-
1/17今回は、キドニーグリルの巨大化などで業界をザワつかせている、BMWのカーデザインがお題である。
-
2/17BMWのカーデザインといえば、FRであることを強調したプロポーションが特徴で、カーデザインの世界でベンチマークとされることもしばしばあった。写真は「世界一美しいクーペ」と評されることもある「M635CSi」。
-
3/17オープン2シーターのスポーツモデル「Z4」。現行型は3代目のモデルで、2018年にデビューしている。
-
4/17新旧「Z4」の寸法を比較すると、先代(上)が全長4250mm、ホイールベース2495mmなのに対し、現行型は全長4335mm、ホイールベース2470mmである。現行型では全長が大きく延びたのに、ホイールベースは短くなっているのだ。
-
5/17現行型「BMW Z4」(と「トヨタGRスープラ」)は、とにかくハンドリングをよくしたかった様子。Z4発表時の報道資料には「ホイールベースは26mm短い2470mmになり、またトレッド幅はフロントが1609mm(+98mm)、リヤが1616mm(+57mm)と著しく広くなり、俊敏性が向上しています」(原文ママ)とある。
-
BMW Z4 の中古車webCG中古車検索
-
6/17長いフロントオーバーハングによる間延び感を解消するため、先代でも長めだったヘッドランプはさらに巨大化し、横に大きく回り込んだデザインとなった。
-
7/172003年に登場した初代「Z4」。「これぞクリス・バングル!」といった趣の面や立体構成に加え、ロングノーズ/ショートデッキのプロポーションもイカした一台だった。
-
8/17初代「Z4」にはクローズドトップの「クーペ」もラインナップされており、これが「ショー会場からコンセプトカーが迷い出てきちゃったか!?」というほどにカッコよかった。写真は高性能版の「Z4 Mクーペ」。
-
9/17現行型「BMW Z4」の兄弟車である「トヨタGRスープラ」。
-
10/172011年に登場した2代目(上)と2019年に登場した3代目(下)の「1シリーズ」。1シリーズは3代目において、エンジン縦置きのFRベースからエンジン横置きのFFベースへと駆動レイアウトを変更。それに伴い、スタイリングも様変わりした。
-
11/17サイド側に引っ張られたヘッドランプと、既存の意匠のキドニーグリルを組み合わせた「1シリーズ」のフロントマスク。グリルとランプの間に関連性がなく、「顔の適当なところにポン、ポンと置いただけ」という印象を覚える。
-
12/17こちらは、2024年6月5日に本国で発表された新型「1シリーズ」。
清水「……鼻先が、“最新版”のキドニーグリルに置き換えられてる」
ほった「確かにこっちのほうが、フロントマスクにまとまりがありますね」 -
13/172023年5月に登場した現行型「5シリーズ セダン」。サイドビューを見ると、FF車のように頭がでかい。
-
14/17床下にバッテリーを敷き詰めたEVもラインナップされる、現行「5シリーズ」。それに伴ってボディーの厚みが増している。
-
15/17投光部は比較的素直に前を向いている「5シリーズ」のヘッドランプだが、やはり目尻の部分を“く”の字に折り曲げ、サイド側へと回り込ませている。上めから見ると、その形状がわかりやすい。
-
16/172024年5月に発表された「3シリーズ」の改良モデル。3シリーズは、昔ながらのBMWのプロポーションを守る、数少ないモデルのひとつである。
-
17/175代目、6代目と、最近は7年スパンで世代交代している「3シリーズ」。現行型のデビューは2019年なので、それに倣えばあと2~3年でフルモデルチェンジを迎えることとなる。新型の登場が、楽しみなような、怖いような……。

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
BMW Z4 の中古車webCG中古車検索
カーデザイン曼荼羅の新着記事
-
第90回:これぞニッポンの心! 軽自動車デザイン進化論(前編) 2025.11.5 新型の「ダイハツ・ムーヴ」に「日産ルークス」と、ここにきて新しいモデルが続々と登場してきた軽自動車。日本独自の規格でつくられ、日本の景観を変えるほどの販売ボリュームを誇る軽のデザインは、今後どのように発展していくのか? 有識者と考えた。
-
