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第66回:ここがヘンだよ! 日本カー・オブ・ザ・イヤー(後編) ―webCG捨て身の諫言! 権威ある自動車賞に物申す―

2025.04.23 カーデザイン曼荼羅 渕野 健太郎清水 草一
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「2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」のロゴと、同年の「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「三菱トライトン」。
「2024-2025 日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)」のロゴと、同年の「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「三菱トライトン」。拡大

権威ある自動車賞が、カーデザインをないがしろにしている? グッドデザインを表彰するはずの日本カー・オブ・ザ・イヤー(COTY)の部門賞に、識者が疑問を感じた理由とは? デザインを腫れ物扱いするニッポンの自動車評論に、webCGが物申す!

前編に戻る)

「2022-2023 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した「BMW iX」。全長5mに迫る、SUVタイプの電気自動車だ。
「2022-2023 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」を受賞した「BMW iX」。全長5mに迫る、SUVタイプの電気自動車だ。拡大
渕野「どう思います? 『BMW iX』は」 
ほった「いや、ドイツ製デコトラ商品群の一台としか(汗)。後はまぁ、ちまたで一番見かけないBMWってぐらいですかね」
渕野「どう思います? 『BMW iX』は」 
	ほった「いや、ドイツ製デコトラ商品群の一台としか(汗)。後はまぁ、ちまたで一番見かけないBMWってぐらいですかね」拡大
ちなみにドイツ本国では、2025年1月にお化粧直しをしたマイナーチェンジ版の「BMW iX」が発表されている。
ちなみにドイツ本国では、2025年1月にお化粧直しをしたマイナーチェンジ版の「BMW iX」が発表されている。拡大
「2022-2023 COTY」のノミネート車の一例。上から順に、「ランドローバー・レンジローバー」「日産アリア」「日産サクラ」。
「2022-2023 COTY」のノミネート車の一例。上から順に、「ランドローバー・レンジローバー」「日産アリア」「日産サクラ」。拡大
「2022-2023 COTY」の「10ベスト」(最終選考に残った10台)。 
清水「『マツダCX-60』に『トヨタ・クラウン クロスオーバー』に『日産エクストレイル』に『日産フェアレディZ』に、『ヒョンデ・アイオニック5』もいたんだねぇ」 
ほった「この年は、いろんな意味で豊作だったんですね」
「2022-2023 COTY」の「10ベスト」(最終選考に残った10台)。 
	清水「『マツダCX-60』に『トヨタ・クラウン クロスオーバー』に『日産エクストレイル』に『日産フェアレディZ』に、『ヒョンデ・アイオニック5』もいたんだねぇ」 
	ほった「この年は、いろんな意味で豊作だったんですね」拡大

「アリア」も「レンジローバー」もいたんだよ

webCGほった(以下、ほった)……前回の話は、「COTYのみんな、『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』もちゃんと真面目に投票してますか?」ってところまででしたが。

清水草一(以下、清水):渕野さん、せっかくですから、歴代デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーを順番に評価してくださいよ。

ほった:片っ端からぶった切っていきますか?

渕野健太郎(以下、渕野):そんなつもりは全くありませんけど(汗)。

清水:去年が「三菱トライトン」で、一昨年が「デリカミニ」。その前は「BMW iX」ってなってますね。三菱の2台は前回触れてますし、まずはiX、どうですか?

ほった:あれはヤバいでしょ!

清水:そう? 出た当時は違和感バリバリだったけど、最近「イケてるな」って思えてきたよ!

渕野:「iX」は、確かにこれまでのBMWとは違うデザインでしたけど、個人的には、プロポーションがそれほど洗練されてないように思えたんです。それにこの年は……「レンジローバー」がいたと思うんですが。

ほった:げっ、そうですよ! デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーは圧倒的にレンジでしょ!

