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1/25今も昔も“イキれる/ドヤれるSUV”の筆頭候補である「メルセデス・ベンツGクラス」。これに勝てるクルマは果たして現れるのか? 「世界最強SUV」がついに決まる!
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2/25渕野氏の製作した“最強SUVマトリックス”。全部の車種の名前が言えたアナタはSUV博士だ。
渕野「『ジープ・ラングラー』は今回のテーマにはちょっとそぐわないと思ったので、半透明で載せてます(笑)」
清水「それにしても、ずいぶん左上にクルマが偏ってますね」 -
3/252023年8月に世界初公開された「トヨタ・ランドクルーザー“250”」。デザイン的にインスタ映えする類いのクルマではないが、発表当初から話題が沸騰(ふっとう)していた。
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4/25新しいモデルの方向性や人気車種の推移から、「ハイブランドからローブランドへ」「感情的なデザインから理性的なデザインへ」とトレンドが変化しているのではないか……というのが渕野氏の考察だ。
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5/25ほった「こんなログハウスが似合いそうなSUVがトレンドになるなんて、ホントですかね?」
清水「カーマニア的には、そうなるとすごくうれしいけどね」
(写真:郡大二郎) -
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6/252024年4月に発売された「ランドクルーザー“250”」。「ランクル“300”」のときは納車の遅れなどもあり、街で見かけるようになるまで少し間があった印象だが、“250”はすでに結構な頻度で目にするようになった。(写真:向後一宏)
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7/25渕野「やっぱり、フロントマスクなんかはもう少しシンプルでもよかった気がしますね。全体の強さ感に対して、ここだけ造作が細かい気がします」
(写真:郡大二郎) -
8/25渕野「そういえば、丸目2灯のモデルもありましたよね?」
ほった「丸目ランプが標準で装備されたのは、初版限定モデルの『ZX“ファーストエディション”』だけです。今は確か、販売店オプションで用意されていますよ」
(写真:郡大二郎) -
9/25渕野「マトリックスを見てもらえるとわかるとおり、『ランドクルーザー“250”』がいるところは、このジャンルのモデルとしてはかなりのブルーオーシャンなんですよ」
清水「『スズキ・ジムニーシエラ』のポジションもそこですね!!」 -
10/25時代によってトレンドは変わるが、それとは関係なしに、デザインがアイコン化しているクルマの人気は根強い。その筆頭が「メルセデス・ベンツGクラス」だ。
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11/25「ディフェンダー」のデザインも非常にアイコン的。一目で「ああ、あのクルマだ」とわかる。
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12/25丸目2灯ではないけれど、「トヨタ・ランドクルーザー“250”」のデザインも同様。
ほった「わかりやすいデザインをしているというのもそうですが、ほかに似たクルマがない、というのも“アイコン的デザイン”のキモみたいですね」 -
13/25清水「これはなんてクルマ?」
ほった「清水さんの大好きな『BMW XM』ですよ」
清水「え!?」
ほった「巨大キドニーグリルが目を引くから普段は気づかないけど、XMって遠目に見ると、案外普通なデザインしてるんですよね。これは確かに、アイコンにはなりにくい」 -
14/25コワモテという意味では、間違いなく世界最強格の一台である「レクサスLX」だが、ボディー全体を通して見ると、フロントグリルがこの意匠である必然性があまり感じられない。バンパーや顔まわりの造形だけでボディーとグリルの帳尻を合わせている感があるのだ。
ほった「まぁ、そのムリヤリ感も嫌いじゃないんですけどね」 -
15/251980年から1989年まで販売された“60”系「トヨタ・ランドクルーザー」(上)と、最新の「ランドクルーザー“250”」(下)。
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16/25現行の「ランドクルーザー」ファミリー。写真向かって右が“70”、中央の2台が“250”、左奥が“300”。
ほった「“80”、“100”、“200”って重ねてきた“ステーションワゴン”系の歴史は承知していますが、それでもやっぱり、私はカド丸なデザインの“300”より、カクカクした“70”や“250”のほうが、ランクルっぽいデザインな気がするんですよね」
清水「うん。何言ってるかサッパリわからない」
(写真:郡大二郎) -
17/25特定の世代の復刻デザインというわけではなく、皆が持つ「ランクルってこうだったよね」というイメージを具現したのが「ランドクルーザー“250”」である、というのがwebCGほったの持論だ。世のランクルファンの皆さんは、どう思うだろうか?
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18/25それにしても際立つのが、ハイブランドにおける「レンジローバー」の孤高っぷりだ。そもそも「ハイブランドで理性的」というくくり(渕野氏のマトリックスでいうと、右上のエリア)にあるモデルは、ランドローバー系のSUVだけではないだろうか。
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19/25webCGほったが撮影した特別仕様車「レンジローバーSVビスポーク バルモラルエディション」。見よ! このシンプルに徹した造形美を。
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20/25渕野「よく見ると、ウィンドウのサッシやモールディングも排してるんですよ」
ほった「スゴい。何度も取材しているのに、これは言われるまで気づきませんでした」 -
21/25こちらは「レンジローバーSVビスポーク1858エディション」。内外装は「日本文化と英国とのつながりを表現した」というモノトーンでコーディネートされていた。
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22/25「レンジローバーSVビスポーク1858エディション」のインストゥルメントパネルまわり。外装同様、インテリアもシンプルに徹した静謐(せいひつ)なデザインとなっている。
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23/25現行型「レンジローバー」のデザインスケッチ。
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24/25ほった「このアイデアというか、デザインのこだわりを市販車に落とし込むには、相当に苦労したでしょうね」
渕野「そうですね。今のジャガー・ランドローバーは、相当にデザインの優先度が高いメーカーになっていると思いますよ」 -
25/25清水「それでは、世界最強SUVは『レンジローバー』ということで、よございますね?」
ほった「なんか、いかにもwebCG的な感じがして、かえって釈然としませんけど(笑)」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
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