第89回:「ホンダ・プレリュード」を再考する(後編) ―全部ハズしたら全部ハマった! “ズレ”が生んだ新しい価値観― 2025.10.29 24年ぶりの復活もあって、いま大いに注目を集めている新型「ホンダ・プレリュード」。すごくスポーティーなわけでも、ストレートにカッコいいわけでもないこのクルマが、これほど話題を呼んでいるのはなぜか? カーデザインの識者と考える。
-
第88回:「ホンダ・プレリュード」を再考する(前編) ―スペシャリティークーペのホントの価値ってなんだ?― 2025.10.22 いよいよ販売が開始されたホンダのスペシャリティークーペ「プレリュード」。コンセプトモデルの頃から反転したようにも思える世間の評価の理由とは? クルマ好きはスペシャリティークーペになにを求めているのか? カーデザインの専門家と考えた。
-
第87回:激論! IAAモビリティー(後編) ―もうアイデアは尽き果てた? カーデザイン界を覆う閉塞感の正体― 2025.10.8 ドイツで開催された欧州最大規模の自動車ショー「IAAモビリティー2025」。クルマの未来を指し示す祭典のはずなのに、どのクルマも「……なんか見たことある」と感じてしまうのはなぜか? 各車のデザインに漠然と覚えた閉塞(へいそく)感の正体を、有識者とともに考えた。
-
第86回:激論! IAAモビリティー(前編) ―メルセデス・ベンツとBMWが示した未来のカーデザインに物申す― 2025.10.1 ドイツで開催された、欧州最大規模の自動車ショー「IAAモビリティー2025」。そこで示された未来の自動車のカタチを、壇上を飾るニューモデルやコンセプトカーの数々を、私たちはどう受け止めればいいのか? 有識者と、欧州カーデザインの今とこれからを考えた。
新着記事
-
NEW
MINIジョンクーパーワークス エースマンE(FWD)【試乗記】
2025.11.12試乗記レーシングスピリットあふれる内外装デザインと装備、そして最高出力258PSの電動パワーユニットの搭載を特徴とする電気自動車「MINIジョンクーパーワークス エースマン」に試乗。Miniのレジェンド、ジョン・クーパーの名を冠した高性能モデルの走りやいかに。 -
NEW
“Baby G”の開発状況は? 来日したメルセデスAMGの開発トップにインタビュー
2025.11.12デイリーコラムジャパンモビリティショー2025の開催に合わせて、メルセデスAMGのCEOであるミヒャエル・シーベ氏が来日。自動車メディアとのグループインタビューに応じた。「コンセプトAMG GT XX」に込めた思いや電動化時代のAMGの在り方などを聞いてみた。 -
NEW
第91回:これぞニッポンの心! 軽自動車デザイン進化論(後編)
2025.11.12カーデザイン曼荼羅激しさを増すスーパーハイトワゴン競争に、車種を増やしつつある電気自動車、いよいよ登場した中国の黒船……と、激動の真っただ中にある日本の軽自動車。競争のなかで磨かれ、さらなる高みへと昇り続ける“小さな巨人”の意匠を、カーデザインの識者と考える。 -
ボンネットの開け方は、なぜ車種によって違うのか?
2025.11.11あの多田哲哉のクルマQ&Aクルマのエンジンルームを覆うボンネットの開け方は、車種によってさまざま。自動車業界で統一されていないという点について、エンジニアはどう思うのか? 元トヨタの多田哲哉さんに聞いてみた。 -
ボルボEX30クロスカントリー ウルトラ ツインモーター パフォーマンス(4WD)【試乗記】
2025.11.11試乗記ボルボの小型電気自動車(BEV)「EX30」にファン待望の「クロスカントリー」が登場。車高を上げてSUVっぽいデザインにという手法自体はおなじみながら、小さなボディーに大パワーを秘めているのがBEVならではのポイントといえるだろう。果たしてその乗り味は? -
メルセデス・ベンツGLB200d 4MATICアーバンスターズ(4WD/8AT)【試乗記】
2025.11.10試乗記2020年に上陸したメルセデス・ベンツの3列シート7人乗りSUV「GLB」も、いよいよモデルライフの最終章に。ディーゼル車の「GLB200d 4MATIC」に追加設定された新グレード「アーバンスターズ」に試乗し、その仕上がりと熟成の走りを確かめた。






