渕野:そうなんですよねぇ。……ちなみに、2022年COTYの10ベストはこれです(リストを見せる)。

ほった:あ、「スバル・アウトバック」(その1その2)がいる。……てか、「日産アリア」もいるじゃん。皆、「電気自動車ならではのデザインで~」って言ってiXを推してますけど、そんならiXがよくてアリアがダメな理由が、全然わからん。

渕野:アリアのデザインは、個人的にすごく評価してるんですけど(参照)。

清水:それに、「日産フェアレディZ」もいたのね……。

渕野:日産だったら、イヤーカーの「サクラ」もそうですよ。そうした錚々(そうそう)たるメンバーのなかで、デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーはiXとなりましたと。ちなみに「インポート・カー・オブ・ザ・イヤー」は「ヒョンデ・アイオニック5」でした。

ほった:いやぁ。そっちもレンジローバーだったんじゃないかって、気がするんだけどなぁ。ワタシ個人の意見ですけど。

「これが、この年を代表するデザインか?」

渕野:……で、このさらに前の年、2021年もデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーはBMWの「4シリーズ」だったんですよ。

清水:げえっ! そうだったの!

渕野:このクルマの話題って、ほぼ縦型キドニーグリルでしたよね。

清水:まさに! カーマニアかいわいでは、「縦型キドニー、エグい!」っていう話題だけ沸騰!(笑)

ほった:デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーの選考委員のコメントも、“グリル”の3文字の大嵐ですな。

渕野:確かにそこが一番目立つ変化だったし、BMWが変えようとして変わった部分だから、トピックではあるんですけどね。ただやっぱり「じゃあこれが、この年を代表するデザインか?」って言われると、やっぱりちょっと。

ほった:ちょっと弱い気はしますね。……で、2020年の記念すべき初デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーは、「マツダMX-30」と。

清水:ヒエーッ! ショック!

渕野:マツダはそれまで流麗なデザインで突っ走ってましたが、MX-30はちょっとスタティックで、若干プロダクトデザインっぽい静的なフォルムですよね。ほかのマツダ車とは毛色が違う。ドアの開き方がトピックでしたけど、機能じゃなく目を引くために観音開きにしたんじゃなかろうかとか思ってしまうところがありました(参照)。

清水:とにかく使いづらい。その割にカッコよくない。

渕野:見た目重視で、ちょっとクーペっぽい感じに見せたかったのかな。顔まわりも、グリルとランプが狭いところにグリグリ押し込まれていて、「これ、なんかもう一個パーツ欲しいよな」って感じます。デザイン自体がダメという話ではないんですけど、やっぱり、その年を代表するデザインだったかどうか……。

清水;結果的に、「デザインでコケたモデル」が過半数。(全員笑)

ほった:ちなみに、MX-30がデザイン賞に輝いた“2020-2021”には、かの話題沸騰・人気爆発SUVの「ディフェンダー」もノミネートされてましたよ。どっちのほうがふさわしいとか、デザインが高尚だとかは、ワタシも言えませんけど……。

「2021-2022 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「BMW 4シリーズ」。
「2021-2022 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「BMW 4シリーズ」。拡大
ほった「皆グリルの話ばっかりするから、あえてサイドビューの写真を選んでみましたよ」 
清水「こうして見たら、本当によくある普通のクーペだね。確かにカッコいいけどさ」 
ほった「それが2021年の『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』でございます」
 
ほった「皆グリルの話ばっかりするから、あえてサイドビューの写真を選んでみましたよ」 
	清水「こうして見たら、本当によくある普通のクーペだね。確かにカッコいいけどさ」 
	ほった「それが2021年の『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』でございます」
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「2020-2021 COTY」にて、記念すべき最初の「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた「マツダMX-30」。
「2020-2021 COTY」にて、記念すべき最初の「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた「マツダMX-30」。拡大
「MX-30」といえばこの「フリースタイルドア」だが……。 
渕野「このドアが観音開きであるべき機能的な必然性が、どうにも感じられないんですよ」 
清水「実際、不便だしね。これ」
「MX-30」といえばこの「フリースタイルドア」だが……。 
	渕野「このドアが観音開きであるべき機能的な必然性が、どうにも感じられないんですよ」 
	清水「実際、不便だしね。これ」拡大
ちなみに2020年のCOTYでは「ランドローバー・ディフェンダー」もノミネートされていた。 
ほった「売れるクルマやウケるクルマがいいクルマ、とまでは言いませんが、『マツダMX-30』がこいつを押しのけてまでデザイン賞に選ばれる存在かというと、ちょっと説得力に欠けると思うんですよねぇ」
ちなみに2020年のCOTYでは「ランドローバー・ディフェンダー」もノミネートされていた。 
	ほった「売れるクルマやウケるクルマがいいクルマ、とまでは言いませんが、『マツダMX-30』がこいつを押しのけてまでデザイン賞に選ばれる存在かというと、ちょっと説得力に欠けると思うんですよねぇ」拡大

