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1/28国内におけるマツダの新たなフラッグシップとして登場する「CX-80」。先達(せんだつ)の「CX-60」ともども、既存のマツダ車とは趣を異にする意匠をしているが……。
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2/28上から「CX-3」「CX-30」「MX-30」。ジャンル的には同じ“コンパクトクロスオーバー”の枠でくくられる3台だが、こうして見ると、ボディーパネルの表情や、ルーフラインのピークの位置などが、随分異なっている。
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3/28既存のマツダ製クロスオーバーとは一線を画すモデルとして、2021年に登場した「CX-50」。デザイン、パフォーマンスともに、ややオフロード寄りとしたモデルだ。
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4/28大きく張り出した前後フェンダーからもわかるとおり、その全幅は1920mmと相当なもの。同じFFプラットフォームの「CX-5」より、75mmも幅が広いのだ。
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5/28清水「……でも、幅1920mmのSUVなんて、今の日本では結構ザラだよね?」
ほった「導入したら人気になると思うんですけどねぇ」 -
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6/28厚みのあるフロントマスクが印象的な「CX-80」。色に対するこだわりも最近のマツダの特徴で、CX-80にも「アーティザンレッドプレミアムメタリック」と「メルティングカッパーメタリック」(写真)という、美しい新色が設定されている。(写真:向後一宏)
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7/28「CX-60プレミアムモダン」のインストゥルメントパネルまわり。ピュアホワイトの内装は、季節の移ろいにも敏感に気づく、日本人の美感を意識してデザインしたという。(写真:花村英典)
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8/28各所を覆う織物には、ほのかに黒をまぶすことで独特の風合いを表現。ダッシュボードには、一定の間隔をあけて生地を留める“かけ縫い”の技法を取り入れた。
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9/28ほった「渕野さんは『日産アリア』のCMF(カラー・マテリアル・フィニッシュ)を絶賛していましたけど、マツダも負けてないと思うんですよ」
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10/28「CX-80」のドアパネルに浮かぶ、大きな陰影の変化に注目。「CX-30」や「CX-60」、CX-80では、プレスラインに頼るのではなく、連続的な面の変化によりリフレクション(反射)で表情を見せているのだ。
ほった「マツダのこの手法、上品で繊細で大胆で、個人的に結構好きなんですけど」
渕野「自然なニュアンスでこれができるメーカーって、なかなかないですよね」 -
11/28フロントはもちろんのこと、リアでもオラオラ系のデザインを貫く「BMW XM」。こういうイメージのマツダ車も見てみたい……?
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12/28隆々と盛り上がったボンネットや、でっかいエアインテーク、専用の空力パーツなどが目を引く「マツダスピードアクセラ」(2009年)。マツダにも、昔はこうしたモデルがあったのだが……。
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13/28清水「そもそも今のマツダには、『おりゃー、ジェット噴射じゃ!』って盛り上がれるエンジンがないんだよね」
ほった「やはり……やはり“あのエンジン”の復活に期待するしかないのか!」 -
14/282015年の東京モーターショーに出展されたコンセプトモデル「RX-VISION(ビジョン)」。
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15/283人全員が「希代の快作」ということで合意した4代目「マツダ・ロードスター」。某若手シンガーソングライターの歌じゃないけれど、正面で見ても横から見ても下から見てもいいクルマ。
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16/28清水氏が「問題児」とぶった切る「MX-30」。電気自動車や、ロータリーエンジンのレンジエクステンダー搭載車なども設定される意欲的なモデルで、デザインテーマは「ヒューマンモダン」とされている。
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17/28サイドビューではフェンダーモールの意匠に注目。特にフロントがわかりやすいが、前側を立て気味に、後ろ側は傾斜を緩めにと、前後非対称なデザインとすることで動きを見せているのだ。
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18/28いろんな意味で挑戦的なモデルだった「MX-30」だが、観音開き式のドアを含め、元カーデザイナーの識者の目には「ここがその形である必然性というか、説得力が薄い……」と映ったようだ。
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19/28ほった「でも、一応『MX-30』って、ドイツの『レッドドット・デザイン賞』でプロダクトデザイン部門に選ばれていたり、日本でも『日本カー・オブ・ザ・イヤー』で『デザイン・オブ・ザ・イヤー』を受賞したりしてるんですよね」
渕野&清水「……」 -
20/282023年のジャパンモビリティショーで、クルマ好きの熱い視線を一身に集めたコンセプトモデル「アイコニックSP」。プレスラインなどはなく、まさに“形”だけで勝負してきた感のあるモデルだ。
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21/28ボディーサイドが強烈に絞り込まれた、グラマラスな意匠が特徴の「アイコニックSP」。このクルマが市販化される、もしくはこのデザインが他の車形に応用されることは、あるのだろうか……?
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22/28青一色で仕立てられたインテリアには、植物由来のファブリックを使った藍染めの生地や、広島産のカキ殻を使った再生素材が用いられているという。
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23/28傑作の誉れ高いFD型「RX-7」。グラマラスな印象が強い同車だが、実際にはご覧のとおり、ボディーの張り出し/しぼり込みはかなり控えめだった。……余談だが、清水氏の言う「夢じゃ~」の元ネタは、映画『柳生一族の陰謀』のクライマックスにおける悪役のセリフだ。
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24/28渕野氏がそのデザインを高く評価する「マツダ3」。
渕野「ここまでクルマのプロポーションにこだわるメーカーは、国内ではマツダだけです。ぜひ今後も、その姿勢を貫いてほしいんですけど……」 -
25/28構造改革を通し、ブランドの地位向上に前のめりに取り組むマツダ。2014年には、高級感ただよう黒を基調としたショールームの展開もスタート。プレミアムブランド……とまではいかなくとも、アッパーブランドへの移行を図っている。
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26/28マツダの歴史を伝える文化施設「マツダミュージアム」も、2022年にリニューアルされた。
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27/28マツダのカーデザインについて解説するスペースには、クレイモデルとともにコンセプトカー「RXビジョン」「ビジョンクーペ」の姿が。
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28/28デザインテーマ「魂動 -SOUL of MOTION」を具現したオブジェ。強力なデザインへのこだわりによって高い評価を得てきたマツダ。今後もその方向性を貫くべきなのか、新しい方向へも目を向けるべきなのか……。読者諸氏の皆さまは、どう思ったでしょう。

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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