スバルS210(4WD/CVT)/スバルWRX S4 STI Sport R EX STIパフォーマンスパーツ装着車(4WD/CVT)/日産GT-Rクラブマンレーススペック サスペンションバージョンアップキット(T-Spec仕様)装着車(4WD/6AT)/日産ノート オーラNISMOチューンドe-POWER 4WD NISMOパーツ装着車(4WD)

ノーマルでは飽き足らない人へ 2025.11.01 試乗記 河村 康彦 メーカー系チューナーのNISMO、STI、TRD、無限が、合同で試乗会を開催! まずはSTIの用意した「スバルWRX S4」「S210」、次いでNISMOの「ノート オーラNISMO」と2013年型「日産GT-R」に試乗。ベクトルの大きく異なる、両ブランドの最新の取り組みに触れた。
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限定500台のコンプリートカーに“再”試乗

コンペティションの世界ではライバル同士でも、アフターマーケットではともに存在感をアピールすることでメリットが生まれる――そんな理念に基づいた、日本の自動車メーカー直系のチューニングブランドによる合同活動グループが、「ワークスチューニンググループ」だ。日産系のNISMO、スバル系のスバルテクニカインターナショナル(STI)、トヨタ系のTRD、そしてホンダ系の無限によって構成される。

彼らが、さまざまな作品を持ち寄って行う合同試乗会が、今年も例年どおりに開催された。2022年に「ツインリンクもてぎ」から改称された「モビリティリゾートもてぎ」において、南コースと構内路で各社のモデルを味見。まずはSTIの作品からリポートしたい。

これまで、STIがこのイベントでアピールしていたのは、「運転がうまくなるクルマ」という社是(?)にのっとって開発された、さまざまな「パフォーマンスパーツ」だった。それを装着した現行スバル車を持ち込むというのが、通例であったのだ。

しかし、今回は春にブランドの集大成ともいえるコンプリートカーが発売されたことから、日本では8年ぶりにローンチされたそのモデル=S210を、すでに完売となったものの用意。加えて、S210のベース車両とされた「WRX S4 STIスポーツR EX」に、「発売を前提に現在テスト中」という「ドアピラーガーニッシュ」「フレキシブルトランクバー」「フロントフードフラップ」という3つのアイテムを含むパフォーマンスパーツをフル装着した車両も用意された。

S210には伊豆のサイクルスポーツセンターで試乗した経験があるものの(参照)、あのときは路面整備の行き届いた本コースのみでのテストドライブで、オープン以来30年近い時が流れ、それゆえに随所で荒れた路面も目立つもてぎの構内路を走行できたことは、好都合だった。

SUPER GTやニュルブルクリンク24時間レースなど、国内外のモータースポーツに積極的に参戦しているSTI。彼らの手になるコンプリートカーは、発表直後に完売となるほどの人気を博している。
SUPER GTやニュルブルクリンク24時間レースなど、国内外のモータースポーツに積極的に参戦しているSTI。彼らの手になるコンプリートカーは、発表直後に完売となるほどの人気を博している。拡大
STIにとって久々となるコンプリートカー「S210」。500台の限定モデルで、STI独自の空力パーツやボディー補強パーツを装着。リアサスペンションのゴム製ブッシュをピロボールに変えるなど、足まわりも強化されていた。
STIにとって久々となるコンプリートカー「S210」。500台の限定モデルで、STI独自の空力パーツやボディー補強パーツを装着。リアサスペンションのゴム製ブッシュをピロボールに変えるなど、足まわりも強化されていた。拡大
エンジンは吸排気系の改良と専用コントロールユニットの採用により、レスポンスを改善。最高出力も300PSに高められている。
エンジンは吸排気系の改良と専用コントロールユニットの採用により、レスポンスを改善。最高出力も300PSに高められている。拡大
フロントブレーキには18インチのドリルドディスクローターを採用。電動ブースターのアシスト制御にも独自のチューニングが加えられた。
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