皆「走り」の専門家だけど……

渕野:うーん。“高尚”ですか。自分は、「デザインは高尚なものだ」って言うつもりは全くないんです。むしろ一般の方に評価されてこそのデザインだと思ってるんですけど……。それでもやはり、公の場で評価する人には、デザインに対する知見というか、そういうのがもうちょっと欲しいと思うんですけど、どうでしょう?

ほった:そうですねぇ。うなずくのがおっかないですが(笑)、選考委員のコメントを読んでると、たまに「え? こんな理由で投票しちゃってたの!?」っていうのも、なくはないですし……。

清水:でもさ、デザインに対する知見がないのは当然だよ。だって鍛える場がないんだから。それはもう全然ない。そもそも、身近にデザインの専門家がいない。皆「走り」の専門家ばっかだもん。「デザインは好みの問題」で終了だからね。

ほった:そういや、自動車メディアのリポートでも、あんまりデザインの批評って見かけないですよね。メカ的な話が中心で。デザインは専門外だから、ヘンなこと言って見透かされるのが怖いってことですか?

渕野:だから、例えば去年なんかだと、日本カー・オブ・ザ・イヤーで推した「ホンダ・フリード」をデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーでも推す勇気が湧かないんですかね。

清水:いや。それについてはもっと単純に、デザインの評価の仕方がわかんないから、「オマケであげる賞」になってるんじゃないですか(笑)。

渕野:そこでちょっと疑問なのが、じゃあカー・オブ・ザ・イヤーの大賞のほうは、皆さんどうやって評価してるのかなっていうことなんです。

ほった:それはやっぱり、いちばんは乗ってのインプレッションでしょう。インタビューとか、取材内容からの評価というのもあるんでしょうけど。

渕野:それは結局主観ですか?

清水:主観と客観って厳密には分けられないからなぁ。

渕野「自分もむしろ、一般の方に評価されてこそのカーデザインだと思ってるんですけど……」 
ほった「だったらなおさら、歴代『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』の結果は、納得いかないのでは?」 
清水「進んで不人気商品を選んでるみたいに思えるもんね。全部とは言わないけどさ」
渕野「自分もむしろ、一般の方に評価されてこそのカーデザインだと思ってるんですけど……」 
	ほった「だったらなおさら、歴代『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』の結果は、納得いかないのでは?」 
	清水「進んで不人気商品を選んでるみたいに思えるもんね。全部とは言わないけどさ」拡大
高い機能性とシンプルな意匠が特徴の現行型「ホンダ・フリード」。「2024-2025 COTY」では、見事本賞の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたが、「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」ではわずか1票しか得られなかった。なぜ?
高い機能性とシンプルな意匠が特徴の現行型「ホンダ・フリード」。「2024-2025 COTY」では、見事本賞の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれたが、「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」ではわずか1票しか得られなかった。なぜ?拡大
渕野「でもですよ。もし清水さんの言うように、本当に選考委員の皆さんが、デザインを評価する物差しを持ってないんだとしたら、そうした人たちが選ぶ『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』ってなんなんだって話になりません?」 
清水&ほった「……」
渕野「でもですよ。もし清水さんの言うように、本当に選考委員の皆さんが、デザインを評価する物差しを持ってないんだとしたら、そうした人たちが選ぶ『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』ってなんなんだって話になりません?」 
	清水&ほった「……」拡大

この結果は、やっぱり腑に落ちない

ほった:なんか話が、キナ臭い方向になってきましたね。この連載もこれが最終回かな。

清水:最初っから十分キナ臭いよ(笑)。いずれにせよ、COTYの賞は大人数の投票で決まるものだし、結果に対していちゃもんつけてもあんまり意味はないと思うんですけど、歴代デザイン・カー・オブ・ザ・イヤーに選ばれたクルマは明らかにおかしい(笑)。デザインを軽視してるとしか思えない。

ほった:本賞で推せなかったクルマに投票してるんでしょ?

