-
1/21「e-CMP」プラットフォームをベースに開発された「フィアット600」。「アルファ・ロメオ・ジュニア」や「ジープ・アベンジャー」とは、主要コンポーネントを共用する兄弟車の関係にあたる。
-
2/21「フィアット600」のフロントクオータービュー。「500」に似せたフロントマスクが目を引くが……。
-
3/21ボディーサイズは全長×全幅×全高=4200×1780×1595mm。同=3570×1625×1515mmだった従来型「500」や、同=3630×1685×1530mmの現行500と比べると、かなりデカい。
-
4/211955年登場の元祖「フィアット600」。RRの駆動レイアウトを採用した4人乗りの大衆車で、その設計をひとまわりコンパクトにして登場したのが、“ヌオーヴァ500”こと2代目「500」だった。
-
5/21レトロデザインとなって3世代目となる現行型「フォード・マスタング」だが、3連の異形ヘッドランプをはじめ、各部がモダンなスポーツクーペとして解釈し直されている。オリジナルのモチーフは尊重しつつ、次の展開を模索する動きは、すでに多くのネオレトロ系のモデルで見られているのだ。
-
フィアット の中古車webCG中古車検索
-
6/21「フィアット600」の三面図。顔こそ「500」と似てはいるものの……。
-
7/21サイドビューを直接比較すると、ご覧のとおり。ガラスエリアの切り欠きなどに面影はあるものの、全体のフォルムやドアの面形状などが、大きく異なる。
-
8/212014年に登場した「フィアット500X」。フィアットと米GMが協業していたころに開発した、古ーいプラットフォームを今に受け継ぐコンパクトSUVだ。ちなみに、清水氏はもう日本では絶版になったかのように語っていますが、一応、販売は継続されています……。
-
9/21デカくて眠そうな「フィアット600」のフロントマスク。
-
10/212010年登場の初代「MINIカントリーマン(日本名:MINIクロスオーバー)」。MINIと類似性を感じさせる意匠をうまく取り込んだコンパクトSUVで、「MINIのSUVなんて」「こんなのMINIじゃない」という一部アンチの声を吹き飛ばし、人気モデルとなった。
-
11/21現行型の「MINIカントリーマン」。もはや同門の他車種とも、かつてのクラシック「Mini」とも似ても似つかぬ、立派なSUVに成長した(ボディーサイズ的にも)。
-
12/21「フィアット600」の“横顔”。「500」とフロントデザインを統一したため、フロントグリルとホイールアーチの間に“すき間”があり、オーバーハングの長さを視覚的に強調してしまっている。
-
13/21似たような画角で、こちらは「アルファ・ロメオ・ジュニア」。横から見て“く”の字に食い込んだロワグリルや、ヘッドランプ下の黒いタテの加飾により、オーバーハングの長さが視覚的に緩和されている。
-
14/211957年登場の2代目「フィアット500」。現行ラインナップの、多数の車種にそのデザインが反映されていることを思うと、このクルマなくして今のフィアットなし……と言っても過言ではない。
-
15/212024年に登場したBセグメントの新型クロスオーバー「グランデパンダ」。ちまたでの評判はすこぶるよいが、清水氏とwebCGほったは、そのデザインがいまいちピンときていない……。
-
16/211980年登場の初代「パンダ」。今後は「500」系とパンダ系の2つのレトロデザインで、フィアットは食べていくつもりのようだ。
-
17/21清水「フィアットのクルマはみんなレトロデザインになっちゃうかもねぇ」
ほった「いや冗談じゃなくて、2015年登場の現行『ティーポ』が絶版になったら、乗用車は本当に全部ネオレトロになっちゃいますよ」 -
18/21現行型「フィアット500」の電気自動車(BEV)版である「500e」。BEVが苦手な清水氏に「デザインだけでも欲しい!」と言わしめた快作だ。
-
19/21清水「なにこれ?」
ほった「『フィアット600』のデザインスケッチです。一応、1955年の初代を意識してデザインしたみたいですよ」
清水「実車を見ると、あんまりそんな感じしないけどね」 -
20/21ほった「こうして見ると、スケッチの段階ではもっと『500』寄りというか、個性がさく裂したクルマだったのかも」
清水「カーデザインあるあるだね」 -
21/21ほった「もし『600』のデザイナーさんが来日したら、新橋あたりの飲み屋で、みんなで話を聞いてあげましょ」
清水「ほった君、どうせそれも記事にするつもりでしょ?」
ほった「バレましたか」

渕野 健太郎
プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一
お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。
フィアット の中古車webCG中古車検索
カーデザイン曼荼羅の新着記事
-
第94回:ジャパンモビリティショー大総括!(その3) ―刮目せよ! これが日本のカーデザインの最前線だ― 2025.12.3 100万人以上の来場者を集め、晴れやかに終幕した「ジャパンモビリティショー2025」。しかし、ショーの本質である“展示”そのものを観察すると、これは本当に成功だったのか? カーデザインの識者とともに、モビリティーの祭典を(3回目にしてホントに)総括する!
