポロGTI……334万2000円
いつ乗っても「いいなぁ」と感じるクルマのひとつがフォルクスワーゲンの「ポロ」。そのトップグレードである「GTI」が約半年ぶりにラインナップに加わった。
エンジンは、1.4リッターから1.8リッターへと排気量がアップ。これはダウンサイジング命だった最近のフォルクスワーゲン車としては珍しい。過給器はスーパーチャージャー+ターボのツインチャージャーからシングルターボへと変更。その結果、最高出力は192psとなって従来型より12ps向上している。最大トルクは25.5kgmと変わらないが、発生回転数がこれまでの2000rpmから1250rpmに引き下げられた。つまり、よりパワフルに、より扱いやすくなった。
「発進直後から力強いスタートダッシュを実現」とアピールされるとおり、そのスポーティーさには心躍る。乗り心地も、硬いけれども嫌じゃない。5ナンバー規格のコンパクトなボディーサイズは従来通り。外装デザインのシャープさや、内装のクオリティーの高さも含め、日本の都心部のアシとして最高なのがこのポロGTIだ。
……と思っていたら、価格を見て驚いた。334万2000円。フォルクスワーゲン自慢のオプションアイテム(LEDヘッドライトや純正ナビ、電動スライディングルーフなど)をフル装備すれば、ほぼ400万円。「GTI」や「R」など“ヤクモノ”以外の「ゴルフ」ならほぼ買える。
初代のポロGTI(2000年)は、たしか220万円だったのに。フォルクスワーゲン=みんなのクルマも、昔とは違うということなのか。
(文=webCG 近藤/写真=田村 弥)

近藤 俊
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