清水:それは強く感じるね。

ほった:だとしたら、それって絶対よくないですよ。

渕野:それはダメですね。

ほった:自分が本当にイイと思ったものに入れないと。

渕野:それに、COTYのオフィシャルサイトにはカー・オブ・ザ・イヤーの選考基準というのが書いてあるんですけど、ちゃんと「選考委は選考対象車について、コンセプト、デザイン、性能、品質、安全性、環境負荷、コストパフォーマンスなどを総合的に評価して選考する」とあるんですよ。(全員笑)

ほった:デザインが入ってんじゃん!

清水:入ってたんだ。入ってなかったら、それはそれで大問題だけど(笑)。

渕野:ちゃんと評価の対象に含まれてるんです。商品のコンセプトとデザインというのは割と近しい関係なので、クルマを総合的に評価するうえでは、当然のことでしょう。ただそれを考えると、カー・オブ・ザ・イヤーとデザイン・カー・オブ・ザ・イヤーの結果の乖離(かいり)が、やっぱり腑(ふ)に落ちない(前編参照)。

清水:それは、何度も言いますけど、皆さんにちょっとずつお土産を持って帰っていただきたいという気持ちの結果です、たぶん(笑)。世間的な影響力はゼロだけど、お気持ちだけお受け取りください、という。

渕野:影響力がないのは、なぜですかね?

ほった:いや、だって……誰も気にしてないし。(全員笑)

渕野:それだと、誰のための何のための賞なのかよくわかんない。身内のため? メーカーのため?

清水:主に自動車メディアの地位の保全でしょう。それを責めることはできないけど、いつの間にか『日本レコード大賞』みたいに、誰も話題にしなくなったってことですよ。

「2024-2025 COTY」の結果発表の様子。COTYの賞は「日本カー・オブ・ザ・イヤー」にしろ、その他の部門賞にしろ、選考委員全員の投票や点数配分によって決定するものなので(一部、実行委員会の決定する賞は除く)、その結果につっかかっても、あんまり意味はないのだが……。
「2024-2025 COTY」の結果発表の様子。COTYの賞は「日本カー・オブ・ザ・イヤー」にしろ、その他の部門賞にしろ、選考委員全員の投票や点数配分によって決定するものなので(一部、実行委員会の決定する賞は除く)、その結果につっかかっても、あんまり意味はないのだが……。拡大

皆もっと、デザインの話をしようよ!

清水:まぁでも、今でも一応結果は報道されますからね。広告にも使えたりするし。

渕野:にしても、すごく狭いところでやってる感じがあるんですよ。

清水:それはまぁ、完全にコップの中です。でも昔は、20世紀中ぐらいは、少なくともクルマ好きは注目してましたよね。

渕野:そうなんですか?

清水:僕はすごく注目してました。クルマ好きとして、何が選ばれるのかなーって。ファン心理ですよね。

ほった:考えてみたら、いちばん初めのカー・オブ・ザ・イヤーは5代目「マツダ・ファミリア」だったじゃないですか。あれを最初に選んだってのは、すごい先見の明(めい)があったのかなって思うんですけど。

清水:良識だったよね。「徳大寺巨匠が絶賛したファミリアが選ばれたのか、さすが自動車評論家だな!」って思ったよ。それで2回目が「トヨタ・ソアラ」。あれもファンとしてうれしかったな~。どっちもカッコよかったし。

ほった:そう、きっとカッコよかったんですよね。ファミリアも、ソアラも。これはCOTYに限らずだけど、カーデザインも乗り心地とかハンドリングと一緒で、試乗記とかでもっと触れられていいと思うんですけど。

渕野:そうですね。デザインは、スタイリングや使い勝手などの機能的なところと、テクノロジー面とのバランスなわけですし、例えば視界の評価なんかも、言ってみればデザインの話なんですよ。