-
第93回:ジャパンモビリティショー大総括!(その2) ―激論! 2025年の最優秀コンセプトカーはどれだ?― 2025.11.26 盛況に終わった「ジャパンモビリティショー2025」を、デザイン視点で大総括! 会場を彩った百花繚乱のショーカーのなかで、「カーデザイン曼荼羅」の面々が思うイチオシの一台はどれか? 各メンバーの“推しグルマ”が、机上で激突する!
-
第92回:ジャパンモビリティショー大総括!(その1) ―新型「日産エルグランド」は「トヨタ・アルファード」に勝てるのか!?― 2025.11.19 盛況に終わった「ジャパンモビリティショー2025」をカーデザイン視点で大総括! 1回目は、webCGでも一番のアクセスを集めた「日産エルグランド」をフィーチャーする。16年ぶりに登場した新型は、あの“高級ミニバンの絶対王者”を破れるのか!?
-
第91回:これぞニッポンの心! 軽自動車デザイン進化論(後編) 2025.11.12 激しさを増すスーパーハイトワゴン競争に、車種を増やしつつある電気自動車、いよいよ登場した中国の黒船……と、激動の真っただ中にある日本の軽自動車。競争のなかで磨かれ、さらなる高みへと昇り続ける“小さな巨人”の意匠を、カーデザインの識者と考える。
-
第90回:これぞニッポンの心! 軽自動車デザイン進化論(前編) 2025.11.5 新型の「ダイハツ・ムーヴ」に「日産ルークス」と、ここにきて新しいモデルが続々と登場してきた軽自動車。日本独自の規格でつくられ、日本の景観を変えるほどの販売ボリュームを誇る軽のデザインは、今後どのように発展していくのか? 有識者と考えた。
新着記事
-
NEW
安心、品質、そして特別な体験を手に入れる レクサス認定中古車CPOという選択
2025.12.10充実のカーライフをレクサス認定中古車CPOで<AD>レクサス独自の厳格な基準をクリアした車両だけが並ぶ「認定中古車CPO(Certified Pre-Owned)」。その特長は品質と保証だけにとどまらない。新車購入オーナーと同じ“特別な体験価値”が約束されるレクサスならではの世界観もまた、大きな魅力である。 -
NEW
業界を揺るがした2025年のホットワード 「トランプ関税」で国産自動車メーカーはどうなった?
2025.12.10デイリーコラム2025年の自動車業界を震え上がらせたのは、アメリカのドナルド・トランプ大統領肝いりのいわゆる「トランプ関税」だ。年の瀬ということで、業界に与えた影響を清水草一が振り返ります。 -
NEW
BYDシーライオン6(FF)【試乗記】
2025.12.10試乗記中国のBYDが日本に向けて放つ第5の矢はプラグインハイブリッド車の「シーライオン6」だ。満タン・満充電からの航続距離は1200kmとされており、BYDは「スーパーハイブリッドSUV」と呼称する。もちろん既存の4モデルと同様に法外(!?)な値づけだ。果たしてその仕上がりやいかに? -
NEW
第95回:レクサスとセンチュリー(前編) ―モノマネじゃない、日本独自の高級車の成否―
2025.12.10カーデザイン曼荼羅「One of One」の標語を掲げ、いちブランドへと独立を果たしたセンチュリー。その存在は、世界のハイエンドブランドと伍(ご)して渡り合うものとなり得るのか? ジャパンモビリティショーのショーカーから、そのポテンシャルをカーデザインの識者と考えた。 -
MTの“シフトフィール”は、どんな要素で決まるのか?
2025.12.9あの多田哲哉のクルマQ&Aクルマ好きの間では、しばしば「MT車のシフトフィールの良しあし」が語られるが、その感触は、どんな要素で決まってくるのだろうか? トヨタでスポーツカーを開発してきたエンジニア、多田哲哉さんに聞いた。 -
フェラーリ12チリンドリ(FR/8AT)【試乗記】
2025.12.9試乗記フェラーリのフラッグシップモデルが刷新。フロントに伝統のV12ユニットを積むニューマシンは、ずばり「12チリンドリ」、つまり12気筒を名乗る。最高出力830PSを生み出すその能力(のごく一部)を日本の公道で味わってみた。






























