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1/19歴史的にも人気的にも、ポルシェというブランドの核となっている「911」。ポルシェはそのモチーフを、セダンやSUVにも取り入れているが……。
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2/19世界的に熱く支持されるスポーツカーブランドのポルシェ。そのカーデザインを、まずは4ドアモデルを中心に掘り下げてみよう。
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3/192023年11月の「パナメーラ」の世代交代を皮切りに、フルモデルチェンジと大幅改良の大攻勢を仕掛けてきたポルシェ。間もなく4代目の新型「カイエン」(写真)も上市される予定だ。
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4/192024年1月に発表された新型「マカン」(写真は「マカン ターボ」)。ご覧のとおり、フロントまわりは、ぶ厚いバンパーに薄いスポーツクーペの顔を乗せたような意匠となった。
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5/19EV版とともに併売されるガソリンモデルの「マカン」。2022年のマイナーチェンジで、フロントのエアインテークまわりに黒い縁取りが設けられたり、あるいはエアインテークの一帯が、黒で塗りつぶされたりするようになった。
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6/19デザインの面でもポルシェのご本尊となっている「911」。確固としたイメージを守るためか、いずれの世代でも、丸みを帯びたボディーフォルムに、丸目2灯の“カエル顔”、どーんと張り出したリアフェンダー……と、核となるモチーフが常に受け継がれている。
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7/191975年の「924」(写真)のリリース以降、ポルシェは「928」「944」「968」と、多数のFRモデルを投入。北米などで一定の支持は得たのだが……。
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8/19新顔のSUVやセダンの意匠を、既存のスポーツモデルに寄せるのは、他のスポーツカー/スーパーカーブランドでもやっていること。写真はランボルギーニのSUV「ウルスSE」。
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9/19クルマのプロポーションに並々ならぬ執念を燃やす最近のポルシェ。SUVの「マカン」なども、ちょいとクルマを斜めにしただけで、アラ不思議。フロントとリアのオーバーハングが隠れ、“タイヤの外側”にマスを感じさせない、スポーティーな意匠を実現している。
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10/192023年11月に登場した3代目「パナメーラ」。プラットフォームは先代の改良型のため、スタイリングに大きな変化はないものの、全体の意匠としてはややシャープさが増した印象だ。
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11/19スポーティーな4ドアEVの「タイカン」。写真は2024年2月に発表されたマイナーチェンジモデルで、フロントマスクの意匠が刷新されている。
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12/192002年に登場した大型SUVの「カイエン」(初代)。発売されるやたちまち大ヒットモデルとなり、ポルシェの業績を好転させる立役者となった。
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13/19「カイエン」はポルシェがフォルクスワーゲンと共同開発……というか、要するに「フォルクスワーゲン・トゥアレグ」のコンポーネントを流用して開発したSUVである。その造形に「911」のイメージを加味するのには、相当に苦労したはずだ。
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14/19初代「カイエン」のデザインスケッチ。なお、本ページでwebCGほったが言った「売れてるものが~」(※)というのは、ミュージシャンの甲本ヒロトが音楽雑誌の対談企画で、音楽評論家に言い放った金言である。
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15/19初代「カイエン」がデビューした当時の、ポルシェのラインナップ。当時はまだ、「911」と「ボクスター」、そしてカイエンしか商品がなかったのだ。
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16/19プロポーションにこだわる今日のポルシェからすると、初代「カイエン」はまだちょっとボディーがゆるい印象。例えばこうしてフロントクオータービューで見ても、リアタイヤの後ろの張り出しなどに、重み・たるみを感じる。
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17/19渕野「初代(写真向かって左)や2代目(同中央)はそうでもないんですけど、3代目(同右)は抜群にプロポーションがよくなったんですよねぇ。……て、あれ?」
清水「なんでこの写真、3台目だけ『カイエン クーペ』なの?」
ほった「スイマセン。これ以外に3代そろい踏みの写真が見つからなくって」 -
18/192023年4月に大幅改良モデルが導入された「カイエン」。外観では、よりアーチを強めたフェンダーや新デザインのボンネットなどにより、ワイド感がさらに強調された。
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19/19新型「マカン」のデザインスケッチ。欧州では、日米のように既存のガソリン車の併売はされず、新しいEV版のみが販売されている。

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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