清水:デザイン=設計ですもんね。前編でも言いましたけど。

渕野:そう。乗り降りのしやすさとか、荷物の積みやすさとか、そういうのもすべてがデザインのなかに入る。そこで何かを分けて語ったり、評価したりできるものではないと思うんですよね。

清水:そのとおりだと思います。自分もじくじたる思いを持って、原稿を書いていきたいです。

ほった:クルマの顔しか見てないくせに。

清水:いやぁ、クルマは顔が命でしょ!(笑)

(語り=渕野健太郎/文=清水草一/写真=日本カー・オブ・ザ・イヤー、BMW、JLR、トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、マツダ/編集=堀田剛資)

1980年の記念すべき第1回「日本カー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれた、5代目「マツダ・ファミリア」。FFのハッチバックという先進的なモデルで、合理的なパッケージに明るい内装、シャープで若々しいスタイルで大人気となった。特に訴求色だった赤の「XG」グレードは、今でいうところのファッションアイテムにもなったという。
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1981年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車である、初代「トヨタ・ソアラ」。大排気量の2.8リッター直6エンジンやデジタルメーターをはじめとしたハイテク装備が自慢のラグジュアリークーペで、バブルに至る日本の好景気を先取りしたような存在だった。
1981年の「日本カー・オブ・ザ・イヤー」受賞車である、初代「トヨタ・ソアラ」。大排気量の2.8リッター直6エンジンやデジタルメーターをはじめとしたハイテク装備が自慢のラグジュアリークーペで、バブルに至る日本の好景気を先取りしたような存在だった。拡大
「2024-2025 COTY」の「10ベストカー」の合同試乗会より、袖ケ浦フォレストレースウェイを走る「MINI」。 
ほった「皆、エンジンやハンドリングを語るときと同じぐらい、前のめりにデザインの話をしてもいいと思うんですけどねえ」
「2024-2025 COTY」の「10ベストカー」の合同試乗会より、袖ケ浦フォレストレースウェイを走る「MINI」。 
	ほった「皆、エンジンやハンドリングを語るときと同じぐらい、前のめりにデザインの話をしてもいいと思うんですけどねえ」拡大
「2024-2025 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「三菱トライトン」と、三菱自動車の関係者。 
ほった「でも、“デザイン=設計”ってことで、クルマの評価とカーデザインの評価が切り離せないとなったら、『日本カー・オブ・ザ・イヤー』とは別に『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』なんて部門賞を設ける意味も、ないのでは?」 
清水「そんな難しく考えちゃダメだよ。髪の毛が抜けちゃうよ」
「2024-2025 COTY」で「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「三菱トライトン」と、三菱自動車の関係者。 
	ほった「でも、“デザイン=設計”ってことで、クルマの評価とカーデザインの評価が切り離せないとなったら、『日本カー・オブ・ザ・イヤー』とは別に『デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー』なんて部門賞を設ける意味も、ないのでは?」 
	清水「そんな難しく考えちゃダメだよ。髪の毛が抜けちゃうよ」拡大
渕野 健太郎

渕野 健太郎

プロダクトデザイナー兼カーデザインジャーナリスト。福岡県出身。日本大学芸術学部卒業後、富士重工業株式会社(現、株式会社SUBARU)にカーデザイナーとして入社。約20年の間にさまざまなクルマをデザインするなかで、クルマと社会との関わりをより意識するようになる。主観的になりがちなカーデザインを分かりやすく解説、時には問題定義、さらにはデザイン提案まで行うマルチプレイヤーを目指している。

清水 草一

清水 草一

お笑いフェラーリ文学である『そのフェラーリください!』(三推社/講談社)、『フェラーリを買ふということ』(ネコ・パブリッシング)などにとどまらず、日本でただ一人の高速道路ジャーナリストとして『首都高はなぜ渋滞するのか!?』(三推社/講談社)、『高速道路の謎』(扶桑社新書)といった著書も持つ。慶大卒後、編集者を経てフリーライター。最大の趣味は自動車の購入で、現在まで通算47台、うち11台がフェラーリ。本人いわく「『タモリ倶楽部』に首都高研究家として呼ばれたのが人生の金字塔」とのこと。

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